賢い人ほど迷い、無知な人ほど断言する

日記
この記事は約3分で読めます。

SNSを眺めていると、根拠が薄いのに勢いだけで言い切る投稿が伸びていたりしますよね。
見ているこちらが「え、本当にそれで大丈夫?」と心配になるほどです。
今回は、あえて情弱や情強という表現を使わずに、「賢い人ほど迷い、無知な人ほど断言する」という現象について思ったことを書いてみたいと思います。

まずはネット上でめちゃくちゃよく聞くこのアドバイス。
自信を持って言い切れ。断定のほうがバズる」。
確かに断定文は目を引きます。スポーツ新聞の見出しが大文字でドーンと来るのと似ています。
あとコラム系のネットニュースのタイトルにめちゃくちゃ多い表現です。
だってエンゲージメント取れるんだもん。

けれど、この作戦には大きな落とし穴があります。
声が大きい人が勝者に見えるだけで、中身の精度とはまったく関係がない、ということです。
ダニング=クルーガー効果」という心理学用語があるんですが、これはものすごくざっくりいうと「知識が浅いほど自分を過大評価しやすい」という現象です。知識や理解が浅いからこそ、自分の能力を相対的に評価できずに断定的にモノが言えるようになってしまう、まぁ井の中の蛙状態ってやつですね。

一方、専門家はリスクや未知の要素をたくさん知っているので、むしろ慎重になります。医者が「100%治ります」と言えないのは、治療の個人差を知っているからです。強い表現ではなく「この治療法が最善と考えます」と静かに述べる姿勢こそが専門性の証明なのです。

とはいえ、タイムラインでは断言型の投稿が目立ちますし、例えば「この成分○○は絶対に駄目!」なんて言われると不安になりますよね。
ここで覚えておきたいチェックポイントが二つあります。

1つ目は「余白があるか」です。
もし投稿が「もしかすると」「〜かもしれません」と条件付きで語っていれば、投稿者は複数の可能性を考慮しています。
2つ目は「データへの道筋が示されているか」です。出典や数字、エビデンスが添えてあれば検証可能です。

逆に「絶対」「100%」「誰でも」といった強い言葉が乱発されていたら、そもそもの語彙力の関係もあるかもしれませんが、一歩引いて眺めてみると、説得力が少ししぼんで見えるはずです。

とはいえ発信するうえでの葛藤もあります。
「強く言い切らないと注目されないのでは?」、「自身を持って発信することが大事」だと。
曖昧な表現だけでもよろしくないですしね。

この矛盾に寄り添うなら、まず、事実ベースの部分は淡々と提示します。
そのうえで「私自身はこう考えます」と個人の視点を明確に分離します。
さらに「今後の状況次第で変わるかもしれません」などの余白を残せば、断定の鋭さと慎重さを両立できます。
まるでフグ刺しにポン酢とネギ両方を添えるイメージです。ちょっとおいしそうです

というわけで、「賢い人ほど迷い、無知な人ほど断言する」という現象は、声の大きさと知識の深さが必ずしも比例しないということを認識しておいて損はないよ、というお話です。

迷うことは弱さではなく、選択肢を丁寧に見つめる強さです。
すぐに白黒つけられない問題に対して、悩みながらも考え続ける。そういう姿勢って、実はすごく大切で、尊いものだと思うんです。自信満々な断言よりも、迷いながら紡ぎ出す言葉の方が、ずっと深くて、誠実だったりすることもあるんじゃないかなと個人的には思います。

もしSNSで断言の嵐に出くわしたら、少し距離を置き、余白と根拠を丁寧にチェックしてみてください。
きっと情報の海で溺れにくくなるはずです。

日記
スポンサーリンク
シェアする
axeをフォローする
この記事を書いてる人
axe
axe

俳優活動をしています。
主に日記が中心のブログサイト。日々思ったことを、思ったままに書いております。ゲームやデジタルガジェット、映画などのレビューも。
出演予定の舞台情報もこちらで発信中。

axeをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました