レッドクリフ Part I

by axe | 2008年11月29日(土) 23:58

ポスター
邦題:レッドクリフ Part I
原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人、ウー・ケボ、千葉龍平、チン・ウェン・ハン、キム・ウデク、ユ・ジョンフン、ジョン・ウー
製作:テレンス・チャン、ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、ジン・ハーユ
撮影:リュイ・ユエ、チェン・リー
音楽:岩代太郎
出演:トニー・レオン、金城 武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン
データ:2008年/アメリカ、中国、日本、台湾、韓国 /145分 [東宝東和、エイベックス・エンタテインメント]
鑑賞方法:新宿バルト9 (9番シアター)
評価:★★★★☆
[ストーリー]
 はるか昔の中国で絶大な権力を握る曹操(チャン・フォンイー)は、その兵力にものをいわせて敵国を攻めたてていた。彼の天下統一の野望を打ち砕くため、孔明(金城武)と周瑜(トニー・レオン)はともに協力し、連合軍を結成。だが連合軍の数はわずか6万、片や曹操の軍勢は80万で、その兵力の差は誰の目にも明らかだったが……。
(シネマトゥデイ)
[インプレッション]
いやー、見やすいです。ボク、三国志についてはさわり程度しか知らないんですけども・・・非常にわかりやすかった。しかも見せ所もきちんとあってテンションが終始持続できるので、こういう時代ものに弱い方でも全然お勧めできます。
基本、中国でもっとも一般的な話しである『三国志演義』の中のもっとも有名なエピソード”赤壁の戦い”を基にしているんですが、この作品は中国向けというよりも三国志を知らない (もしくはこれから知る)世界に向けた作品と言えると思う。実際、作中には中国独特の漢字の多い人物名や地名がズラズラと出てくるんですが、わかりやすく訳してあったり、何度もクレジットで人物名を表示させたりと「わかってるがな!!」とつっこみたくなるくらい丁寧です。
冒頭ではわざわざ日本語でNHKの教育番組よろしく導入ナレーションが入っていたりと、まるで子供に絵本を読んで聞かせるくらいにやさしい。しかし、その効果は絶大で、とても導入しやすく物語に入っていけました。

大軍勢
なんと言ってもジョン・ウー演出のかっこよさを全面に出した撮り方は見ていてため息が出ます。これでもかと言うほどの人数、そしてスケール。見応えは十分のエンターテイメント作品としてきっちり完成されているところが素晴らしい。中国らしい数のパワー。1000人を超えるエキストラと馬200頭は圧巻です。
VFXは『パイレーツ・オブ・カリビアン』のスタッフが担当しただけあって、その描写は度肝抜かれます。こういうのは個人的にも大好きです。ジョン・ウーは制作費が足らず自分の資財約10億円を投じてこの作品に臨んでいるそうですが、途中のジョン・ウー監督おなじみの”白いハト”が空から80万の軍勢を俯瞰で見下ろすシーンなんかはそれだけで1億くらいかかっていそうな感じ。
戦闘シーンはアクションがとても秀逸で見やすく迫力があります。ガンバトルのないこの映画でも殺陣が小気味いいので爽快に見ることが出来ます。ハイスピードカメラを使いスローモーションで見せる演出は最近の映画ではありきたりになってきたなかで、やっぱりうまいと思える。
ただ、少し派手なアクションが世界観を壊しかねないのは気になりました。
もともとメインに孔明などの戦術の頭脳バトルを持ってきているので、そこで戦国無双のように1人で戦局をひっくり返しかねない強さはちょっと現実感がなくて萎えてしまわないかが心配。映画『HERO』を思い出しそうになりました。まぁ、いい意味でも悪い意味でもファンの多い伝統的な作品なので各人物の見せ所をきちんと画いた結果でしょう。

今回メインの2人
ストーリーでは、主に諸葛亮 (孔明)と周瑜という軍略家どうしの頭脳戦がメインになり、この金城武とトニー・レオン2人の掛け合いが非常にいいテンポで作品に移入させてくれる。登場する女性は無骨な人物の多いなかで浮いてしまうくらい現代風な美人でビックリした。確かに絶世の美しさだけども、なんだかアイドルのようなんだもの。
頭脳派でユーモラスな台詞の応酬と、全く台詞がないシーンがはっきりと分かれていて心理描写がとてもうまく伝わってくる。これが全体の緊張感をどんどんと高めていき、決戦直前にはもう目が離せないくらいになっている。そしてそのテンションを上手につないだまま『レッドクリフ part II』へ、となるわけで、これはとてもうまい引きだった。休憩にはちょうどいい・・・というか約2時間半なのでもう限界の集中力はうまく次回作に維持されるわけだ。
とにかく劉備を完全に悪として書いた潔さは作品の見やすさをより高めていると思うので評価できる。三国志が好きな人にはつっこみ所など多々あるんでしょうが、『三国志演義』が完全”原作”というわけではないので、純粋にエンターテインメント作品としてクオリティの高い映画ということで楽しめる。
『レッドクリフ partII (赤壁:決戦天下)』は2009年4月公開予定。是非劇場で見たいと思える楽しみな作品になりました。


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