Falseed ファルシード

レビュー
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チラシ
劇団 凸劇自遊時間 プロデュース公演
『Falseed ファルシード』
[Cast]
沖島実子、関位泰成、福地奏子、三川克久、金箱崇政 (ワイルド・カシューナッツ)、星龍平、秋山由奈、鈴木雅康、牧野ななわり、S.F.五月、草野智之 (MFビレッジ)
[Staff]
脚本:つるたけんぞお (HEAVENS OPEN邂)
演出:三川克久
音響:日野 大
照明:関塚千鶴 (ライオン・パーマ)
[Time table] 青字=観にいった回
06月29日(金) 19:30
06月30日(土) 14:00/19:30
07月01日(日) 13:30/18:30
 [ 上映時間:約100分 ]
[Ticket]
前売/当日:1,800円 (中高生:1,000円)
[Place]
東演パラータ
(→ 下北沢駅 徒歩15分)
[劇団 公式サイト]
http://www5f.biglobe.ne.jp/~totsugeki/
ストーリー
 貧富の格差がある時代、言葉の重みが違う国、不公平が普通になったその社会で、義賊と呼ばれた泥棒はなぜか盗みを繰り返す。
 『種を蒔く人はいつも希望でいっぱいです・・・だから私も悲しくないのです。』
 そして忘れかけられた一つの事件、そこにあった真実とは? そして彼が選んだ結末は?
インプレッション
ある義賊の話なんですが、小劇場系の芝居ではよくあるような”かっこいい存在”としてだけではなく、義賊のあり方についてを考えさせられる芝居でした。
貧しい人に盗んだ金品を配るという行動は、良い行いをしているようでもそれは決して”正義”ではない。どんなにいいことをしようが、所詮盗人であって罪人に他ならない。
幕が開くと”義賊アルマジ”を裁く裁判シーン。前述した「義賊」の定義を検察官が話し始めるところから物語が始まります。というか、その定義がこの物語の全てであって、そのままストーリーが進んでも、最後までこの問題がついてまわります。極端な話し、初めから結論をいっているようなんですが、違っているとしてもあまりにもその台詞が印象に残るので、終始それを念頭に考えてしまいます。
見せ方としては、そこに至るまでの義賊アルマジのバックボーンとそれを取り巻く人物との関係性なんですが、これは個性的なキャラクターでうまくまとまっていた感じ。
なんとなく言いたいことは分かっていたまま話が進んでいっているので見所はそれぞれの心情なんですが、この微妙な心の変化がメインキャラクター以外はちと薄い気がした。
確かにそれを補うストーリーや設定はあるんだけど、途中どうしてもそれてしまう小ネタや、人物の使いまわしによってそのキャラクターへの一貫性が削がれてしまう気がしてもったいなかった。本編にはさまれるネタ自体は部分的には本当に楽しかったんですけど、ちょと見せきれてない部分も正直なところありました。
しかし、主要なストーリーラインはメインキャラクターがしっかりと引っ張っていたので、緊張感は途切れることはなく、最後まで見れました。話し自体も単純明快なもので、思ったよりどんでん返しが無かったのでちょっと肩透かし。でも、人物をうまく使った場転やスピード感のある見せ方は凸劇さんらしくて好きでした。
通常はもっとスカッとする物語をやると思ったんですが、そこが良かったかな。簡単に”義賊=正義”としなかったという部分では。
最後に、義賊アルマジを作るきっかけとなった兄弟の悲劇はとてもよく伝わったんですが、そこに至るまでの兄弟の存在を”正義”を言い切っていたのが少し引っかかってしまいました。いや、でもまぁちゃんと義賊の裁きにもフォローが入るわけだからそういう意味ではテーマは一貫していたのか。
評価:★★★☆☆

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