カールじいさんの空飛ぶ家

レビュー
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ポスター

邦題:カールじいさんの空飛ぶ家
原題:Up
監督:ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン
製作総指揮:アンドリュー・スタントン、ジョン・ラセター
製作:ジョナス・リベラ
脚本:ボブ・ピーターソン、ロニー・デル・カルメン
音楽:マイケル・ジアッチーノ
出演者:エドワード・アスナー、クリストファー・プラマー、ジョン・ラッツェンバーガー、ジョーダン・ナガイ
<日本語吹替え> 飯塚昭三、大木民夫、楠見尚己、立川大樹、他
データ:2009年/アメリカ/104分 [ウォルト・ディズニー・スタジオ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター (3番スクリーン) 日本語吹替え3D版鑑賞
評価:★★★★☆

[ストーリー]
冒険に憧れる少年カールは1軒の空き家で同じく冒険好きな少女エリーと出会い、意気投合する。成人した二人はやがて結婚し、初めて出会った空き家を新居とした。二人の間に子供は授からなかったものの、”伝説の滝”パラダイス・フォールについて語り合い、いつかそこに行こうと約束する。夫婦の時間を楽しみ、長い間共に幸せに生きてきたが、やがてエリーは病に倒れ、先立ってしまう。
一人なったカールは、街の開発計画によって周囲に高層ビルが建造されていく中、エリーとの思い出の家を守る為に立ち退きの要請を頑固に拒み続けていた。ところがとあるきっかけで事故が起こり、立ち退かざるをえなくなってしまう。そして立ち退きの前夜、カールは妻の遺した冒険ブックを眺めながら決心し、2万個もの風船を結びつけた家ごとパラダイスフォールに向けて旅に出る。
(Wikipedia)

[インプレッション]
モンスターズ・インクの監督が作った作品らしく、登場人物のエモーショナル (感情)が揺れ動くさまが本当に繊細に描かれている。

まず、オープニング。特に凝っている仕掛けがあるわけでものすごい映像が飛び込んでくるわけでもないのになんなんだこの安心感は。”ピクサーブランド”ということもあるだろうが、とにかく見せ方がうまい。
序盤の、エリーとの別れまでを描いた淡々とした描写でさえも見入ってしまった。

 

エリーとの日々

この作品で驚いたのが、悲しみと希望を同時に描いている点。大切な人が他界し、自分は年老いていき世間での状況も悪くなる一方という、これでもかと言うほどの悲壮感ただよう始まり方をする本作は、冒険をして妻の夢を叶えようとする希望に変換している。
子どもが見たらなんてことないストーリーラインだが、この感情を理解できる大人達には特に敏感になる部分だと思う。ちなみにボクは、見事に、何度も大粒の涙を流してしまった。個人的におじいちゃんモノが弱いということも見事に露呈したわけだが、泣きにハマってしまうと3Dメガネが邪魔になります。

そういう感情に敏感な人にはものすごくストライクな作品だが、それ以上にそんなこと考えなくても楽しめて見れる作品に仕上がっているのがすごい。さすがはピクサークオリティと行ったところか。はっきり行って本作を見て感動して泣く子供はいないんじゃなかろうか。

 

原題ポスター

ところでこの作品、原題は『UP (アップ)』なのだが、日本での公開では『カールじいさんの空飛ぶ家』という邦題にされている。個人的には原題のままの方が好きだった。「UP」という言葉に込められた意味と、ピクサーらしいセンスあるタイトルだと思っていたのでちょっと残念。

台詞の掛け合いが面白く、モンスターズ・インクのノリを彷彿とさせる大人じゃないと理解出来ないようなブラックなやりとりもチラホラ。今回はおじいさんと子供のやりとりになるのでどの年齢層でも感情移入できるような箇所が多々あり、非常に丁寧に描かれていると感じた。
画質やモデリングのクオリティは言うこと無しで、時間を忘れて楽しめる作品だろう。3Dに関しては違和感はないものの、特に立体視で観れたことに対する演出はなかったので別に通常の2D版でも良かったかもしれない。もちろん普通に見るに耐える3Dだったが。

 

2万個の風船が実際に付いてます

感動物語かどうかは個人的な部分だけども、この設定にハマればものすごくクルと思う。ちなみにボクは泣きましたガッツリと。
“ラブラブな恋人”というよりも”夫婦になった人”たちに是非観てもらいたい作品です。

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