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2009年12月29日 (火)

[最近のレビュー] 2009年10月-12月

2009年10月-12月期のレビューまとめでございます。
舞台が終わってひとまず落ち着いてたんですが、まぁ、いろいろと私生活で変化がありまして、舞台があまり行けなかったのです。誘っていただいた皆様申し訳ない。

映画:12本
舞台:2本

映画は少し開いた時間でどんどん観れたのでフラっとひとりで行くこともできるのでかなり鑑賞できました。豊作が多かったというのもひとつの要因ですが。
観に行ったのはこんな作品です。

【映画】

■ 『キサラギ』 - 2009年10月17日(土)

データ:2007年/日本/108分 [ショウゲート]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 脚本のテンポが秀逸な作品。ぜひ突っ込みながら鑑賞してください。


■ 『カイジ 人生逆転ゲーム』 - 2009年10月17日(土)

データ:2009年/日本/129分 [東宝]
ワーナーマイカルシネマズ多摩センター (1番シアター)
評価:★★★☆☆

→ 『カイジ』を原作とした実写映画。なかなかどうして、独特の緊張感をしっかり再現しようとしていて初めて『カイジ』を見る方は普通に楽しめるはず。


■ 『笑の大学』 - 2009年10月24日(土)

データ:2004年/日本/120分 [東宝]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 上質なシチュエーションコメディ。キャスティングが素晴らしい。飽きさせない作りが凄い。


■ 『いま、会いにゆきます』 - 2009年10月25日(日)

データ:2004年/日本/119分 [東宝]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 原作、キャスト、演出ともに完成度が高い、とても気持ちのいい作品。


■ 『僕の初恋をキミに捧ぐ』 - 2009年10月30日(金)

データ:2009年/日本/122分 [配給]
鑑賞方法:ワーナ・マイカル・シネマズ 多摩センター (8番シアター)
評価:★★★☆☆

→ 穿った見方をしなければ感動できるはず。そういう設定だから。ただ、TVドラマで良かったんじゃなかろーか。


■ 『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 - 2009年11月1日(日)

データ:2009年/アメリカ/111分 [ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント]
鑑賞方法:池袋サンシャイン劇場 (8番シアター)
評価:★★★★☆

→ 基本的にはリハーサル映像のドキュメンタリー映画。観る前にマイケルの曲を知っていると倍楽しめます。


■ 『2012』 - 2009年11月12日(土)

データ:2009年/アメリカ/158分 [ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント]
鑑賞方法:TOHOシネマズ南大沢 (5番シアター)
評価:★★☆☆☆

→ 映像はすごいです。もう一回言います。映像はすごいです。


■ 『ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』 - 2009年11月23日(月)

データ:2007年/日本/90分 [東映]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

→ アラバスタ編のダイジェスト映画というほか、語ることがないくらいにシンプル。


■ 『なくもんか』 - 2009年11月28日(土)

データ:2009年/日本/134分 [東宝]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 多摩センター (2番シアター)
評価:★★★★☆

→ テンポと安定したセリフ回し。損はしないと思う。


■ 『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』 - 2009年12月6日(日)

データ:2008年/日本/110分 [東映
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 前作と比べて「どうしちゃったの?」というくらいにまとまっている。ストーリーラインが整理されていてとても見やすい。


■ 『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』 - 2009年12月13日(日)

データ:2009年/日本/113分 [東映]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野 (4番シアター)
評価:★★★★☆

→ 前半の10分ですぐに引き込まれる作りはさすが原作者の完全監修。安定した"少年漫画"。


■ 『カールじいさんの空飛ぶ家』 - 2009年12月19日(土)

データ:2009年/アメリカ/104分 [ウォルト・ディズニー・スタジオ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター (3番スクリーン) 日本語吹替え3D版鑑賞
評価:★★★★☆

→ 将来を考えている、もしくは将来と共にする人と観ることをオススメしたい。


【舞台】

■ 『演劇集団池田塾 若手公演2009』 - 2009年11月20日(金)

演劇集団池田塾
[2009年11月20日(金) - 11月22日(日)] 公演時間:約120分
テルプシコール
チケット:前売り2,800円、当日3,000円
評価:★★★☆☆

→ 落ち着いて見てられるシチュエーションコメディ。じわじわキャラクターに引き込まれる。


■ 『ナイスコンプレックス』 - 2009年11月26日(木)

ナイスコンプレックス N9
[2009年11月25日(水) - 11月29日(日)] 公演時間:約110分
阿佐ヶ谷アルシェ
チケット:前売り2,800円、当日3,000円
評価:★★★☆☆

→ ネットでは有名な"介護を苦にした末の親殺し"を題材としている。完全再現ではないが忠実に作っている。


[まとめ]
とにかく映画が多かったので、いろいろと見れたんですが印象に残る映画といえばなんといっても『2012』。この作品はいろんな意味で印象に残りました。いい意味でも悪い意味でも。ここ最近のハリウッド系の中では群を抜いてました。気持ちのいいくらいの肩透かし。

舞台は2作品しか観てないんですが、『ナイスコンプレックス』は自分もよく知っている事件を題材としているので興味深かったなぁ。
来年はもっといろんな作品をみたいですねぇ。




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2009年12月19日 (土)

カールじいさんの空飛ぶ家

ポスター
邦題:カールじいさんの空飛ぶ家
原題:Up
監督:ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン
製作総指揮:アンドリュー・スタントン、ジョン・ラセター
製作:ジョナス・リベラ
脚本:ボブ・ピーターソン、ロニー・デル・カルメン
音楽:マイケル・ジアッチーノ
出演者:エドワード・アスナー、クリストファー・プラマー、ジョン・ラッツェンバーガー、ジョーダン・ナガイ
<日本語吹替え> 飯塚昭三、大木民夫、楠見尚己、立川大樹、他
データ:2009年/アメリカ/104分 [ウォルト・ディズニー・スタジオ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター (3番スクリーン) 日本語吹替え3D版鑑賞
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 冒険に憧れる少年カールは1軒の空き家で同じく冒険好きな少女エリーと出会い、意気投合する。成人した二人はやがて結婚し、初めて出会った空き家を新居とした。二人の間に子供は授からなかったものの、”伝説の滝”パラダイス・フォールについて語り合い、いつかそこに行こうと約束する。夫婦の時間を楽しみ、長い間共に幸せに生きてきたが、やがてエリーは病に倒れ、先立ってしまう。

一人なったカールは、街の開発計画によって周囲に高層ビルが建造されていく中、エリーとの思い出の家を守る為に立ち退きの要請を頑固に拒み続けていた。ところがとあるきっかけで事故が起こり、立ち退かざるをえなくなってしまう。そして立ち退きの前夜、カールは妻の遺した冒険ブックを眺めながら決心し、2万個もの風船を結びつけた家ごとパラダイスフォールに向けて旅に出る。
(Wikipedia)

[インプレッション]
モンスターズ・インクの監督が作った作品らしく、登場人物のエモーショナル (感情)が揺れ動くさまが本当に繊細に描かれている。
まず、オープニング。特に凝っている仕掛けがあるわけでものすごい映像が飛び込んでくるわけでもないのになんなんだこの安心感は。"ピクサーブランド"ということもあるだろうが、とにかく見せ方がうまい。
序盤の、エリーとの別れまでを描いた淡々とした描写でさえも見入ってしまった。

エリーとの日々

この作品で驚いたのが、悲しみと希望を同時に描いている点。大切な人が他界し、自分は年老いていき世間での状況も悪くなる一方という、これでもかと言うほどの悲壮感ただよう始まり方をする本作は、冒険をして妻の夢を叶えようとする希望に変換している。
子どもが見たらなんてことないストーリーラインだが、この感情を理解できる大人達には特に敏感になる部分だと思う。ちなみにボクは、見事に、何度も大粒の涙を流してしまった。個人的におじいちゃんモノが弱いということも見事に露呈したわけだが、泣きにハマってしまうと3Dメガネが邪魔になります。

そういう感情に敏感な人にはものすごくストライクな作品だが、それ以上にそんなこと考えなくても楽しめて見れる作品に仕上がっているのがすごい。さすがはピクサークオリティと行ったところか。はっきり行って本作を見て感動して泣く子供はいないんじゃなかろうか。

原題ポスター

ところでこの作品、原題は『UP (アップ)』なのだが、日本での公開では『カールじいさんの空飛ぶ家』という邦題にされている。個人的には原題のままの方が好きだった。「UP」という言葉に込められた意味と、ピクサーらしいセンスあるタイトルだと思っていたのでちょっと残念。

台詞の掛け合いが面白く、モンスターズ・インクのノリを彷彿とさせる大人じゃないと理解出来ないようなブラックなやりとりもチラホラ。今回はおじいさんと子供のやりとりになるのでどの年齢層でも感情移入できるような箇所が多々あり、非常に丁寧に描かれていると感じた。


画質やモデリングのクオリティは言うこと無しで、時間を忘れて楽しめる作品だろう。3Dに関しては違和感はないものの、特に立体視で観れたことに対する演出はなかったので別に通常の2D版でも良かったかもしれない。もちろん普通に見るに耐える3Dだったが。

2万個の風船が実際に付いてます

感動物語かどうかは個人的な部分だけども、この設定にハマればものすごくクルと思う。ちなみにボクは泣きましたガッツリと。
"ラブラブな恋人"というよりも"夫婦になった人"たちに是非観てもらいたい作品です。




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2009年12月13日 (日)

ONE PIECE FILM STRONG WORLD

ポスター
ポスター
邦題:ONE PIECE FILM STRONG WORLD
原作、映画ストーリー、コスチューム・クリーチャーデザイン、製作総指揮:尾田栄一郎
監督:境宗久
脚本:上坂浩彦
作画監督:佐藤雅将
美術監督:脇威志
出演者:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、竹中直人
データ:2009年/日本/113分 [東映]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野 (4番シアター)
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 旅を続けていた麦わら海賊団だったが、東の海(イーストブルー)でいくつもの街が壊滅したというニュースが飛び込む。ルフィは旅を中断させ、東の海へ戻ろうとするが、突如一味の目の前に空飛ぶ海賊船が現れた。それに乗っていたのはかつての大海賊、“金獅子のシキ”だった。ルフィ達はシキになす術もなく、ナミが連れ去られてしまう。
(Wkipediar)

[インプレッション]
今回劇場版10作目ということで、原作者である尾田栄一郎がストーリー、デザイン、演出にいたるまで製作総指揮のすべてを担当した初の劇場版ワンピース。さらに、来場者には先着限定でエピソード0が収録された『ONE PIECE 零巻』が150万部配布され、朝日新聞には9面を使った広告、そして男性ファッション誌『メンズノンノ』初の漫画キャラクター表紙を飾り、主題歌はMr.Childrenという力の入れようが伺える作品。

設定画

興行もすごいことになっている模様。前売り券は東映史上初の29万枚を販売し、上映スクリーン188館中103館が初日全上映回・全席満席となり2日間の初日2日間で動員81万8738人、興収は10億3843万9600円という規格外の滑り出しとなった。


朝一の上映を見に行ったのだが、映画館に行った時点でレイトショーまで完売という状況だった。2日前にネットで予約しておいてよかった。


内容としては、原作者の尾田さんが「今男の子に見せたいものを全て詰め込んだ」というだけあって、なるほど序盤から見せ方がうまい。わくわくさせる動きと展開に圧倒させられます。
そしてなにより音楽がいい。軽快なテンポから始まるオープニングまでの流れが本当に素晴らしかった。個人的にはそれだけでもこの映画の半分以上の満足感が得られました。

ストーリーはジャンプ映画という感じで、特筆するほど素晴らしいプロットや複線はなかったんですが、アニメーターと演出の工夫、そしてぬるぬる動く先頭シーンのクオリティは本当にすごい。
尾田さんの完全監修の演出というだけあって、合間にはさまれるキャラクター達の掛け合いギャグのノリもきちんと原作漫画のテンポのようになっていたし、これこそが本当の意味での"動くワンピース"なんだろうなぁとしみじみ思った。

動く動く

原作漫画でのひとつの物語をそのまま113分に詰め込んだような感じ。ナミを救うというのはよかたっと思う。劇場版ならではのオリジナルキャラのヒロインを助けに行くよりもよっぽど原作らしいと思うので。

キャラクターのモデリングもテレビアニメのときとはまるで違うというわけではないが、原作の絵に遥かに近くなっているし、キャラクターの描写、見せ方も本当にワンピースらしいものが113分に凝縮されていると思う。

『ONE PIECE』 零巻零巻 側面

ちなみに、お目当ての『ONE PIECE』 零巻もきっちり手に入りました。こんなんです。約80ページでちゃんとカバーとかも単行本しております。一緒にカードダスももらいました。
内容はジャンプ53号に載っていた「第0話」と絵コンテ、設定画、尾田さんの書いたプロットの一部や監督のインタビューなどが収録されています。
さて、みなさんが一番気になってる"厚さ"ですが・・・、側面から見るとこんな感じです。まぁ、薄いよね。でも当初はどうせ5ページくらいの冊子かと思ってたんで十分満足。


チケット販売状況
某ワーナーマイカルでのチケット販売状況。ちなみに朝の時点でこれです。お子様の観れない (時間帯的に保護者がいても駄目)レイトショーが残り席わずかという状況。
とにかく映画館のホールやチケット売り場はものすごいことになってました。



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2009年12月 6日 (日)

ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜

ポスター
邦題:ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜
監督:志水淳児
原作:尾田栄一郎
脚本:上坂浩彦
音楽:田中公平
出演:田中真弓、岡村明美、中井和哉、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、牛山 茂、島田 敏、野沢雅子、みのもんた
データ:2008年/日本/110分 [東映
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 航海中に高熱で倒れたナミを救うため、ドラム王国に降り立ったルフィ海賊団一行は、雪深い山に住む“魔女”と呼ばれるドクターくれはを探すことに。ドクターくれはを探し当てるまでに力尽きてしまったルフィたちを救ってくれたのは、その弟子であるトナカイのチョッパーだった。しかし、国を捨てた極悪国王ワボルが兄のムッシュールとともに戻ってきて……。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
チョッパー編といわれる物語をスピンオフして改めて再構築している。
もともとこの話は完成度が高かった上に映画ということで演出のクオリティがハンパなく高いので、十分面白かった。

絵柄がリファインされていて、作画がとても好み。特に戦闘中の描写は圧巻である。"ギア2"の表現は本当に見応えあり。これこそが原作の漫画を動かしているという感じがした。アニメ版は長寿番組の上に毎週ということでやはりのっぺりとした印象でクオリティが降りてしまうのはしょうがないのだが、今回の映画に関しては十分にワンピースの"動き"を表現している。

さらに注目したいのは、物語。先頭パートだけじゃななく話の見せ方がうまい。演出意図が十分わかりやすい上にキャラクターの心情がいろいろな側面から丁寧に描写されているので見やすかった。
何話にもわたってはさまれる回想が映画だとスムーズに見せられるのでより感情移入できる作品に仕上がっている。
世代を超えて小さいキャラクターから歳をとったキャラクターまでいるのでそれぞれ琴線に触れる部分があるのでいろいろな人に進められる話になっていると思う。

脚本の組み方ははっきり言って、前作の『エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』よりも圧倒的に完成度が高いと思う。




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2009年11月28日 (土)

