原題:FLIGHTPLAN
監督:ロベルト・シュヴェンケ
製作総指揮:ロバート・ディノッツィ、チャールズ・J・D・シュリッセル
脚本:ピーター・A・ダウリング、ビリー・レイ
出演:ジョディ・フォスター、ピーター・サースガード、ショーン・ビーン、マーリーン・ローストン、エリカ・クリステンセン
データ:2005年/アメリカ/98分 (ブエナ・ビスタ・インターナショナル)
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆
ストーリー
事故死した夫の亡骸を乗せた飛行機に、娘のジュリアとともに乗り込んだカイル(ジョディ・フォスター)。その機内で、突如として娘の姿が見えなくなる。必死で探すカイルだが、誰一人として娘の行方を知る者はいなかった。
インプレッション
ジョディ・フォスター久々の主演作。演技は圧巻で、さすがの一言に尽きます。話の内容もミステリー色の強い設定が面白く、飛行機という閉塞空間で展開される息迫る展開は、最後まで飽きることなく観ることができます。98分という時間もちょうどいい。というか狭い飛行機の中ではこれ以上こねくり回されても間延びしてしまうのだと思う。
しかしながら練られたストーリーにはつっこみも満載で、粗を探す見方も少々、設定とは別のところで見つかったら成立しないような危ないトリックを堂々とこなすし、力押しと感じる場面は多々ありました。娘がいなくなっただけでいきなり「誘拐よ」と騒ぎ出すジョディもいきなりすぎて観ていてすこし滑稽に見えてしまうし、そんなに走り回られると迷惑極まりないと別のところに意識がしってしまう。もう少し回りの乗客に気を使うハズだろと。
展開を早めるためにはしょうがないのだろうけど各キャラクターの性格付けと行動がいまいち一致せずに、観ていてどこに感情移入すれば良いのか分からないままただただ”傍観者”になってしまうのがもったいない。狙いだったらもう少し他の乗客を置き去りにせずにクローズアップできたはずだ。
カメラワーク、場面の見せ方が非常に上手く、飛行機という限られた空間でしかも大勢の客席越しのカメラから見る画面は、あたかもそこにいるような臨場感を与えてくれる。1対1の切り替えもスムーズに行われ、何をしているのか分からないというようなことはない。
あっと驚くラストという文句ですが、まあそんな感じかといったところ。結局娘は存在していたのかという謎はしっかりと見せてくれます。個人的に僕はどんでん返しのストーリーが好きで、映画というような非現実的な世界に入り込むエンターテインメントには”驚き”というのは重要な要素だと思っているので、そういう意味では好きなジャンルだといえます。
全体的に丁寧なつくり、普通に観てる分には可もなく不可もなくジョディの熱演もあってのめりこめるだろう。しかし、「名作」という壁を越えるには今一歩及ばずといったところ。
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