トゥモロー・ワールド

レビュー
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原題は直訳「世界の子供達」

邦題:トゥモロー・ワールド
原題:CHILDREN OF MEN
監督:アルフォンソ・キュアロン
製作総指揮:アーミアン・バーンスタイン、トーマス・A・ブリス
原作:P・D・ジェイムズ
脚本:アルフォンソ・キュアロン、ティモシー・J・セクストン
音楽:ジョン・タヴナー
出演:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォー、クレア=ホープ・アシティー
データ:2006年/イギリス・アメリカ/109分 [東宝東和]
受賞:「第63回ヴェネチア国際映画祭」オゼッラ賞 (技術貢献賞)、第79回アカデミー賞では脚色賞、撮影賞、編集賞でノミネート (受賞ならず)。
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

ストーリー
西暦2027年、人類は18年間の長期に渡って子どもが生まれない未曾有の異常事態が続いており、このままでは人類絶滅の危機は免れなかった。そんな中、国家の仕事に就くテオ(クライヴ・オーウェン)が、人類存続に関係する重要な情報を握り始める。人類の未来はおろか自分の将来でさえ興味を示さないテオだったが……。 (シネマトゥデイ)

インプレッション
ずっと観たいと思ってた映画です。
“子供が生まれなくなった世界”という設定なんですが、「2027年 – 子供が誕生しない世界」というこのキャッチがあまりにもビビッドなんでそこを前面に押した予告なんですが、何より秀逸なのはその世界観。
西暦2027年という、今から20年後の近未来を描いているんですね。20年後の世界は各地で紛争やテロが絶えない状況で舞台であるイギリス以外の世界各国は無法状態になっていて、さらには子供が生まれないという原因不明の異常事態によって人類絶滅の危機にすら瀕している絶望的な未来。

しかし、十分ありえる。そう思えてしまうくらいリアルに描かれていて、未来といっても車は空を飛んでないし、モニターも空中に表示されるものではない。だけど、さりげないギミックは非常に練りこまれていて、道路を走っているバス側面の広告の犬の絵が動いたりとその世界の中で時折見せる未来感というのが非常に憎い表現で、SF好きにはたまりません。

全体的な画作りも、撮り方が非常に凝っていて芸術的。光と影の露出で表情を見せるなど、CGだけに頼ったものではなく、カメラ側や撮影時のテクニックでの見せ方がすばらしい。そっちばかりに目が行っては何ですが。中でも戦闘に巻き込まれ銃弾が飛び交う最中での5分間以上の長回し (カットで切らずに撮影しっぱなし)シーンは圧巻です。臨場感ありすぎてそこに自分が投げ込まれたような感覚に陥る手法だと思います。大爆発もあるので完全に1発勝負だろうと緊張感が画面からひしひしと伝わってきます。

子供が生まれなくなった原因や世界的な紛争の理由などは作中では細かく語られず、やや説明不足に感じてしまうが、あえてそういった情報を遮断して演出しているのだろう。それは主人公の足取りや描写によって撮られていているからであって、それがこの作品の見せ方ということだろう。ただ、あの終わり方では少々作品性というかテーマがぼやけてしまった感じがして、なんともばつが悪い。もったいない。エンターテインメントや娯楽を期待してみるととんだ期待はずれに感じてしまう好みが別れる作品だろう。

レビュー映画
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俳優活動をしています。
主に日記が中心のブログサイト。日々思ったことを、思ったままに書いております。ゲームやデジタルガジェット、映画などのレビューも。
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