なくもんか

ポスター
邦題:なくもんか
監督:水田伸生
製作総指揮:飯沼伸之、清水啓太郎
製作:奥田誠治
脚本:宮藤官九郎
音楽:岩代太郎
主題歌:いきものがかり「なくもんか」
撮影:中山光一
編集:平澤政吾
出演:阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、塚本高史、皆川猿時、片桐はいり、鈴木砂羽、カンニング竹山、高橋ジョージ、陣内孝則、藤村俊二、小倉一郎、光石研、伊原剛志、いしだあゆみ
データ:2009年/日本/134分 [東宝]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 多摩センター (2番シアター)
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 無茶苦茶な父に捨てられ、幼少期に生き別れた兄・祐太(阿部サダヲ)と弟・祐介(瑛太)は、互いの顔も名前も知らずに成長する。祐太は、東京下町の商店街でハムカツが名物の店を切り盛りし、祐介はお笑い芸人として超売れっ子になっていた。そんなある日、祐太のもとに、初代店主の一人娘・徹子(竹内結子)が突然帰って来る。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
基本コメディなんだけども、しっかりとしたホームドラマにも仕上がっている点はさすがといわざるを得ない。これは脚本の妙と、しっかりと感情移入できるキャラクターを演じているキャストの力に他ならない。

阿部サダヲを主演として、水田伸生監督と宮藤官九郎の脚本という『舞妓Haaaan!!!』スタッフ再集結でお届けする作品なので、『舞妓Haaaan!!!』が楽しめたのなら手放し観にいくことをお勧めします。

下町のシーンがよく出てくるんだが、この下町という閉じられた描写、世界観がうまく非現実的な設定やなんでもアリの展開であるコメディとしての完成度を自然に受け入れさせてくれる。
本当になんでもやりたい放題なんだが、細かいどうでもいいような設定や複線を無駄なくらいきちんと見せ回収していく様は観ているものを食っているような脚本の作り方だが、このごっちゃ混ぜの炊き込みご飯を見事に一つの作品として昇華させている。これが宮藤官九郎なのだろう。

きれいでうなってしまうような複線ではなく、あえてはずす様なコメディに特化したようなつくりは何も考えずに見ても楽しめるという最大のメリットがある。
そこで活きてくるのは、キャラクターのそれぞれの思惑が生々しくも、決していやらしく見せきらないからだと思う。

しっかりと感動するシーンもあり、そこまでに空気を作る阿部サダヲや、プロットはいいのだが、個人的に一番よかったのがなんといってもすき焼きをつつくシーン。これは必見。感動させときながら落とすという、見事な演出、そしてそれを見せきるキャストの実力。本当に安定して見れる作品だと思う。

最後の終わり方は少々キレイ過ぎるかなと思ったが、ここらへんは個人の好みの問題だろう。
うすら寒い笑いから思わず吹き出してしまう笑いまで、何も考えずともスクリーンを眺めているだけで様々な笑いを見せてくれる幕の内弁当のような作品となっております。
気になっているのなら、とりあえず劇場に観にいっても損はしません。
ヒロイン役の竹内結子の活発な演技も必見。みんなうまい。




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2009年11月26日 (木)

ナイスコンプレックス

オモテ
ナイスコンプレックス N9
『ナイスコンプレックス』


[Cast]
藤田慶輔、キムラ 真、森田陽祐、早野実紗、西山弘教、神田友博、加藤隆浩、原田絵理 (劇団DarkMoon)、大久保悠依、原田麗可、星野葵子、ぷりてぃオガ!

[Staff]
作・演出:キムラ 真
舞台監督&美術:山田剛史
照明:仲光和樹
音響:岡田 悠 (One-Space)
写真:深沢飛鳥
制作協力:佐藤 希 (Karte)


[Time table] 青字=観にいった回
11月25日(水) 19:30
11月26日(木) 14:00/19:30
11月27日(金) 14:00/19:30
11月28日(土) 14:00/19:30
11月29日(日) 14:00
 [上映時間:約110分]

[Ticket]
前売:2,800円
当日:3,000円
平日昼:2,300円
高校生以下:1,000円
(全席自由)

[Place]
阿佐ヶ谷アルシェ
(→阿佐ヶ谷駅 徒歩7分)

[劇団 公式サイト]
劇団-ナイスコンプレックス-公式ウェブサイト
http://www.naikon.jp/

[ストーリー]

北海道札幌にある豊平川の土手から始まる物語。

裕福ではないけれど、それぞれの夢に向かう男女の間に出来た新しい命。
二人は夫婦となり、家族を作るという新しい目標に向け歩み始める。

やがて成長したその命は作家を目指し、売れないながらも自分の好きな道を歩む。

それを応援し続ける母。
作家としての兆しが見えた矢先、母の病が発覚する。

認知症――。

自分の目標と母の介護に挟まれる主人公。
国からの援助もなくなり、行き詰った主人公がとった行動は?
その結末は?

あなたの手は、何の為にありますか?

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
今回の舞台は実際にあった事件がモチーフにされている。"伏見の認知症母殺害事件"といわれるもので、概要は以下の内容。

京都市伏見区桂川河川敷で2月1日、無職片桐康晴被告が、認知症の母親を殺害して無理心中を図ったとみられる事件の初公判が19日に行われた。
事件内容は認知症の母親の介護で生活苦に陥り、母と相談の上で殺害したというもの。
片桐被告は母を殺害した後、自分も自殺を図ったが発見され一命を取り留めたとの事。
片桐被告は両親と3人暮らしだったが、95年に父が死亡。その頃から、母に認知症の症状が出始め、一人で介護した。
母は05年4月ごろから昼夜が逆転。徘徊で警察に保護されるなど症状が進行した。
片桐被告は休職してデイケアを利用したが介護負担は軽減せず、9月に退職。
生活保護は、失業給付金などを理由に認められなかった。
介護と両立する仕事は見つからず、12月に失業保険の給付がストップ。
カードローンの借り出しも限度額に達し、デイケア費やアパート代が払えなくなり、
06年1月31日に心中を決意した。


「最後の親孝行に」

片桐被告はこの日、車椅子の母を連れて京都市内を観光し、2月1日早朝、同市伏見区桂川河川敷の遊歩道で
「もう生きられへん。此処で終わりやで。」などと言うと、母は
「そうか、あかんか。康晴、一緒やで」と答えた。片桐被告が
「すまんな」と謝ると、母は
「こっちに来い」と呼び、片桐被告が母の額にくっつけると、母は
「康晴はわしの子や。わしがやったる」と言った。
この言葉を聞いて、片桐被告は殺害を決意。母の首を絞めて殺し、
自分も包丁で首を切って自殺を図った。
冒頭陳述の間、片桐被告は背筋を伸ばして上を向いていた。肩を震わせ、
眼鏡を外して右腕で涙をぬぐう場面もあった。
裁判では検察官が片桐被告が献身的な介護の末に失職等を経て追い詰められていく過程を供述。
殺害時の2人のやりとりや、
「母の命を奪ったが、もう一度母の子に生まれたい」という供述も紹介。
目を赤くした東尾裁判官が言葉を詰まらせ、刑務官も涙をこらえるようにまばたきするなど、法廷は静まり返った。

[京都新聞など]

2006年2月1日に京都伏見で起こった認知症の母親を54歳の息子が殺害し、心中を図るという事件。実際に行われた地裁での公判でも、異例ともいえる検察側の"被告に有利ともとれる冒頭陳述"など、被告がいかに一生懸命頑張ってきたかを示すような内容だったという。本来罪状を暴くはずのものなのに、だ。

判決では裁判官は「介護の苦しみ、絶望感は言葉で言い尽くせない」「母のためにも幸せに生きてください」と励ましの言葉を添える温情判決だった。

この事件は2000年4月に始まった介護保険制度のあり方、認知症介護の問題についても深く
考えさせられる事件となったので個人的にもよく覚えている。
センセーショナルでなんとも傷ましいこの事件をモチーフとして舞台化するなんて、なんとも思い切ったことをするなぁと思ったが、完全なノンフィクションではなく多少の脚色を踏まえてのものでした。


