ディパーテッド

レビュー
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ポスター
邦題:ディパーテッド
原題:THE DEPARTED
監督:マーティン・スコセッシ
製作総指揮:G・マック・ブラウン、ダグ・デイヴィソン、クリスティン・ホーン、ロイ・リー、ジャンニ・ヌナリ
製作:マーティン・スコセッシ、ブラッド・ピット、ジェニファー・アニストン、ブラッド・グレイ、グレアム・キング
脚本:ウィリアム・モナハン
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン
音楽:ハワード・ショア
データ:2006年/アメリカ/152分/R-15指定 [ワーナー・ブラザーズ]
受賞:第79回アカデミー賞 4部門受賞 (作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞)、第64回ゴールデングローブ賞 (監督賞)
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆
[ストーリー]
  犯罪者の一族に生まれたビリー(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。しかし、警察に入るなり、彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)にかわいがられて育ったコリン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官になる。
(シネマトゥデイ)
[インプレッション]
やっと観れました。大ヒット香港映画『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイクによる作品。
何がすごいって、その顔ぶれ。キャストがハンパない。しかもその豪華キャスト陣の使い所がなんともうまくて、唸ってしまう。
マフィアへの潜入操作をするビリー (ディカプリオ)と、エリート警察官でありながらマフィア側の人間であるコリン (マット・デイモン)2人の話しなのだが、ディカプリオ様をわざわざチンピラ役の泥臭い役に放り込んだのはマーティン・スコセッシ監督の手腕といわざるを得ない。これはボクの勝手なイメージだが、エリートとチンピラならば、どちらかといえばマットさんのチンピラ役の方が容易に想像しやすいので。
2人の心理描写がとても秀逸で、まったく台詞やモノローグを用いず、神がかったカメラワークとテンポの良い編集、そして役者の芝居で魅せていく。結果どんどん話しに引き込まれるのだ。そして、なによりジャック・ニコルソン演じるマフィアのボス、コステロの静かでいて説得力のあるなんともいえない存在感がとてもいいスパイスになっている。
完全に他の役者を喰ってしまいそうな存在感だったが、そのおかげでこの作品が、ただの薄っぺらいハリウッド大作を見事に昇華させているといえる。重厚で、大スターといわれる役者をとことこんまで一般人のように普通に考え恐怖し、困惑する描写をテンポよく画いていくその様はラストに向けて一気に加速していくので、ある種のカタルシスすら感じる。その点でも満足度は高い。
プロットがとてもよく練られていて、ほとんどのシーンに無駄がないのだが、ただ一点だけいわせてもらうとすれば、恋愛描写。
コレばっかりはお国柄の違いなのか、どうも理解・・・というか納得できない。別になくても良かったんじゃない? とすら思えてくる場面もある。それがどこかは同じ考えの人なら観ていてすぐに違和感を感じるはず。
しかしながら、香港の闇社会の話しをうまくアメリカのマフィアと根付く人種差別に絡ませて描いている構成力は素直にすごいと思う。とても完成度の高い作品だ。
“R-15指定”というのも、このラストなら納得。指定を下げて他の表現に妥協しなくて良かったと思う。
ただ、残酷な描写よりも「Fuck」等のスラングがものっそい量で連発されているので、それが一番の原因なんじゃないかと思う。

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