予定よりも少し早く楽屋に入ると自分の名前が書いてある名札をくるりとひっくり返す。劇場にあるカップの自販機でホットココアを飲む。出てくるココアが勢いありすぎて、少しはみ出るんだよいつも。
初の一日2ステ。マチネがあるので入り時間も早くなったりするのは当たり前です。それでも平日のこの時間帯は朝のラッシュが終わり、かなりのんびりしている状態なので、余裕ができるのには変わりない。じっくりと劇場に向かいます。
マチネ (15:00~) [名]
初日、2日目といい感じで来たので、この昼の時間帯が一番抜けそうな気がしてました。予想通りというかなんと言うか、微妙な間や、テンポが違う気がした。かろうじてお客さんの反応はよかったので、まだ大丈夫な範囲かな。でも昨日までよりも少し落ちてる。実は、ミスりそうな箇所がいくつもありました。
余裕が出てきてるんだろうね。いろんなことを考える余裕が。
ソワレ (19:30~) [名]
気を引き締めなおしてのソワレ。ふがいなさを感じつつ集中しなおしました。お客さんも多かったのでその分、気が入りました。お客さんで芝居変えるなってね。今回のお客さんはとても丁寧に笑ってくれる方たちばかりで、全体的にきちんと狙ったところにハマってくれました。そんな状態になると、本番中にお客さんとの一体感が生まれ、役者も気持ちいいし、楽しくてたまりません。
■ 30秒に1回笑いが来る本
コメディ色の強い舞台をやっているといつも思うのが「あ、ここで笑うんだ」ってところ。お客さんの反応がその日によって違う部分がいくつもあります。一流の芸人はその場の客の空気を読んで対応を変えられるんだろうけど、芝居に関しては客を”つかむ”のがとても大事。役者の作っていく空気に入ってもらうんですね。
そんな空間を2時間のあいだ提供し続けられるこの脚本はとても良くできていると思う。もちろんそれを演じて形にしていく役者陣あってのものだけど。同じ場所で200人もの人間を巻き込んで、感情を共有させられるってすごいことだと思うんだ。
脚本家は30秒に1回は大なり小なり笑いが起きるように作っているらしい。その中でその日のお客さんにあうものがいくつか拾われて、笑いの連鎖によって開場全体の笑い声が完全に”演出効果”になっている。その計算はすべて演出家がやっていて、役者はそれをきちんと演じていればいい。これってすごいことだと思う。
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