まず、この事件の内容を知っている点で舞台の見かたが変わってくるわけですが、被告視点での展開で子供の頃からの出来事を追っていく見せ方。各役者が子供時代、大人時代を演じ、母親役に至っては子供を身ごもった若い頃から認知症の老人まで一人で演じ分けている。母親役はすごいと思うがやっぱり多少無理がある部分はしょうがない。小劇場だから贅沢にキャストを使い分けることもできないので。

芝居に関しては各役者に差があるのが気になったけども、しっかり感情移入して見ることができた。
実際の事件との相違点として、被告が"芝居をやって成功を目指している青年"という設定なのだが、これはどうだろう。
事実今回の事件で問題とされた適用されなかった介護保険制度のあり方と職につけなかったほどの負担という点は、役者といういつでも辞められることを同時進行していたという部分で「まず夢をあきらめてその時間働いておけばよかったじゃないか」という突っ込みができてしまうのだ。難しい。これは非常に難しい。

エンターテインメントの話として見せたい部分や感動させたいところは分かるが、事実として捉える部分は、「傷ましさを知って欲しい。みんなに伝えるためにモチーフにした」という理由から矛盾が起きているとしか思えない。

見せ方も最後の部分はしっかりと事実どおりに供述もかなり再現性が高かったのでなおさらその部分が気になってしまった。実際でも芝居をしている男性がこのような事件を起こしたらこのようなニュースの扱われ方はしなかったはずだ。

演出的な部分では好みが別れるが、最期のところは無理やり盛り上げられた感があったのが残念。そこまでちゃんと感情移入できていたので淡々と見せてくれたほうが僕個人としてはしっかりと泣けたし、来るものがあったと思う。

話自体は文章で読んでも泣けてしまうような内容なのだから、それを知っていただけに、舞台として料理したときの完成度が気になってしまった。

評価:★★★☆☆



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2009年11月23日 (月)

ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち

ポスター
ポスター2
邦題:ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち
原作:尾田栄一郎
監督:今村隆寛
脚本:上坂浩彦
音楽:田中公平
絵コンテ:宇田鋼之介、横山健次、井上栄作、今村隆寛、大塚健
作画監督:井上栄作
作画監督補佐:舘直樹、井出武生、田中宏紀、西田達三
美術監督:吉池隆司
出演:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、渡辺美佐、大友龍三郎、矢尾一樹、他
データ:2007年/日本/90分 [東映]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆


[ストーリー]
 ゴーリング・メリー号に乗ったルフィら仲間たちは、砂漠の国アラバスタ王国の女王ビビと出会う。彼女の国が崩壊の危機に直面していると知ったルフィたちは、悪の根源であるクロコダイルを倒すべく立ち上がった。そのころ、アラバスタではクロコダイルの陰謀により、国王軍と反乱軍との全面戦争が始まろうとしていた。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
『ONE PIECE』の原作から人気のエピソードをそのまま1本の映画にしてしまったという面白い試みの作品。この"アラバスタ編 (ビビ)"のほかにも"ドラム王国編 (チョッパー)"がある。

まず、恐ろしいほどテンポが早い。早いというよりも"速い"。そもそも「ONE PEACE」の設定やそこまでのお話を知らない人は容赦なく置いていくテンポの速さ。
原作では中盤から後半にかけて行われる"クロコダイルとの戦闘によるルフィの敗北"が映画開始10分ほどで出てくるのにはさすがにびっくり。さらに90分に収めるためにかなりシェイプされているので他の好きなシーンもばっさりカットされていたり、原作に登場するキャラクターもカットされている。

見せたいことを絞るやり方はまぁ正解だと思うが、ちょっと無理があると思うくらいの展開の速さなので「ONE PIECE」ファンであることが前提の映画といえるだろう。
原作で知っているシーンとそのキャラクターのバックボーンを思い浮かべて感動はするのだが、作品単体でそこまで感情移入できるわけがない。

純粋に作画や演出のクオリティは高いのでアニメ版と比べても楽しめるはず。ああ、そうそうこんな話だったなぁとか、ざっとエピソードの豪華なダイジェストを見ている気分になればそれなりに楽しめるはず。

ただ、『ONE PIECE』という作品を知らない人が1からこの作品を観てもその全てを伝えるのは困難だと思う。




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2009年11月21日 (土)

2012

ポスター
原題:2012
監督:ローランド・エメリッヒ
製作総指揮:ローランド・エメリッヒ、ウテ・エメリッヒ、マイケル・ウィマー
製作:マーク・ゴードン、ハラルド・クローサー、ラリー・フランコ
脚本:ローランド・エメリッヒ、ハラルド・クローサー
音楽:ハラルド・クローサー、トマス・ワンダー
撮影:ディーン・セムラー
編集:デヴィッド・ブレナー、ピーター・S・エリオット
出演者:ジョン・キューザック、アマンダ・ピート、ダニー・グローヴァー、タンディ・ニュートン、オリヴァー・プラット、キウェテル・イジョフォー、ウディ・ハレルソン、ジョージ・シーガル
データ:2009年/アメリカ/158分 [ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント]
鑑賞方法:TOHOシネマズ南大沢 (5番シアター)
評価:★★☆☆☆


[ストーリー]
 2009年、リムジン運転手のジャクソン・カーティス(ジョン・キューザック)は、子どもたちとの旅行を楽しんでいた。ところが、偶然湖底に沈む巨大な研究施設を発見し、地球が滅亡に向かっていることを知る。この危機から逃れる手はないものかと模索するジャクソンだったが、すでに天災は地球上の至るところで起こり始め……。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
久しぶりに面白い映画を見せていただきました。
ここまでネタに事欠かない出来は本当に久しぶり。

極限の映像で送るディザスタームービーということで前評判の予告通りのド派手な映像で地球がぶっ壊れていく様は痛快で笑いすら起きてしまいます。シリアスなドラマなのに、そう見せようと作っているとしか思えない見せ方。キャラクターに感情移入しきれないままドラマを展開させようとしていく。
様々な登場人物に起こることを同時進行で見せていく手法なのだが、先にも書いたり現実感のない見せ方とそれを取り巻く人間たちの描写とプロットがとにかく陳腐で感動を誘うような見せ方が逆に滑稽に見えてしまうという悪循環。

まじめなことを言うたびに心で突っ込みながら見てしまっていた。
見せ所を絞らずに分散させている上に、ドラマが無理やりに展開していくのでとにかく薄っぺらくなってしまうのだ。

よかったのはまだ最初のほうの異変に気づいていく部分。
一旦地球の破壊が始まると現実離れした逃げかたとぜんぜん絶望感が見えてこない描写で、まるでアクション映画かと勘違いしてしまいそうな出来。『ダイ・ハード』のB級映画にしか見えてこないのである。
むしろエメリッヒ監督の高度な演出でそのセンを狙っているとしか思えないような。そうだとしたら大成功。金曜ロードショーで家族とスイーツでも食べながら観るにはもってこいの映画だといえる。

映像はすごいです。
これだけでも見る価値はあります。個人的にはこれだけでしたが。あくまでボクの琴線に触れなかっただけかもしれないので、興味ある方はぜひ映画館でどうぞ。




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2009年11月20日 (金)

