[花散る海] 千秋楽

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早い。前回10日間の舞台をやっていたからか異様に早く感じる。もっと演じていたい。もっといろんな人に観てもらいたいという思いが非常に強い舞台でした。それでも千秋楽の幕は上がってしまいます。
マチネ 15:00 [名]
千秋楽は一番お客さんが入った回でした。今日はこの時間しかないので集中的に入ったのもあるかも。
最後だからというわけじゃないけど、芝居を変えたつもりも無いけど、多分変わってました。
まったく違う感情の波になってた。自分の中だけだけど、今回相手の顔がおたがいに分からないから余計に自分の中に生まれる波に左右される。
最高に気持ちが入って、気持ちが良かった回でした。でも、お客さんにどう映って見えていたのかは分かりません。計算外な芝居なわけだし、自分の中でとても良かったことでも、見る目線は常にお客様。
そこから考えると、どう映っているかわからない時点でアウト、というか非常に危ういと思う。役者として。
ああ、でも自然に溢れてきたものだったから殊更、無視するともっと変なことになるのは目に見えていたので、ああしたんだと思う。というかああなったんだと思う。確かに生きた。オレ死ぬけど。
お客さんはとても感動してくれていたようだけど。客出しでいろいろな方に握手を求められて、ほっとしてしたのは内緒。だって、狙っていたもの以上が出てきてしまったことによる感動だもの。まだまだ自分の実力じゃないんだなぁ、くそう。本番役者め。
しかしこの揺らぎがあるから、舞台はやめられない。この”波”を乗りこなせるような役者になりたい。
我慢
自分の中で今回、「泣くな! 絶対に泣くな!!」と心に決めているシーンがあります。どの回も息が止まりそうなくらい苦しくて、それでも台詞を言わなくちゃいけなくて、出すのは涙ではなく娘と妻に届ける声、音のみ。
千秋楽、泣いてしまいました。
実はゲネでも少しこぼれてしまったんですが、それは調整用だったので想定内。織り込み済みの涙。
でも、今回は最後の最後で溢れてくるものが止まらなくなって本当にぼろぼろと、台詞が出せなくなるくらい。我慢できないくらいのぼろ泣きです。くっそう。
別に演出家には「泣くな」とは言われてないんですが、僕の役作りの中で譲れない部分だったので悔しい。さらに、気持ちがよくてお客さんもすごく感動していただけに余計悔しい。
これを狙ってやっておけよと。
自分が保守的に走ってそういう考えになったような気もするので、結果そうさせられてしまった相手の共演者にしてやられた気分でした。ホント、いい役者さんと絡めたわ。
ぼく幸せもんです。

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