劇団桟敷童子 第61回文化庁芸術祭優秀賞作品
『海猫街・改訂版』
…其処ハ、海賊ノ末裔ノ地…
Cast
池下重大、板垣桃子、原口健太郎、稲葉能敬、鈴木めぐみ、外山博美、川原洋子、桑原勝行、山本あさみ、もりちえ、新井結香、中井理恵、椎名りお、大手忍、深津紀暁、井上昌徳、白石健太
Staff
脚本: サジキドウジ
演出: 東憲司
美術: 塵芥
舞台監督: 深津紀暁、桑原勝行、井上昌徳
照明: Jimmy ((株)FREE WAY)
照明操作: 北澤由佳 ((株)FREE WAY)
作曲: 川崎貴人
チラシ画: 梶村ともみ
チラシ題字: 臼井杏鈴
チラシ舞台写真: 梶原慎一
チラシデザイン: 山田 武
制作: 劇団桟敷童子事務所
Time table
青字=観にいった回
4月21日(月) 19:30
4月22日(火) 19:00
4月23日(水) 14:00/19:00
4月24日(木) 19:00
4月25日(金) 19:30
4月26日(土) 13:00/18:00
4月27日(日) 13:00
4月28日(月) 19:00
4月29日(火) 13:00
4月30日(水) 14:00/19:00
5月01日(木) 14:00
5月02日(金) 19:00
5月03日(土) 13:00
[上映時間:約120分]
Ticket
前売: 3,300円
当日: 3,800円
(全席指定)
Place
すみだパークスタジオ倉
(→錦糸町駅 徒歩13分)
リンク
公式サイト: http://www8.plala.or.jp/s-douji/
CoRich: http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=54158
ストーリー
日露戦争の勝利に日本中が沸き返る中、
貧困にあえぐ一つの村があった。断崖絶壁に囲まれたこの村に、
政府の依頼を受けた視察隊がやって来た。軍事関連都市としての繁栄を目指し、
村は視察隊を盛大にもてなした。海底調査を命じられた村は、
一人の海女に白羽の矢を立てる。
海女の名はイサナ。
勇ましい魚=鯨と名付けられた彼女の潜りに、
村はその存亡を賭ける!
(公式サイトから引用)
インプレッション
お腹いっぱい。
もうね、何がすごいってあの空間で行われている規模。
終演後に「芝居を観た!」という気持ちで満たされる数少ない劇団のひとつである。
脚本にこのセット (美術)が付いているのか、このセットだからあの脚本なのか、とにかくセットとその大仕掛に圧巻。
裏側がどうなっているのか、どうやっているのか、自分は関わっていないのに勝手に作りを想像して途方にくれてしまうあたり役者側からの感想なんだろうけども。
それは置いといて。
この劇団桟敷童子の芝居は『泳ぐ機関車』、『風撃ち』と観てきたが今回で3回目だが、今回の芝居もとにかく物語への没入感がすごい、きっちりとその世界に引きこんでくれる。
とにかく勢いがあり熱く、そしてとても丁寧な芝居づくりが印象的。
キャラクターもみな立っているので、ぐいぐいと終盤まで引っ張ってくれる。
特に、高齢者の役が素晴らしい。
動きや言動、ややずるいところもあるが、かなり使い方が上手い。
逆に、若い衆が多いのでぼやけてしまうのが少し残念。
ストーリー的にはわかりやすく展開も読めるので感情の揺れ動きがあと3段階ぐらい掘り下げれられて描写されていればさらに感情移入できた気がした。
が、個ではなく全体で見せるという点ではこれでいいのかもしれない。
ネタバレになるのであまり詳しくは書かないが、最後にかけてセットがもうすごいことになる。
一言でいうと「ハウルの動く城」。なんのこっちゃかわからないが、見ている時にそれが思い浮かんでしまうほど。
ただ、”話の軸”はあくまで人の心の変化にあるので、終始勢いと熱量で圧倒されてしまうが、それだけで押していく劇団ではない。
丁寧な群像劇とそれを魅せるキャストが魅力的な劇団である。
初めて芝居を見るという人にも是非オススメしたい。
評価:★★★★☆
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