金原忠蔵

舞台
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スパンが短い期間で、芝居をやっていたので、劇団ZAPPA『花 hana』の公演からもう2ヶ月が過ぎてしまいました。ようやく腰を落ち着けて書けるようになったので、『花 hana』のまとめ記事です。

2008年9月の公演した『花 hana』は、時代劇で赤報隊をテーマにした物語でボクの演じる金原忠蔵は、総裁相楽総三の側近であり、赤報隊の幹部でした。
とはいえ人物像は近く、若く素直でいてやんちゃな奴だったので、割と好きなようにできてあまり苦労した覚えはありませんでした。
むしろ苦労したのはどこにウェイトを置くかということ。やっぱり相楽さんとの関係かなぁ。

忠蔵は志半ばにして相楽さんを守るために自らの命を投じて死んでしまいます。そして、死に際のシーンでは相楽さんと出会ったときの回想があるんですが、このシーンのなんと大変なことか。
裏で全速力で走って叫んだ後、すぐに袴と足袋を脱いで気持ちを切り替えてそのシーンに出るわけです。後で書きますが怪我もあったので・・・。

稽古中はできるだけナチュラルに、ストレートに感情を作っていこうと心がけていたんですが、通し稽古の時に爆発することがあって、自分の演技プランぜんぜん関係ないところで涙が出てきて、止まらなくなりました。ここで新しい感情が発見できて、そのまま自分の中で最期のシーンが固まっていったんですが、これはハッキリ言って相楽さんに持ち上げられたものです。
そう断言できるほど、忠蔵はボクの中で生きていたみたい。
自分でも驚いたけど、純粋に嬉しかったです。
ストレートに感情を出す芝居なので楽しかったし気持ちもよかった。

そこが構築できると、あとの役作りや演技はさほど難しいことはなく、大きな物語をつづっていく舞台だけども、ボクの役割だけをトコトン突き詰めていけると思ってました。
アンケートや終演後の感想などでも「感動した」と声をかけていただいて、その反響に改めて驚いた役だったんですが、自分のなかでもこの忠蔵という役はお気に入りで、共感できる部分が多々あります。まぁ、自分に近づけて作ったから当たり前か。しかしながら数々のコメント、非常に嬉しかったです。

今回は本当に”役者”、というか”舞台に立つ”ということを考えさせられた舞台でした。
ボク、2日目「棗組」のゲネでがっつり靭帯を切ってしまいました。もうがっつり。束になっているうち結構切れてしまって、部分断裂というやつです。

最初の殺陣のシーンで舞台上から飛び降りる際に着地した右足首を、「ぐぎぃ!」と思いっきり内にくじいてしまい、そのまま倒れこんでしまいました。一瞬「折れたか」と頭をよぎりましたが、舞台を止めるわけにはいかないのでなんとか立ち上がり、生まれたての小鹿のように殺陣に参加してました。
本番中もずっと氷水で冷やしてましたけど。

幸い、レントゲンでは骨に異常は無かったみたいですが、「絶対安静」という診断を受けてテーピングと仲良くなることを決心。怪我してから2日間は痛み止めでなんとかやってました。日常生活では片足引きずってたんですが。
とにかく本番中は怪我をしているのを悟られないように、体重移動をうまいこと左足に任せて立ち回っておりました。ただでさえ飛び回る奴なんで大変でしたが、殺陣だらけの前作と違い、戦いが少なかったのが不幸中の幸いでした。
観に来てくれた方も怪我をしていることはまったく気づかなかったようでよかったです。

今回のことでボクは相当の覚悟をしたし、考えまくりました。やりきれないような思いもいっぱい。どうにかなりそうなくらいひとりで考えてた。”怪我”なんてしないような、健康だけが取り得のような役者なのに、自分の羽を自らもいで、皆に迷惑をかけているのが堪えられませんでした。
ホントのところ、誰にも見せないようなところでは明日のジョーみたいになっていたのですけど、まぁそんなことは観に来るお客さんにはどうでもいいわけで。共演者にもどうでもいい言い訳なんか語っててもしょうがないわけです。おかげでボク、本番期間中はかなりハイコントラストな日々を過ごしましたよ。