演劇集団池田塾 若手公演2009

演劇集団池田塾
『若手公演2009』 ウェディング・イヴ/くじらの町

オモテ

[Cast]
中山達也、下山裕子、片岡奈保子、野村明貴子、田村智浩、渋谷真理子、坂井優貴子、若林里枝、吉田 俊、石居優典

[Staff]
演出:池田定幸
脚本:佐藤万里 『ウェディング・イヴ』、尾崎知紀 『くじらの町』
照明:北内隆志 (PAC)
音響:吾犀尚子 (staff-team 猫ノ手)
演出助手:もろいくや
舞台監督:田中貴裕
小道具:石居優典
衣裳:若林里枝
似顔絵:トモマネー似顔絵製作所
チラシイラスト:ひで (kamekichi)
制作:西田十知子、演劇集団池田塾

[Time table] 青字=観にいった回
11月20日(金) 19:00
11月21日(土) 14:00/19:00
11月22日(日) 13:00/18:00
 [上映時間:約120分 (休憩10分)]

[Ticket]
前売:2,800円
当日:3,000円
(全席自由)

[Place]
テルプシコール
(→中野駅 徒歩7分)

[劇団 公式サイト]
演劇集団池田塾オフィシャルホームページ
http://www.ikedajuku.com/

[ストーリー]
ウェディング・イヴ
「ただいまっ、今帰ったぞ!」
「お、お兄ちゃん?」
「そう、お兄ちゃんだ!」
 
迫り来る30歳の誕生日を目前に、
美智子は
お嫁に、行きます。
 
6歳年下の新郎は、
新婚旅行にグアムを選ぶくらい、堅実な勤め人。
30を前にした女の、あんな事情やこんな事情、
すべてを呑み込んで、行くのです。
 
…12年待った、あの男の事も。
 
「どうして? 一体なんで今日帰ってくるのよ!」
 
東京から少しだけ離れたこの町で、
一生に一度の、華やかで幸せな、
当たり前の儀式が行われる前夜。
 
花嫁は歓びと不安を抱えて、
賑やかな夜を過ごすのです。


くじらの町
「初めまして。
兄さん姉さん、わたし、妹です!」
 
ここは高知の黒潮町。
目の前には黒潮の恵み豊かな土佐湾が広がる。
…そう、田舎町。
一家離散し互いの消息さえ知らずに育った兄弟たちが、何の因果か今さら遺産分配のため、町役場の働きにより、奇跡的に呼び集められた。
なんと、20年ぶりに!
 
「兄さん!」「違うぜよ!」「姉さん!」「あんたの勘違いや」「逃げたろ、おれを施設において」「いっそ血も繋がってない方が…」「三日月だ」「やめましょうよ、湿っぽいの」
「このはちきんが!!」
 
溜まりに溜まった想い、20年分。
この出会いは間違っていたのか、長兄・太一は現れるのか、そして、最後まで隠しきらなければならない秘密とは…?
 
くじらの歌うこの町で、
兄弟は運命の再会を果たす。

(チラシ・公式サイトから引用)


[インプレッション]
休憩ありの2本立て構成。ちょっとした人情ストーリーでなかなかほのぼのとさせてもらいました。
どちらも台詞や設定は奇をてらってはいないが、きちんと観ることが出来る内容。

キーとなる人物を中心に展開していくのだが、しっかりと感情移入できるということはとても重要だと気づかされる芝居だった。笑わせるような掛け合いやシーンもあったが、どっかんどっかん来るわけではないが心地いい空間だったので滑って寒くなるような場面はなかった。
つまり観やすかったということだが、すんなりと「観やすい」ということは、どの作品でも重要なファクターになりえるんだなぁと思う。


しかし、「若手公演」と堂々打ち出しているのはどうだろうか。「若手」=未熟ということではないが、十分に観れる内容と演技だったので特にそう思ってしまう。
実際、ある程度のお金を取って見せる芝居なのだし、タイトルに「若手」とつけてしまうとそれだけでいささか残念な気がする。


評価:★★★☆☆

2009年11月 1日 (日)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

ポスター
邦題:マイケル・ジャクソン THIS IS IT
原題:Michael Jackson's This Is It
監督:ケニー・オルテガ、マイケル・ジャクソン
製作:Paul Gongaware、ランディ・フィリップス
音楽:マイケル・ビアーデン、マイケル・ジャクソン
撮影:ケビン・メーザー
出演:マイケル・ジャクソン
データ:2009年/アメリカ/111分 [ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント]
鑑賞方法:池袋サンシャイン劇場 (8番シアター)
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 2009年6月、1か月後に迫ったロンドンでのコンサートを控え、突然この世を去ったマイケル・ジャクソン。照明、美術、ステージ上で流れるビデオ映像にまでこだわり、唯一無二のアーティストとしての才能を復帰ステージに賭けながら、歌やダンスの猛特訓は死の直前まで繰り返されていた。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
2009年7月13日から2010年3月6日まで、全50公演が予定されていたマイケルの公演『THIS IS IT』。チケットはすでに完売し、プラチナチケットとなっていた。しかし6月にマイケルは50歳という若さで急死してしまったため、そのリハーサル映像を中心に構成されている。亡くなる2日前までの映像が使用されているという。

まず、なにがすごいって、ダンサーやスタッフの意気込みというか熱気がスクリーンからむんむんと伝わってくること。これはそこら辺の芝居なんかよりもぜんぜん説得力があってその流れでマイケルの最初の曲が始まると思わず目頭が熱くなってしまった。

オープニング

言ってみればただのドキュメンタリーなのだが、リハーサル中のマイケルをしっかりと追っているため、彼のプロとしての一面が垣間見えるカットが非常に多く、贅沢に見ることができる。さらに、リハーサルという特殊な環境をうまく編集しているのでリハーサルの日時違いでカットが変わるところも違和感なく見れた。マイケルやその他のダンサーの衣装が変わっているのが面白い。

リハーサルの映像が中心なので全体的に本番と同じようなライブ感覚で見ることができるので、マイケルの名曲がずらり。有名な曲もいっぱいあるが、知っているとさらに楽しめること請け合いだろう。
個人的には、ボクも芝居で舞台に携わる者として、ステージの演出やマイケルのこだわりが垣間見えるやりとりが非常に面白かった。


とにかく、2週間という期間限定公開ということで、朝の池袋には行列ができていた。映画を観るために並んだのは久しぶりだった。
熾烈を極めたオーディションから勝ち抜いた、世界のトップダンサーの前で踊る50歳 (!!)のマイケル・ジャクソンの動きは、まったく見劣りせず、キング・オブ・ポップスとまで謳われた彼のパフォーマンスを間近に見ることができる最後のチャンスといって良いだろう。

ちなみに上演後、映画館にもかかわらず拍手が起きてました。

2009年10月30日 (金)

僕の初恋をキミに捧ぐ

ポスター
邦題:僕の初恋をキミに捧ぐ
監督:新城毅彦
脚本:坂東賢治
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
プロデューサー:畠山直人、阿部謙三
撮影:小宮山充
録音:益子宏明
音楽:池頼広
出演:井上真央、岡田将生、細田よしひこ、原田夏希、仲村トオル、他
データ:2009年/日本/122分 [配給]
鑑賞方法:ワーナ・マイカル・シネマズ 多摩センター (8番シアター)
評価:★★★☆☆


[ストーリー]
 医師の孝仁(仲村トオル)を父に持つ少女・繭(井上真央)は、父の病院で入院生活を送る少年・逞(岡田将生)と出会う。逞に恋心を抱き始めた繭は、逞が重い病気により20歳まで生きられないと知りつつも「大人になったら結婚しよう」と約束。しかし、時が経って自らの余命を自覚した逞は恋心を封印し、繭を遠ざけようとする。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
まず、原作を見ていません。それが前提のレビューとなりますのでご了承ください。ただ、原作との相違はだいたい聞いて知っているので、ネタバレの心配もないのでご安心を。

話しとしては、幼馴染みの彼が長くは生きられないという病気を持っているという、大切な人が亡くなるということとその行く人と残される側の葛藤・・・のような。もちろん恋を交えて展開していくので主に2人のみに焦点が当てられてます。原作を知っている人はここで違和感を感じるよう。

