2.5次元の青春

レビュー
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オモテ
無理やり片思い
『2.5次元の青春』
[Cast]
横田純、橋本我矛威 (劇団ビタミン大使「ABC」)、金魚、平山理沙、相川雅史、小柳健次郎
[Staff]
作・演出:ようだたかゆき
舞台監督:和希
音響:美川奈穂
宣伝美術:クロミヒデアキ (高円寺バーガーフリークス)
制作協力:ちゃんてじょん
[Time table] 青字=観にいった回
6月19日(金) 14:00/19:30
6月20日(土) 14:00/19:00
6月21日(日) 13:00/18:00
 [上映時間:約90分]
[Ticket]
前売:2,200円
当日:2,500円
(全席自由)
[Place]
高田馬場プロトシアター
(→高田馬場駅 徒歩15分)
[劇団 公式サイト]
無理やり片思い
http://kataomoi.is-mine.net/
[ストーリー]
マンガ研究会。
ややもすればオタクと敬遠される彼ら。
地味で、華やかさとは無縁そうな彼らの織り成す、
非熱血系青春系ストーリー!
漫画研究会とは名ばかりの部員たち。
ひょんなことから、ちゃんとした漫画を書くことになった彼らだが、
当然まともに書いたコトなどあるはずもなく・・・

(公式サイトから引用)
[インプレッション]
高校の漫画研究会での話。終始同じ場面で話が展開するシチュエーションコメディにとても類似した作りだが、はっきり言うと全然シチュエーションコメディではない。ジャンル的には恐らくコメディなのだが。残念ながらこの設定がもったいないくらいにリアルに展開されていくので、言い換えるとどこまでも普通な芝居になっている。
キャラクターや漫画研究部という設定がとても面白そうなのに、そういったところはあまり意味を持たない作りになっている。それぞれの心理描写は必要ないくらいにわかりやすい (ひねられていない、重要では無い役になっている)し、芝居も決して下手ではないのにとことんリアルなので舞台で見る分で伝わりずらいぎりぎりのところ。つまり地味になってしまう。
実際スパイス的な役回りもいたが、物語的にはいなくても成立してしまうし、もともとそこまでに時間をかけるほどの展開も山場もなく終わってしまうので、少し肩透かしを食らってしまう。これはそこまでの空気を作れなかった役者のせいではなく、どうしても感情移入できないまま話が進んでいくのが問題かと。
もう一度言うが、決して個々の芝居は悪くない。むしろしっかりと抑えた芝居が出来ていてある意味まとまっていた。しかし、みんな抑えられすぎていて、見応えが無いという・・・これはもう演出的な問題なんだと思う。
いわゆる”片思い”がテーマの話なのに、根本的に、なぜヒロインに片思いするのかの描写が薄すぎて (あるにはある)、客がそのヒトを好きになる理由が全然理解出来ないのが致命的。
これがリアルな日常であるならば「好きになるのに理由なんて無い」のは至極当たり前で良くあることだし、演じている人物にはしっかりと”リアル”な感情は作れているのはわかるんだけど、それが客に伝わる見せ方をしないと作品として意味が無い。
ヒロインがただただ可愛い美少女とか、どうしても好きにならなければいけない理由とか、とにかく主人公が好きになってしまった気持ちを見せてくれたりすればそれだけで全部成立するのに。
主人公が自分の気持ちに戸惑っている描写だけで、結局本当に好きなのかはっきり見せなかったのも残念。そこがはっきりしないと周りが盛り上がっている (描写を見せる)のが無意味になってしまう。
演出家の考え方に誰も異を唱えずに最後までその通りに作り、まとまり過ぎてしまった印象。
評価:★★☆☆☆

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