ベンジャミン・バトン 数奇な人生

レビュー
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邦題:ベンジャミン・バトン 数奇な人生
原題:THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作:キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、セアン・チャフィン
脚本:エリック・ロス
撮影:クラウディオ・ミランダ
VFX:デジタル・ドメイン
プロダクションデザイン:ドナルド・グレアム・バート
編集:カーク・バクスター、アンガス・ウォール
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・フレミング、イライアス・コティーズ、ジュリア・オーモンド、エル・ファニング、タラジ・P・ヘンソン、フォーン・A・チェンバーズ、ジョーアンナ・セイラー、マハーシャラルハズバズ・アリ、ジャレッド・ハリス、デヴィッド・ジェンセン、テッド・マンソン、トム・エヴェレット
データ:2008年/アメリカ/167分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘 (2番シアター)
評価:★★★★☆
[ストーリー]
 80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。
(シネマトゥデイ)
[インプレッション]
デヴィット・フィンチャー監督とブラッド・ピットと言えば『セブン』、『ファイト・クラブ』の名コンビ。特に『ファイト・クラブ』は個人的にも大好きな映画なので、かなり期待して観にいきました。
ストーリーは80歳の体で生まれてからどんどん若返っていくと言うベンジャミン・バトンの人生を追った内容。主人公が”若返る人生”というありえない設定を除けば、ほかは時代や人物設定、周りのキャラクターなど、すべてがリアルな描写でうならせてくれます。もちろん若返っていくブラピの特殊効果も一見の価値ありです。
ただ、展開の手法や演出の見せ方は、はっきりいうとかなり『フォレストガンプ』のソレに近いもので、淡々と人生が語られていくテンポは見る人を結構選んでしまうと思います。
『フォレストガンプ』のようなありえないユニークな展開という見せ方ではないので、ある程度”人生”というものを達観した人々、もしくはその自分なりの観点を見出している人に向けて作られている映画と言う印象。だからせいぜい10年くらいしか生きていない小学生などにはなんのこっちゃどころの騒ぎではなく、ただのドキュメンタリーにもなりません。
しかし、自分なりの人生を見出したいたり、あるいはその生き方と言うのがある程度見えてきた世代にはガツンとくるメッセージが随所にちりばめられています。
感動するところも本当に人それぞれだろうし、ストーリーの好みもはっきりと分かれると思います。
ブラッド・ピットの年齢ばかり取り上げられて宣伝されていますが、驚いたのがその周りのキャストがちゃんと歳をかさね老いていくということ。一人の人生を映していくので当たり前なんですが、さまざまなキャラクターの人生模様も一気に体験できるので、いろんなところに感情移入してしまう。
主人公のベンジャミンは老人介護の家で育つという、ある意味人生の終着点からの出発でしたが、ベンジャミンの成長と言うよりも、その時々に起こる人生の別れにこそ焦点が当てられているように感じた。それは決して感動的ではなく、映画的な演出で悲しくなったりもせず、ただ年老いていなくなっていくのだ。
この映画を見ての感想は見る年代によってさまざまだろうが、僕が一番印象に残っているのが世界を旅しているときのベンジャミンの台詞、そして自分の初めての家族に抱く感情だ。
ネタバレになるので詳しくは書けないのだが、ただ、しんしんと目に涙が溜まっていく映画でした。

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