改めまして、11月25日まで本番だったサンダイステージ企画『コメディエンヌ No.1』無事に終わりました!
この舞台の振り返りを兼ねたまとめ記事になります。
稽古中や本番中はバタバタしていてしっかりと書けなかったんですがとても濃い体験をさせていただきました。
そういう意味で書きたいこといっぱい。
まず。当日劇場までご来場頂きました皆様、並びに関わってくれた全てのスタッフ、そして何より「応援」してくれた皆様、本当にありがとうございました!
ボク自身もヨダレが出るくらい好きなバックステージコメディということでもう、稽古から本番中まで楽しんでウリーロ先生を演じておりました。
パパラマ・ウリーロ
今回僕が演じたのは精神科医のパパラマ・ウリーロという役。進行中の舞台裏で巻き起こる事件を唯一の部外者として見届けているような、舞台に関わっている役者や演出、脚本家と比べると少し異質な存在でした。
精神科医の役だからか、稽古中には「先生」と呼ばれることが多かったような…。
個人的には本番中のドタバタに当事者としてのリアクションが取れずみんなのような焦りに参加できなくて少し残念な思いもしておりましたが(笑)。
精神科医のトラウマ
この舞台は様々なキャラクターが登場して、どのキャラクターも劇中で起こる事件を通して自分なりに成長していきます。
ウリーロもそう。劇中で極度の女性不信と得体の知れないものへの恐怖を克服していきます。
支配人の娘を治療するために訪れただけの楽屋で、劇中劇の本番をある種一歩引いて見ていたんですが、事件とともに起こる不思議な出来事で幽霊を目撃してしまったりしてどんどん追い詰められたり。
離婚したばかりで立ち直れない女性への本音を吐き出してみたり。
最後は部外者だったのに舞台を終わらせるということに誰よりも熱心に取り組み仕切りだしたり。
話の最初から最後までキーマンとなる役どころでした。
弱さを見せる部分や、幽霊への恐怖、そして心情の変化と実はかなり感情豊かでしたね。
板の上でもらうもの
役作りとしても、まず膨大なセリフ量、これをしっかりと聞かせる説得力とシチュエーションコメディなので、リアクションのメリハリを意識してました。
劇中劇内の役者ではないのである意味ずっと楽屋にいるので、この『コメディエンヌ No.1』では終始出ずっぱりなのです。そういう意味でもとてもやりがいのある役でしたね。
ノンストップで起こっていく事件や騒ぎにその瞬間ごとに反応していくので、やっていてもとても集中力を使いますが、稽古後半からはできるだけ自然体にそこにただいることだけを重視してました。
動きや段取りを覚えていくというよりは、その瞬間そこで生まれていることに丁寧に応じていくという感じ。
通し稽古が多くなってきた時期から格段に楽に、というか演りやすくなったのを覚えています。
なんやかんやあって、命がけで舞台を進行させていくみんなに感銘を受け、ラストに向けてなんとか舞台を終わらそうと誰よりも奔走するウリーロの長台詞、最終的に熱くなりすぎて新しい台本をグッチャグチャにしてしまうんですが、ここまでの感情の持っていき方がまた難しかったです。
しかしながら本番中の共演者のエネルギーに助けられました。本当にこれが大きかった。
かみ合わせ、会話って大事だなぁと改めて認識。
一瞬あとには消えてしまって記憶の中にしか残らない
ウリーロの台詞、
「現在を精一杯表現する。一瞬あとには消えてしまって…記憶の中にしか残らない…皆さんそんなことに命がけだ…。だからこそ…こんなにも素晴らしいんだと思いますよ」
舞台というものの儚さというか、それでも本当に舞台っていいなぁと思える言葉。
ボクの台詞なんですが、個人的にこの作品の中で一番好きな台詞です。
最後に演出家ぺぺと見る景色は本当に素晴らしくて。
だからこの台詞をお客様にできるだけストレートに届けられるよう、本当に精一杯、自分だけではなくカンパニーで一丸となってこの台詞に共感していただけるよう丁寧に臨みました。
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写真
舞台写真
今回は終始「楽屋」でのお話なので、本番中の楽屋の1室です。
下手奥には本番中の舞台面に向かう階段が。みんなここから舞台袖を見る芝居をしていました。
中央の机にはお菓子が。このお菓子は本物で日によってちょこちょこ変わっていたり豪華になっていて実は楽しみにしてました。本番中にちょこちょこ減っている(?)ことも。
シアターグリーン BIG TREE THEATERの客席はとても傾斜があり、見下ろし型の客席です。かなりの段差があり席につくまでは少し怖いくらいですが、とても見やすくていい劇場です。
楽屋など
楽屋は舞台面のほぼ真下にあり、少し…狭いのです。
ただ、鏡前がなんとも落ち着く場所で、みんなの会話を常に楽しみながら本番に臨んでました。
お花など
お花ありがとうございます!嬉しいですねー!
