原題:PIRATES OF THE CARIBBEAN: AT WORLD’S END
監督:ゴア・ヴァービンスキー
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
製作総指揮:マイク・ステンソン、チャド・オマン、ブルース・ヘンドリックス、エリック・マクレオド
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、ジョナサン・プライス、ビル・ナイ、チョウ・ユンファ、ステラン・スカルスガルド、ジャック・ダヴェンポート、トム・ホランダー、ナオミ・ハリス、デヴィッド・スコフィールド、ケヴィン・R・マクナリー、リー・アレンバーグ、マッケンジー・クルック、デヴィッド・ベイリー、キース・リチャーズ
データ:2007年/アメリカ/169分 [ブエナ ビスタ インターナショナル (ジャパン)]
鑑賞方法:ワーナーマイカル新百合ヶ丘/1番スクリーン [レイトショー]
評価:★★★★☆
ストーリー
“深海の悪霊”、デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)と東インド会社のベケット卿(トム・ホランダー)が手を結び、海賊たちは滅亡の危機に瀕していた。生き残る手段は“9人の海賊たち”を招集することだったが、9人のうちのひとりはあのジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)だった。しかし、彼は現在“世界の果て”に囚われていて……。 (シネマトゥデイ)
インプレッション
超大作映画の決定版ともいわんばかりの規模で公開された本作。3作目にしてついに映画館で観てきました。
まずね、長いんですよ。エンドロールが。
約3時間という本編はあっという間でしたが、これでもかというほど長いエンドロール・・・スタッフ数が半端じゃないですね。読めもしないアルファベットがづらづらと流れてくるこの時間が一番飽きそうでしたよ。
前作が3部作の真ん中という位置で、どうにもしまらずに終わってしまい、正直消化不足の内容だったのに対し、今回はせっせと振りまきまくった伏線や謎、キャラクターの関係をしっかりと回収し完結させてくれてます。3時間という長丁場で。しかし、やや詰め込みすぎな感じは否めず、とても豪華な反面キャラクターばかり追っていると話しに取り残されてしまいます。
ただでさえややこしい人物関係が、海賊達が集まってるもんだからみんな腹黒いw どんどん裏切りや逆転、ちょっとした駆け引きが繰り返されます。そういったやり取りの部分は吹き替えで観たほうが分かりやすいかなぁと。出し抜いてやったといきなり得意げな顔されても、展開をよく理解していないと表情がただ流れているだけみたいに見えてしまうなのが非常にもったい。もともと、撮り方がパッパ切り替えてシーンを変えていくから、余計分かりずらい。ネイティブである向こうの人にはちょうどよいテンポなんだろうけど、字幕を追っている日本人にはすぐにはそういう風に解釈しにくいのだろう。もともと、外人が似たような顔に見えるからしょうがないが。ノリトンなんか、最初「誰だコイツ偉そう」くらいにしか認識してなかったしw
伏線回収のための個々の描写やシーンが多かったので、そういう意味では前作までテンポとは程遠かったかな。しかし、それをやるなら正直もっと丁寧にやってほしかった。前作のモンスターは驚く登場の仕方でおしまいだし、その顛末は作中の台詞で語られるのみ。エリザベスと関係が深いある人の死もまったく触れずに、結果だけという見せ方だし。
反面、もっと削れたシーンもあったと思う。贅沢に尺を使いすぎなシーンがいくつか。好きな人には好きだけどね。
キャプテン・ジャック・スパロウに関してはジョニー・デップ改心の出来ではないだろうか。ものすごく楽しそうに演じていたし、キャラクターは完全に出来上がっている。もう、脚本上から一人歩きしている感じだ。良くも悪くも。だから、今回のジャックはやや浮いている感じが漂う。テーマが他にありすぎるから、このキャラクターだけ見せるわけにいかないのはしょうがないが。分裂病の描写がすごく好きなんですが、これはきっとジョニーの悪ふざけというか自己満足 (最高に面白いが)。もちろんいい意味でね。残念なのは、こんなにしっかり見せるなら1作目からやっていてほしかったといこと。