しかし、この見せ方は2時間という尺におさめるためにはしょうがないと思う。もちろんもっと掘り下げればもっと感動させられるポイントはあったと思うが。
特に感じたのは2人子供時代の子役。女の子の方がやたらめったらうまい。ちゃんと芝居をする。この子と、男の子の掛け合いから始まり成長した2人のやりとりまではものすごくキレイ。

うまい見せ方だなぁと思っていた。思っていた、というのはその後の学園パートがどうしてもTVドラマに見えて仕方ない。キャストが『花より団子』の井上真央とうこともあるんだろうが、途中ラブコメのような展開のやりとりはまるでTVドラマ。芝居的に違和感を感じてしまった。映画でやるほどの規模でもなかったんではないかと。

それでも感動はします。基本的に芝居がしっかりしているので、ちゃんと感情を追って見ていれば泣けるはず。ただ、もっと泣けたかなぁとおもってしまうボクはどうも感情移入しきれなかったようです。
話しの中で展開しているキャラクター達が唐突に泣いていたり (気持ちは分かるが)、叫んでいるのをみて、正直こっちが置いてけぼりにされてしまった印象。悲しんでいるのを傍観しているような感じですな。だから感動するためには起こっていることを把握して想像して感情を持っていってやっと涙が、という感じ。

ここらへん漫画のような媒体はきっちりとキャラクターが描けていれば、読者の想像力がどんどん増幅されて泣けるはず。漫画原作というのも実写にした時の軽さが目立つ要因の一つなんだろうなぁ。まだこれが、小説だったらもっと描き方や演出が工夫できた作品になったはず。

ハズレではないし、人によってはもっと号泣するポイントは絶対にあります。
でも、大当たりではない作品。連続ドラマなら見てみたいかなー。




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2009年10月25日 (日)

いま、会いにゆきます

ポスター
邦題:いま、会いにゆきます
原作:市川拓司 『いま、会いにゆきます』(小学館刊)
監督:土井裕泰
脚本:岡田惠和
音楽:松谷卓
美術:種田陽平
撮影:柴主高秀 (J.S.C/東宝スタジオ)
出演:竹内結子、中村獅童、武井証
データ:2004年/日本/119分 [東宝]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 ある町に住む秋穂巧は、1年前に最愛の妻である澪を亡くし、1人息子の佑司と慎ましく過ごしていた。2人は生前澪が残した、「1年たったら、雨の季節に又戻ってくるから」という言葉が気になっていた。それから1年後、雨の季節に2人の前に死んだはずの澪が現れる。2人は喜ぶが、澪は過去の記憶を全て失っていた…。

そこから3人の共同生活が始まる…。
(Wikipedia)

[インプレッション]
ずっと観ようと思っていて、ようやく観ることができた作品。
いわずと知れた感動系の名作なのだが、自分的には役者としても非常に興味があった。こういう感情がシンプルに伝わってくる表現はとても難しいし、役者としての演技のセンスがストレートに発揮される部分なので、そういった観点からも注目していた。

死んだはずの妻が家族のもとに戻ってくるという設定はものすごく凝った設定ではないし、ある意味いなくなった人間とそれを受け入れる側のドラマという意味では使い古された表現である。それをどう見せていくのか楽しみにしていたのだが、思っていたよりも、ものすごくまっすぐ。ストレートに、淡々とひねりもせずに伝えるという手法。

しかし、そのときの情景や、こまごまと散りばめられた小さい複線が2重3重と見事に利いてくる。
そのときのキャラクターの感情やそうすることの意味を考えれば考えるほど感動してしまう。当たり前だが、ばっちり感情移入させることができるキャラクターの個性と誰にでもある家族の愛というテーマを堂々とみせきるのがとても良かった。

そこに、特に個性的な演出は必要なく、ほぼ3人だけで展開される物語はとてもシンプルで最後にある意味を知ると物語が一気に深くなる。そこまでに3人のうち誰かに感情移入できていれば必ず琴線に触れるはず。

そういったポイントが夫、妻、子供とほぼ全ての年齢層を対象として存在するのでしっかりとストーリーを綴っていくだけであざとくなく感動することができる。
原作、キャスト、演出ともに完成度が高い、とても気持ちのいい作品。鑑賞前の多少の期待は跳ね返してくれて、十分なお釣りがくるだろう。

2009年10月24日 (土)

笑の大学

ポスター
邦題:笑の大学
原作・脚本:三谷幸喜
監督:星護
製作:亀山千広、島谷能成、伊藤勇
企画:石原隆
プロデューサー:重岡由美子、市川南、稲田秀樹
アソシエイトプロデューサー:小川泰、佐藤玄
エグゼクティブプロデューサー:前島良行
音楽:本間勇輔
撮影:高瀬比呂史
出演:役所広司、稲垣吾郎、小松政夫、高橋昌也、ほか
データ:2004年/日本/120分 [東宝]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 昭和15年、演劇は規制され台本は検閲にかけられていた。ある日警視庁の取り調べ室で検閲官・向坂睦男(役所広司)は 劇団・笑の大学・座付作家・椿一(稲垣吾郎)を取り調べようとしていた……。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
三谷幸喜の有名な舞台作品。その脚本の完成度の高さゆえ、映像化は不可能と言われていたものの初の映画化。
基本的には終始2人が掛け合う形の密室劇。それでも劇中にお互いの向かっているベクトルがわかりやすいので観ていて非常に面白い。

ずっと問答を繰り返すのだが、その目的から派生する問題は多岐にわたり、三谷幸喜お得意の上質なシチュエーションコメディとなっている。
キャストもコメディセンスあふれる役所さん。このキャスティングは素晴らしい組み合わせかと思う。

ストーリーも、ただ笑うだけでなく当時の問題やそのときの表現者の気持ちなどにしっかりと焦点をあてているので、観終わった後は清々しい気持ちにすらなれる。

映画版ということで劇場や町並みのカットで多くのエキストラや特別ゲストを使ったようだが、それなくしても十分に耐えうる作り、完成度だったと思う。
是非舞台版のほうも観たいみたい。

2009年10月17日 (土)

カイジ 人生逆転ゲーム

ポスター
邦題:カイジ 人生逆転ゲーム
監督:佐藤東弥
製作総指揮:奥田誠治
脚本:大森美香
原作:福本伸行
音楽:菅野祐梧
撮影:柳島克己
出演:藤原竜也、天海祐希、香川照之、山本太郎、光石研、松尾スズキ、佐藤慶、松山ケンイチ (友情出演)、福本伸行 (ゲスト出演)
データ:2009年/日本/129分 [東宝]
鑑賞方法:ワーナーマイカルシネマズ多摩センター (1番シアター)
評価:★★★☆☆


[ストーリー]
 自堕落な日々を送る26歳のフリーター伊藤カイジ(藤原竜也)は、友人の借金の保証人になったために多額の負債を抱えてしまう。そんな彼に金融会社社長の遠藤(天海祐希)は、一夜にして大金を手にできる船に乗ることを勧める。その船で奇想天外なゲームをするはめになったカイジは、人生を逆転するための命懸けの戦いに挑む。
(シネマトゥデイ

[インプレッション]
コアなファンを中心にとても支持されている賭博マンガ『カイジ』を原作とした実写映画。正直、映画という規模でなくても良かったかも。というかTVドラマの方がいいんじゃなかろーか。

主人公のカイジを藤原竜也が演じるという、ちょっとさわやかになりすぎな感は否めないキャスティングだが、こういう芝居は定評があるのでストーリー上あまり違和感無く見ることができた。叫びっぱなしだけど。
それよりも女性に変更された遠藤の方が気になっていたのかもしれない。

