邦題:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
脚本・総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉、摩砂雪
音楽:鷺巣詩郎
編集:奥田浩史
製作:カラー
出演:緒方恵美、三石琴乃、山口由里子、林原めぐみ、立木文彦、清川元夢、結城比呂、長沢美樹、子安武人、麦人、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、石田彰、他
データ:2007年/日本/98分 [カラー、クロックワークス]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★☆☆
[ストーリー]
かつて地球を襲った大災害・セカンドインパクトにより、人類はその半分が死に至るにいたった。幾ばくかの年月が流れ、その大惨事より復興しつつあった人類に、突如として使徒と呼称される謎の生命体が攻撃を仕掛けてきた。
国連の下部組織である特務機関NERV(ネルフ)の司令である父親から第3新東京市に呼び出された14歳の少年「碇シンジ」は、襲来する使徒を殲滅するため極秘に開発されていた、汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン(EVA)初号機に乗る事を父親に強要される。
父親に反発し、一時EVAに乗ることを拒むシンジであったが、もう一人のEVAパイロット「綾波レイ」の重傷を目の当たりにしてEVAに乗り込むことを決心する。
(Wikipedia)
[インプレッション]
社会現象にもなったアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を元にする、実に10年ぶりの新作シリーズ。しかも、今回はただの焼き直しリメイクではなく、旧作のフィルム映像を一切使用せずに一新している点でも興味深い。また、新設定や新キャラクターが登場し、全く新しい結末が用意されているということだ。
その意味でも、タイトルから「新世紀」という文字が消え、「エ」を「ヱ」、「オ」を「ヲ」に変えている。
当時ボクはリアルタイム放送の時に、EVAに乗るチルドレンと同じ14歳だったのでドンピシャリだったんですが、実は見逃していました。当時はただのロボットもののアニメという勝手な認識で観ていなかったんですが、高校に入ってから世間のあまりの反響に興味を持ちビデオで映画版までを一気に観たという思い出が・・・ああ、あれからもう10年くらいも経つのか。
とにかく、その後のアニメ業界やエンターテインメント産業にまでいろいろな影響を残していった『エヴァ』ですが、やっぱり本家。今見るとやはり表現がありきたりに感じてしまったり設定が良くみるなぁと感じるのはこちらのオリジナルから派生した作品の多さを語っているんだろう。
包帯巻いた綾波が出てきたときなんかもうね・・・、なんか「いまどきベタだなぁ」と感じる自分に笑いそうになった。
物語は当時の1話~9話までのストーリーほぼそのまま。正統派の見せ方でちゃんと魅せてくれます。ただ、どちらかというと先に出てくる感情は”懐かしい”。きっとファンであればあるほどそう感じながら本編を観ていたんじゃなかろうか。まるで確認するかのように。まぁ、さすがに10年前の作品だからね、新鮮な気持ちでは観れません。
テンポがものすごくいいのだが、気持ちよくはない。ちょっと追いかけて物語が展開していくのでこの作品から『エヴァ』に入るとすこし戸惑うかもしれない。
新デザインの使徒は最高だったし、旧作と違うような表現を探す箇所もあり面白い。作画もすばらしくおなじみのエンドクレジットには思わずニヤリとしてしまった。だがこれはあくまで旧作との違いを探しながら観る楽しみ。物足りなさは、ある。
純粋に『ヱヴァンゲリヲン』をエンターテインメントとして楽しむには新キャラクターが登場してくる次回以降だといえるだろう。
おそらく次回の『破』が、この”新劇場版”のポジションを確立する重要な位置づけになると思う。
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