逃げ水

レビュー
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オモテ
ウラ
無双劇場 第6回公演
『逃げ水』
[Cast]
溝口真司、ちんず、根本のりか、高岩正彦、大鋸美砂、上土井敦 (扉座)、淀縄妙子 (ACT MAFIA TOKYO BOWZ)
[Staff]
作・演出:Qingzi
演出助手:溝口真司
照明:福田さやか
音響:松丸恵美
衣裳:小原敏博
メイク:二宮ミハル
振付:AIKO
宣伝美術:keiten
舞台監督:柴田直記
[Time table] 青字=観にいった回
11月23日(金) 19:00
11月24日(土) 14:00/19:00
11月25日(日) 14:00/18:30
11月26日(月) 14:00/19:00
 [上映時間:約90分 (観たときは80分)]
[Ticket]
前売:2,500円
当日:2,800円
★平日マチネ割引 [26(月) 14:00]:2,000円
(全席自由)
[Place]
シアターグリーンBASE THEATER
(→池袋駅 東口徒歩7分)
[劇団 公式サイト]
無双劇場
http://www.muso-theater.net/
[ストーリー]
結成10年目の劇団MST
劇団員はどこか偏った6人の男女
関東演劇祭優勝を目指し、稽古場と居酒屋で汗を流す毎日
馬鹿らしいこの夢を、彼らは叶えられるのか
そして、その先にはなにがあるのだろうか
無双劇場初の青春群像劇
この物語はフィクションです

(公式サイトから引用)
[インプレッション]
“普通”のことを普通に演ずることのなんと難しいことか。それを知っているからこそ見入ってしまう点がいくつか、というか多々あった舞台だった。
基本的にレベルが高い。その一言に尽きるんですが、それ以前に演出のキャラクターの見せ方がうまいのだろう、役者にしか分からないような細かい動作やしぐさがふんだんに入っていてそれだけでも十分に飽きずに見ていた。
話自体は、誤解を恐れずに言うと、まったく「意味の無い話」だったなぁと思う。
しかしそれは、この芝居を見る上ではもはやどうでもいいのである。
ストーリー的には成功を目指している小劇団に所属する役者たちの話で、そこに役者としての葛藤が盛り込まれていくのだが、それ自体は演劇に携わる人間は常に頭のどっかで考えていることだし、一般のお客さんにどう写ったかというよりも、完全に突き放しているようにしか思えない内容は”実際に役者をやっている人”にとってはある意味”ココロに突き刺さる“内容でもある。
やりたいことはよくわかるが、舞台上で舞台人の”裏側の心境”という反則的とも言える題材は、決して万人向けではないし、間違ってもエンターテインメントではない。そういった観点から見ると強く勧められる作品ではない・・・が、ボクは大好きでした。
当然ですが、はっきり言ってこういった作品は誰に勧められて観るもんでもないと思うんで、個人的な感想を言わせてもらうと、出演者みんなの自然な会話をすすめていく小劇場独特の空気の作り方がとても巧くて、見入ってました。笑いもじわじわ来るものが多く押し付けない感じは割りと好きでした。ハズしてもいいし。
ただ、これが普通に話せない役者が演じると、とたんに粗が目立ってしまう気がします。その粗が今回見えなかったことがすごいのであって、同時に気に入った点でもあります。それがこの芝居、脚本だけではないという意味で「意味の無い話」。
見方がだんだん重箱の隅をつつくようなものになっていくのがよろしくないなぁと思いながら、それでも”いい作品”には粗探ししか隙が無いんだなぁと変に納得したりしました。
そもそもボクの独断と偏見に満ちたレビュー自体まったく持って意味の無い話なんですけどね。
評価:★★★★☆

コメント

  1. ぴろタソ より:

    大人の見方やなw
    正直オレはああいう演劇演劇した作品は数々見てきたけど、どうにも好きになれん;
    芝居の対象と言うのはあくまでもお客様中心のものであって、芝居人のためにあるのではない。
    ああいうコンセプトの元でやるのであれば、発表会で十分。わざわざ一般人から金を取ってまでやる必要性はないと考えてしまうのよね~

  2. axe より:

    >>ぴろタソ さん
    おあー! コメントありがとうございます。
    いやいや、それでいいと思います。全くの同感。
    感想や価値観なんて人それぞれですしね。
    いいという人がいれば最悪という人がいたって当たり前。
    むしろ”表現”という分野においては、その考え方のほうが健全だと思ってるくらいです。
    「独断と偏見」と前置いておかないと、こんなこと公開しているブログには書けませんです。(;´∀`)

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