物語自体は原作のギャンブルと緊張感をいいとこ取りのように組み合わせて展開させていくので、軽快なテンポで見ることができる。原作を知っているものからすると一見してダイジェスト版カイジ。しかしラストの利根川とのバトルや箇所箇所に見れる駆け引きの緊張感は漫画の雰囲気をよく出していたと思う。


福本の描く作品には、主要な女性キャラはいらないと思っているボクとしては、女性になった遠藤とその扱いにはどうも違和感があるが、まぁ尺の問題と、うまく展開を成立させるためにはしょうがないのかなぁ。原作を知っているからこそ、なおそう思うのかもしれない。

キャスティング以上に逆転の緊張感に焦点をあてた演出は好き。
利根川の名台詞は予想通り良かったんだが、もっとできた気がする。原作の迫力がすごすぎるのか、ネタとしてのインパクトが強すぎるのか。

漫画の台詞を全て声にすることはできないので、台詞だけ別撮りのモノローグが多いのだが、それが逆にTVドラマっぽくなってしまっているかもしれない。
ただ『カイジ』を初めて見る人なら純粋に楽しめるはず。

決してライアーゲームではありませんよ!!
こっちが先っ・・・! 元祖・・・!!

キサラギ

ポスター
邦題:キサラギ
監督:佐藤祐市
企画:野間清恵
原作・脚本:古沢良太
音楽:佐藤直紀
撮影:川村明弘
照明:阿部慶治
録音:島田隆雄
映像:高梨剣
編集:田口拓也
VFXスーパーバイザー:野崎宏二
助監督:本間利幸
出演:小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之
データ:2007年/日本/108分 [ショウゲート]
受賞:第50回 (2007年度)ブルーリボン賞・作品賞、第31回 (2008年)日本アカデミー賞・オールナイトニッポン話題賞 (作品部門)
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 某ビルのペントハウスに、互いに面識のない五人の男たち(ハンドルネーム:家元、オダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘)が集まった。彼らはD級アイドル如月ミキのファンサイトを通じて知り合い、如月ミキの一周忌の為に集まったのだった。
一年前にマネージャーの留守番電話に遺言メッセージを残し、自宅マンションに油を撒いて焼身自殺した彼女を悼むのが会合の趣旨だったが、オダ・ユージが彼女は自殺ではなく「他殺だ」と言い出したことで状況は一変する。
徐々に明らかになる当時の状況、次々と明かされる五人の男達の正体。紆余曲折を経て彼らが辿りついた真実とは?
(Wikipedia)

[インプレッション]
面白い。設定が秀逸でものすごく舞台向きな脚本。さらに徐々に明らかになっていく謎と個性的な登場人物の掛け合いが計算されつくされたテンポで撮られているのでまったく飽きることなく最後まで見ることができる。

いわゆる"オタク達のオフ会 "という、サブカルチャーの考え方を主軸に展開できるので掛け合いや掘り下げるポイントが
理不尽に感じることなく

一見よくあるシチュエーションコメディなのだが、異なるのはある事実がどんどん明かされていくことにカタルシスを感じられるとていう点。この見せ方は非常に面白く、この設定のおかげでただのコメディではなく緊張感のある作品となっている。
それでも基本的には登場人物同士の掛け合いを楽しむものであって、役者の個人技が非常に重要だということはいうまでも無い。さらに謎の小出しのポイントもあざと過ぎず、ちゃんと複線として見せているのがニクイ。

ちょっとわかる人なら、割と気づくような謎がいいバランスで散りばめられているので、新しく謎が明らかにされるたびに、「やっぱりな」とニヤリとさせられてしまう。
恐らく、それこそが演出側の狙いだろうということはあとから気づくのだが。
劇場で見てみようと思っていた作品だが、笑いのポイントがうまくあうならば、劇場内で一体感生まれてとても気持ちがいいんだろう。
なので、できればDVDなどで誰かと一緒に、突っ込みながら観るとさらに面白い作品なんだと思う。

2009年9月30日 (水)

[最近のレビュー] 2009年7月-9月

2009年7月-9月期のレビューまとめでございます。
10月に舞台があるので、ばたばたしております。

映画:4本
舞台:6本

そうは言っても合計10本観ることができましたー。
では、簡単なコメントと作品詳細のまとめをどうぞ。

【映画】

■ 『ボルト』 - 2009年8月2日(日)

データ:2008年/アメリカ/96分 [ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター (3番スクリーン) 吹替3D版鑑賞
評価:★★★★☆

→ 良質なアニメ作品。誰にでも楽しめる。


■ 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 - 2009年8月9日(日)

データ:2009年/イギリス、アメリカ/153分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:映画館
評価:★★★★☆

→ 完成度の高さは群を抜いているシリーズもの。


■ 『チェンジリング』 - 2009年8月15日(土)

データ:2008年/アメリカ/142分 [東宝東和]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ しっかりとした構成とドキュメンタリーのような淡々とした撮り方が印象的。


■ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 - 2009年9月2日(水)

データ:2009年/日本/108分 [クロックワークス、カラー]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘 (6番シアター)
評価:★★★★★

→ 圧倒的なヱヴァンゲリヲン。ファンならば終始釘付け。前作が嘘のよう。

【舞台】

■ 『マンガ大戦GREAT』 - 2009年7月14日(火)

YANKEE STADIUM 20XX STAGE22
[2009年7月10日 - 7月20日] 公演時間:約180分
シアターサンモール
チケット:前売り4,000円、当日4,000円
評価:★★★★☆

→ はちゃめちゃでいながらしっかりとまとまっているストーリーと良質なアドリブ。


■ 『JUDY 〜The Great Unknown Squadron〜』 - 2009年7月23日(木)

グーフィー&メリーゴーランド 公演
[2009年7月22日(水) - 7月26日(日)] 公演時間:約140分
シアターグリーン BOX IN BOX THEATER
チケット:チケット:前売り3,500円、当日3,800円
評価:★★☆☆☆

→ もうすこし見せ方が変わればけっこう好みの話しだったのになぁ。


■ 『いつかおそらのてっぺんで』 - 2009年8月01日 (土)

MFビレッジ 第8回公演
[7月31日(金) - 8月02日(日)] 公演時間:約100分
明石スタジオ
チケット:2,000
評価:★★★☆☆

→ いいものは変わらない。勢いと構成が好き。昔も今も基準は一緒。


■ 『レンアイドッグス』 - 2009年8月02日(日)

劇団鴉霞 第13回公演
[7月30日(木) - 8月02日(日)] 公演時間:約120分
アイピット目白
チケット:前売2,300円、当日2,500円
評価:★★★☆☆

→ ベタだが、しっかりと見せてくれるコメディ。


■ 『風を継ぐ者』 - 2009年8月8日 (土)

演劇集団キャラメルボックス2009サマーツアー
[東京公演 7月11日(土) - 8月9日(日)] 公演時間:約130分
サンシャイン劇場
チケット:6,000円
評価:★★★★☆

→ 安定感のある新撰組芝居。絶対に外しはしない。


■ 『山茶花 〜さざんか〜』 - 2009年8月23日(日)

DMF vol.7
[8月19日(水) - 8月23日(日)] 公演時間:約150分
中野 ザ・ポケット
チケット:前売3,500円、当日4,000円
評価:★★★☆☆

→ 作品全体のテンションと勢いが見ていてうずうずする作品。演出の妙。


[まとめ]
映画ではダントツで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』。コレは『旧エヴァ』のファンなら見逃す手はない。前作でガッカリした方も是非、騙されたと思って観ていただきたい。
待っていたヱヴァンゲリヲンが観れるはず。

舞台ではキャラメルボックスかなぁ。新撰組ということでも興味深かった。
見せ方が分かりやすい上にちゃんと魅せきることができる力を持った役者の集団である。ああ、こういうカンパニーで芝居がしてみたい・・・。