反対に今回、ウィル・ターナーが大躍進。ようやくオーランド・ブルームにも光が当たりましたよ。いままでどの映画でも顔のよさだけ目立って、パッとしない活躍ばかりでしたが、この脚本で目立たなければもう大根役者だよというくらいおいしい。ほとんど自動的に持ってける内容でした。全国のオーリーファン涙目必死。あのキャラクターは完成されたジャックと違い、3部作の中で成長していく役だからかもしれないけれど、やや芝居に受け身感がぬぐいきれないオーリー。「そこがいい!」っていうファンもいるんだろうけれど、表情が終始さわやかスマイルのままで通せるのもすごいなと思ってみたり。
問題点は、エリザベス・スワンの心情がいまいち入ってこない。裏切りの連続だからかもしれないけど、どんなに不信感があっても、さんざんドンパチやったあとで「でも生きてる」で解決してしまう、ってのがいまいち日本人には理解できない。芝居もプロポーションも最高にキレイで完成されているんだろうけど、いまいち感情移入しにくいのはそこか。終盤のみんなを従える一人芝居は圧巻でした。良かったです、撮り方が。インタビューでは本人、相当緊張していたようだけれども。
“海賊の掟の番人”はゲスト出演のキース・リチャーズ。無駄に存在感を振りまきまくっていました。あんたが海賊王でいいだろと。とにかく重低音の声がいい。デップがジャック・スパロウのモデルにしたというだけあってそっくり。ジャックと関係が深い人物として登場していました。ちなみに名前はキャプテン・ティーグ・スパロウ。
最後にキャプテン・バルボッサ。今回彼が全部持っていきました。そういっても過言でないくらい最高にかっこいいし、おいしい。そして、1作目以上の憎めないキャラクターです。ストーリーの中核としては決してメインではないんですが、メイン (ウィル)を喰って存在感を見せ付けているのは役者の腕に他なりません。ジェフリー・ラッシュ最高。ただね、ちょっといい奴すぎやしませんか?
3部作通しての作品としては、今回の作品が一番豪華でしたが、やはり自分の中では第1作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』の衝撃を超えてはいないな、というのが正直な感想。あの時は続編構成の話はなかったし、光と影によって骨の姿になったり生身の肉体になったりとビジュアル、アイディア、インパクトともに抜群でした。話もテンポ良くて純粋にジャック・スパロウがメインの話だったしね。
今作は、大きくなりすぎて収拾がつかなくなる前に、力技で詰め込んだというハリウッドお得意の妙技が光った作品ではありました。それでも、観るべきところは多いと思います。純粋に人に進められるし、損はしません。
そのほか、観るべきポイントを挙げていきます。
・ シリーズ初登場のチョウ・ユンファ
海賊長の一人として出ます。専用ポスターが製作されるくらいの人物ですが・・・。
・ 女神カリプソ
海の女神は・・・まぁ、劇場で見てのお楽しみってことで。活躍も・・・お楽しみってことで。
・ エンドロール後のおまけ
エンドロールは長くても、我慢して最後まで観ましょう。蛇足という人もいますが、僕はこれであえて作品の評価が上がりました。ちなみに、最初の少年と最後の少年は全くの別人だそうです。似ていますが、役者も違います。
・ カニ
このグッズ売れますよ、絶対。どうですか? ディズニーさん。
・ ベケット卿
一貫した冷血の悪役はすばらしい。もっと人間味のあるシーンがあれば客がストーリーの目的にもっと共感できたかも。でも、その代わり本編3時間半になるけど。
・ デイヴィ・ジョーンズの口元
最新のCG技術を駆使して作り上げられるこのキャラクター。撮影中は演じるビル・ナイ本人の顔周りに無数の小さいモーションキャプチャーボールが貼り付けられてます。特に多くのボールがつけられた箇所は”目元”と”口元”。ここで感情を表現するビル・ナイに圧巻です。でも、口元だけはいつでもポニョポニョ動いていて、ちょっとカワイイ。
・ エリザベス・スワン (キーラ・ナイトレイ)の胸
とても綺麗でスタイル抜群のエリザベスも、胸だけはやや控えめ、というのは有名な話 (そんなの全然いいと思いますけどね)。前回はシーンによっては胸の部分にCGを使って増量サービスをしていたと明かしたキーラ・ナイトレイ。今回は・・・。
まとめ
エンドロールに負けずにレビューが長くなってしまいました。
まぁ要するに何がいいたいかっていうと、エンドロールが長いので上映前はトイレに行っといたほうがいいですよ、と。
コメント
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