しかし、無事に舞台に立てたのは支えてくれたすべての人のおかげ。
言葉では言い表せないくらいに助けられたことに、ものすごく感謝しています。
とてもとてもいい経験をさせてもらいました。

本番から約2ヶ月が過ぎ、アホみたいに摂取していたコラーゲンのおかげか右足首もじょじょに稼動範囲が広がってきまして、まだ若干の違和感を残してますが、だんだんと高価な可動式フィギュアに近づいてます。
もうだいぶ体重を乗せて走れるようになったので生活や動きに支障はないかと思います。あとは癖にならないように十分気をつけたいと思います。まだ居酒屋ではとり軟骨のから揚げを欠かさない方向で。

【まとめ】
花 hana – 2008年08月21日(木)
キャスト表 – 2008年08月22日(金)
小屋入り、仕込み – 2008年09月16日(火)
場当たり – 2008年09月17日(水)
初日 – 2008年09月18日(木)
2日目 (棗組初日) – 2008年09月19日(金)
3日目 – 2008年09月20日(土)
4日目 – 2008年09月21日(日)
5日目 – 2008年10月22日(月)
6日目 – 2008年09月23日(祝)
7日目 – 2008年09月24日(水)
8日目 – 2008年09月25日(木)
9日目 – 2008年09月26日(金)
10日目 – 2008年09月27日(土)
千秋楽 – 2008年09月28日(日)
千秋楽カーテンコールでの瓦版屋キャスト紹介 – 2008年10月05日(日)
『花 hana』が池袋演劇祭で賞をとったらしいでござるの巻 – 2008年10月15日(水)
劇団ZAPPA『花 hana』、第20回池袋演劇祭で優秀賞受賞!! – 2008年10月24日(金)

【おまけ】
チラシ写真別パターン (カラー)

チラシ用の写真撮影の時に撮った別パターンの写真を何枚か。
赤報隊の服とただの着物バージョンの2パターン撮りました。ちょいと落ち着いてますね。なんだかね。

東京芸術劇場 小ホール1 舞台写真

今回も芸術劇場小ホール1。ここはやっぱり落ち着きます。
10以上の公演となるとくつろいでくるので、よく舞台上でストレッチしながらのんびりしてました。

本番用照明付き舞台面

本番中、照明がつくとこうなります。とてもキレイ。本番中は出演してるのでよくわかりませんが、お客さんとして見てるとすごいですね。

四角だぁ!!

今回、やっぱり握り飯を食べるシーンがあるんですが、これがまた感動するシーンなんですよ。
そこで登場する”四角いにぎりめし”を実際に作ってきてくれたので何枚かパシャパシャ。実は四角くしようとすると、けっこう大変らしいです。

公開処刑ボックス

小道具や細かい衣装が多々あったので忘れ物や紛失防止のために設置された”公開処刑ボックス”。所在不明のアイテムは自動的にここに置かれ、早く取らないと無くなってしまいます。
このボックスは楽屋裏の通路にかなりドーンと設置されてました。

殺陣写真

今回は前回の新撰組ほど殺陣がなかったので、金原忠蔵もそこまでがっつり殺陣はありませんでした。
それでも写真は結構撮ってたので掲載しときます。

鏡前

非常に整理されているときの鏡前。まぁ、いつもこんなもんですけど。
それよりも今回怪我をしたということを聞きつけて差し入れをくれるお客様が多数。
コラーゲンがたっぷり届きました。ありがとうございました。
完全に1日の摂取量をオーバーする勢いでもらいましたが、このコラーゲンだけは他のキャストには一切分けないで、後ほどおいしくいただきました。

おまけ

最後に、今回のあるところで使われたある意味小道具なんですが。まぁいろんなワルノリで実現したおまけ写真です。
かなりパターンがあったんですが、撮りおさめられたのはこれだけ。残念。ていうか完全に内輪ネタだなこりゃ (笑)。

コメント

  1. より:

    わー(´ー`)
    忠蔵サン.懐かしいです!!
    アタシも靭帯切ったことありますが.
    大変なコンディションで舞台に立ってたんですね(;_;)
    すごいです!!
    花散る海の方も.写真でちょっと雰囲気が伝わってきてよかったです!
    白い制服.きまってますね(^O^)

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