Mist

レビュー
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オモテ
ウラ
dramatic theater RARA☆ vol.8
『Mist』
[Cast]
深津裕則、本田清華、大倉俊亮、阿部祥子、与忍 (G-style Action Communion)、殺陣ひろし、吉野和哉、金田一、末永和弘 (Super ActorsTeam快賊船)
<朝凪>
安ヶ平京子、こてつ、中村美穂、祝勇気 (祝勇気と小さい子供たち)
<夕凪>
小山加奈子、鈴木舞、阿部真弓、高田那由太、(那由太ハムニダ)
[Staff]
作・演出:吉川剛史
舞台監督:村信保
舞台美術:松原優介
照明:長尾裕介 (LEPUS)
音響:上野雅 (SoundCube)
殺陣指導:山本常文 (思誠館道場)
振付:小林真梨恵 (タムチック)
衣装:Kashico
宣伝美術:阿部祥子
小道具:F2Create
楽曲提供:Erika
制作:大倉俊亮、本田清華、室井正美
企画製作:dramatic theater RARA☆
[Time table] 青字=観にいった回
9月03日(水) 19:00[朝凪]
9月04日(木) 19:00[夕凪]
9月05日(金) 14:00[朝凪]/19:00[夕凪]
9月06日(土) 14:00[夕凪]/19:00[朝凪]
9月07日(日) 13:00[朝凪]/17:00[夕凪]
 [上映時間:約120分]
[Ticket]
前売/当日:2,500円
(全席指定)
[Place]
池袋シアターグリーン Box in Box THEATER
(→池袋駅 東口より徒歩約6分)
[劇団 公式サイト]
dramatic theater RARA☆
http://www.k4.dion.ne.jp/~d-t-rara/
[ストーリー]
昔は幸せだった。
でも、煙突から出たガスは村に広がり、
すべてを奪った。松城村。
煙害により引き起こった山林火災で多くの村民が亡くなり廃村となる。
しかし、死んだ者の怒りや憎しみは死体を蘇らせ、復讐へと駆り立てた。
村を覆ったMistはより濃く、人々を包み込んでいく・・・・

もう消えてしまった松城村を舞台に、
大正時代の二度と起こしてはならない事件と向き合った
RARA☆一年ぶりの時代モノ。
!!堂々の再演!!
(チラシ・公式サイトから引用)
[インプレッション]
吸血鬼となってしまった人が、その原因となった人間に復讐を近い戦うといったストーリー。アクションの殺陣が、様々な武器を使っていて面白く、スピード感があるので見ていて楽しい。
それぞれのキャラクターにも目的やバックストーリーがあり、すべて把握すると関係や話してる内容ががややこしくなってしまうくらい詰め込まれている。これは、細かく設定されているという意味ではなく”詰め込まれている”というそのまんまの意味。
物語に入る際の場面転換やアイデアは面白く、純粋に引き込まれた。キャラクターもきちんと立っているので人数が多い芝居だ見失うことは無かった。衣装や小道具、セットが凝っているので客が物語に入りやすいっていうのもあるんでしょう。
ただ、それによる弊害も少し。
アクションがあるボリュームたっぷりのSFファンタジーだったのだが、どうもボリュームがありすぎる気が。2時間ある公演時間のうち、伝えたい内容自体は1時間あればなんとかなるようなもので、残りの30分くらいで他のキャラクターの関係を描くような感じでいいと思うのだが、やっていることがほとんど同じ事を主張しているキャラクターの長い台詞を延々と聞くことになってしまいテンポが著しく悪くなっているのがとても残念。
キャラクターの言いたいことがすでに分かっているのに、そこにたどり着くまでに異様に長いプロセスを踏むため見ていてもどかしく、同じ事を繰り返しているような錯覚にすら陥る。というか、台詞の量自体がかなり多い、もしくは”多いと感じさせてしまう”のも原因で、せっかく動きのあるいい舞台なのに台詞芝居になると、どうにも間を持たせるための台詞の応酬になってしまいがちで非常にもったいなく感じた。
キャラクターの個性は非常に出ていてそれぞれの、演じる上での立ち位置やポジションはいいと思う。ただ、物語的に振られている設定を加味するとみんなが平行線になってしまうという現象が。基本的に脇役というような役が無く、みんなにきちんと役を振っているからこそ、壮大に個性がぶつかり合っている。そうなると純粋に芝居のうまい役者や、ただ目立つ役者を追うだけの芝居になってしまい、ストーリーを追うという目的からは少し違う視点になってしまう。
こういう物語は、痛快な展開にするか、ドロドロと憎しみの感情を見せる人間ドラマにするかのほうが観やすいと思うが、どうも今作はどっちつかずというよりもどっちもやろうとした感じが否めない。
話の内容や、組み立て方は去年の10月この劇団で観た『ハルカ彼方』のほうが好みでした。
評価:★★☆☆☆

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