邦題:ボルト
原題:BOLT
監督:クリス・ウィリアムズ、バイロン・ハワード
製作:クラーク・スペンサー、ジョン・ラセター
脚本:クリス・サンダース (ストーリー)、クリス・ウィリアムズ (シナリオ)、ダン・フォーゲルマン (シナリオ)
音楽:ジョン・パウエル
出演:ジョン・トラボルタ、マイリー・サイラス、マルコム・マクダウェル
<日本語吹替え> 佐々木蔵之介、白石涼子、江角マキコ、天野ひろゆき、他
データ:2008年/アメリカ/96分 [ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター (3番スクリーン) 吹替3D版鑑賞
同時上映:『メーターの東京レース (Tokyo Mater)』
評価:★★★★☆
[ストーリー]
テレビの中のスーパーヒーロー犬で自分に本当にスーパーパワーがあると思っている白いシェパード、「ボルト」の話。
ある日、彼は撮影スタジオを勘違いで逃げ出し迷子になってしまう。そして、「ミトンズ」というメスネコと運動ボールから決して出ない「ライノ」というハムスターに出会う。彼は次第に、自分にはスーパーパワーがないことがわかってくる…。
(Wikipedia)
[インプレッション]
ピクサーを完全子会社にしてもいまいちディズニー体制でのアニメ映画は不振だったのだが、今作はピクサーのジョン・ラセターが制作からかかわっているということと、自分の力を信じていたのに現実を知るという、まさに『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーストーリーということで非常に期待が高かった。
なんとこの作品、字幕版と日本語吹替え版、そして吹替3D版という3種類の上映方法で展開されています。
吹替3Dというのは読んで字のごとく、3Dメガネによって飛び出す立体映像で映画を楽しむ事が出来ます。
コチラが3Dメガネ。コレのおかげで3D吹替えバージョンは2,000円になってしまうようですが、映画館の本編映画を完全3Dの立体映像で見たのは人生で初の体験でした。
しかしかなり精度が高くて、途中から全く違和感を感じなく、メガネさえ気にならない人ならば全然OK。十分迫力ある映像を楽しめます。
今回はストーリーが特に秀逸。お手本のような流れと、決して人を馬鹿にしないコメディセンス。うまい台詞や状況の妙で笑ってしまうシーンが満載でした。
もともと動物同士のやり取りが「イヌ!」とか「ネコ!」と呼び合うのでこの語感がなんとも面白い。
日本語監修も良かったんだと思います。
キャラクターがとてもわかりやすく全然ごみごみしないので素直に入り込め、目的が分かりやすいのは子供でも全然物語についていけます。当たり前だけど恐ろしいくらいに丁寧な心理描写には頭が上がりません。すばらしいの一言。
さらに見逃せないのはその設定。一見して勘違いしている主人公が間違いに気づいて成長していくという王道ストーリーにまだこんな見せ方があったのか。ほんの少しのスパイスでまったく新しく新鮮な感覚で観ることができる。
ボルトの状況と冒頭の”イヌ”としての見せかたの導入部分がとても良かった。アクションシーンの流れかたはそれだけでも必見。昨今の火薬だけのハリウッド大作に見習って欲しいくらいだった。
アニメとしてデフォルメされているキャラクターデザインだが、ビックリするくらい細かい動き、生き物としてのノイズまでCGで描写しているので恐ろしくリアルだった。
だから動物の物語としてではなく、ボルトの成長をなんなく描くことができたんだと思う。
イヌでもできる。
ピクサー体制からできた新生ディズニーアニメだが、この路線を是非維持していただきたい。
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