こちらも、みんなでしっかりいただきました!
Aチーム
今回は初日にマチネ・ソワレの2公演というスケジュールだったので、ダブルキャスト公演には珍しく同時に初日を迎える形でした。シングルキャストはゲネを合わせると3公演やったことになるんですが…(笑)。
Aチームの全体写真。真ん中にいるのが演出のオカモトさんです。
Aチームの女優陣。本番前の女子楽屋に恐る恐る入りながら撮らせていただきました(笑)。
被りそうなチャコール役の岡本美歌ちゃんはきっちり鏡で写ってますね。
サヴァさん怖い (Sufaさん)。
Bチーム
こちらがBチームの全体写真。やっぱり真ん中にいるのが演出のオカモトさんです。
Bチームの女優陣。ダンサーさんたちも一緒に写ってくれました。女子楽屋とはまた違う楽屋なのでとっても賑やか。
一番うしろには分かりづらいですが、今回のダンスナンバーの素晴らしい振り付けをしてくれたHitoMinさんも!
もっと写真撮ればよかった激しく後悔しております。
サヴァさん怖い (優妃さん)。
アリーちゃん
今回の舞台が壊れていく元凶とも言える存在、アリーちゃんですが、2人とも12歳と全く同じ年齢で、33歳の自分が1日だけ子供の頃に戻ってくるという複雑な役をこなしておりました。
稽古中、演出のオカモトさんから「ここのセリフは33歳っぽく…」と言われても、「あ、はい!わかりました!」とキャスト一同息を呑む瞬間が何回も。
劇中ではこの子を治療するために来たウリーロ役の僕は最後までよく絡むので、彼女らの稽古中の成長に驚いておりました。
悪魔
悪魔じゃないです、タジモ役の瀬生彬等くん。
ほぼ出落ち状態のものっそいメイクで悪魔の役の人らしいんですが、劇中 (楽屋)ではずっとツッコミやリアクションをしてくれる気の回るいい人でした。
実際に演じている瀬生くんも気が回る器用な役者さん。僕の所属劇団、Theatre劇団子のことも知ってくれていてとっても親近感が!
演出家と脚本家
演出家ペペ役の三嶋健太さん。本当に軸がぶれないアツい男で、芝居に真摯に向き合って立ってくれる今回の戦友です。
ラストの2人のシーンはとてもやりやすかった。
ちなみに左端から生えているのが今回のスーパー舞台監督の出口さん。さすがです。
脚本家パシモド役の志田良太さん。どんどん自分の舞台が壊れていくので必死に新しい物語を劇中で書き続けている役で、個人的にもとても面白くやりがいのある役だろうなぁと。
実はこの2人とは開演直前の舞台袖で、毎回決まって儀式のように軽く気合い入れをしておりました。
その日のコンディションを互いに伝え合いながら、最後に必ず「楽しもう!」と。
演出、オカモト國ヒコさん
今作の作演出、オカモト國ヒコさんです。稽古当初、どう呼べばいいですかとの問に「クニちゃんで」と仰ってましたが、みんなからはオカモトさんオカモトさんと呼ばれ親しまれておりました。
初めて、オカモトさんの作品に出させていただきましたが、オーディションのときに台本を読んだときから「これは面白い!」と出演を熱望していたのでこうやって作品に関われてとても嬉しかったです。
パパラマ・ウリーロという大役をいただき、個人的にも素晴らしい経験をさせてもらいました。
またぜひご一緒したい。
本当はまだまだ書きたいことや各キャストについて語りたいことがあるんですが、ひとまずここまで。
裏話など語り尽くせないくらいありますので、この『コメディエンヌ No.1』くらい面白い現象も本番中にちょくちょく遭遇しました。
いやあ舞台って、本当に素晴らしいですね。
おーわーりっ!
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