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2009年9月 2日 (水)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

ポスター
邦題:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
総監督・企画・原作・脚本:庵野秀明
監督:摩砂雪、鶴巻和哉
音楽:鷺巣詩郎
主・キャラクターデザイン:貞本義行
主・メカニックデザイン:山下いくと
画コンテ:鶴巻和哉、樋口真嗣、橘正紀、佐藤順一、山本沙代、増井壮一、錦織敦史、合田浩章、小松田大全、中山勝一、摩砂雪、庵野秀明
イメージボード:樋口真嗣、前田真宏
作画監督:鈴木俊二、本田雄、松原秀典、奥田淳
特技監督:増尾昭一
副監督:中山勝一、小松田大全
デジタル演出:鈴木清崇 (タツノコプロ)
作画監督補佐:錦織敦史、奥村幸子、貞本義行
色彩設計:菊地和子 (Wish)
特殊効果・ブラシワーク:イノイエシン
美術監督:加藤浩 (ととにゃん)、串田達也 (美峰)
CGI監督:鬼塚大輔・小林浩康 (スタジオカラーデジタル部)
撮影監督:福士享 (T2スタジオ)
編集:奥田浩史
効果:野口透 (アニメサウンド)
総監督助手・配給・宣伝:轟木一騎
原作協力:GAINAX
脚本協力:榎戸洋司、薩川昭夫、樋口真嗣、吉川良太郎、櫻井圭記
アニメーション制作:スタジオカラー
出演:緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、山寺宏一、石田彰、立木文彦、清川元夢、長沢美樹、子安武人、優希比呂、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、麦人、他
データ:2009年/日本/108分 [クロックワークス、カラー]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘 (6番シアター)
評価:★★★★★


[ストーリー]
 汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。また、綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロインが登場する。そして、謎の生命体 “使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオンの参加で、さらに激しくエスカレートしていく。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
圧倒的。やはり『ヱヴァンゲリヲン』は圧倒的でした。
もうおなかいっぱい。素晴らしかったです。劇場で観ることが出来て本当に良かった。
かなり興奮してのレビューになりますが、ネタバレは絶対にないのでご安心を。
本当にあっという間という感覚で、見終わって時計を見直してしまうほどの濃密な時間を過ごさせてもらった。

前作が原作アニメをなぞるようなリメイクだったのに対して、今作は見事に『エヴァンゲリオン』を再構築している。シーンや描写もほぼ全てのシーンが書き下ろされており、新キャラの追加や、ファンとしても納得出来うる設定と新たな展開。そして展開を知っているからこそできる楽しみ方まできちんとフォローされているという素晴らしさ。もちろん原作の『エヴァンゲリオン』を知らずとも今回の『ヱヴァンゲリヲン』は楽しめるが、まさにファンが本当の意味で待っていた『ヱヴァ』がここにあったと言えよう。


展開もさることながら、2時間弱という時間の中であっという間に過ぎて聞く怒濤の戦闘シーンや各所での伏線の張り方や演出の見せ方が本当にうまい。
基本のラインは原作をなぞっているのに、スムーズでとてもテンポ良く、さらに全くの別物として再構築し直したものをここまでの完成度で見られるとは思っていなかったので、まさに圧倒的なエヴァの力を見せつけられた感じだ。


もう劇場公開して随分足っているので、評判の良さはいやでも耳に入ってくるのだが、これを前評判なしの状態で観たときの衝撃といったら、筆舌に尽くしがたいであろうことは容易に想像できる。先人達のテンションの上がりようがとてもよく理解できた。公開前の非常に厳しい情報規制からいきなりこの作品を観させられたのだから。


もともと「2007年春」公開予定のものが「2009年夏」に変更されたのだが、この為の変更ならば脚本の練り直しによる遅れは大成功だったと言えるだろう。
そして物語は加速して劇場版最終作品『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:?』 (2作同時上映)へ。
当初は『急』と表記されていた次回作は今作の次回予告にて正式に『Q』となるようで、「Q」は"Quickening"の略で急がすという意味の「急」や、"Question"の「?」にかかっているのだろう。

TV版や旧作と違い、きちんとしたエンターテインメントとしての終わり方を考えているという今作"新劇場版"。いったいどういう結末が待っているのだろうか。非常に楽しみである。




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2009年8月23日 (日)

山茶花 〜さざんか〜

オモテ
DMF vol.7
『山茶花 〜さざんか〜』


[Cast]
艶〜en
今日平、我謝レイラニ (ヴィズミックスター)、山本卓 (エレキ隊/AFRO13)、柴木丈瑠 (スピカエージェンシー)、田中精 (team Bomb the twist)、NAO-G (G-S.A.C.)、狩谷孔聖、佐藤修幸、佐藤圭右、水野愛日 (カレイドスコープ)、美華 (ヴィズミックスター)、笠原あきら、中村麗香、宮川マキオ (G-S.A.C.)、塩原奈緒、片桐俊次、角谷裕作、小澤源、新間篤 (魁)


粋〜sui
拾己 (G-S.A.C.)、中野裕理、福地慎太郎、金子慎吾 (7contents)、仲村水希 (ぷろだくしょんバオバブ)、望月祐治、笹岡幸司(進戯団 夢命クラシックス)、佐藤修幸、我善導 (楽珍トリオ/WAHAHA本舗)、堀友美、姫宮みちり、岸本尚子 (Eja9)、松木わかは、大橋麻美、春原優子 (ボクラ団義)、森下理沙、橋本浩人 (ATT)、小澤源、新間篤 (魁)


[Staff]
作・演出:宮城陽亮
舞台監督:熊脇直介
舞台美術:泉真
照明:柳田充 (LEPUS)
照明オペレート:長尾裕介 (LEPUS)
音響:佐藤春平
アクションサンプラー:金村香織
ダンス曲:滝澤俊輔
ダンス曲歌:五十嵐沙紀 (strangeGARDEN)
エンディング曲:フロムナウ (松井陽明・二木元太郎)
コレオグラファー:kyowhey
ダンス構成演出:福地慎太郎
アクションディレクター:NAO-G (G-S.A.C.)
衣装:Lin
ヘアメイク:kyowhey
小道具:mocchi・wakaha
写真撮影:佐藤拓央
映像撮影:春山聡 (疾駆猿)
制作:増谷麻由・松本朱音
フライヤー制作:Viewlogic
宣伝美術:長谷川勝章 (tubest)
Web制作:笠原あきら

[Time table] 青字=観にいった回
8月19(水) 19:00 [艶]
8月20(木) 19:00 [粋]
8月21(金) 14:00 [艶]/19:00 [粋]
8月22(土) 14:00 [粋]/19:00 [艶]
8月23(日) 12:30 [粋]/16:00 [艶]
 [上映時間:約150分]

[Ticket]
前売:3,500円
当日:4,000円
(全席指定)

[Place]
中野 ザ・ポケット
(→中野駅南口 徒歩10分)

[劇団 公式サイト]
DMF公式サイト
http://www.dmf-web.com/

[ストーリー]
飛騨の山奥に生息する妖怪「やまこ」
この妖怪 雄しか生まれないため 人間の女をさらい 子を産ませる…

やまこの青年「サンサカ」は嫁さん探しのため、妖怪の里から人間界に降り立った
都への道中 山賊に囚われた少女「つばき」に出会う

生まれて初めてみた女に話しかけるつもりが山賊に捕まり
二人が連れて行かれたのは人里離れた森の奥深く そびえ立つ大屋敷
そこは大商人・藤屋源兵衛のハーレムだった

山茶花(さざんか)の花言葉は「理想の恋」

つばきと出会い やまこにとっては禁断の「ヒトの愛」を知ってしまったサンサカは、彼女を自由にするために人間達に立ち向かう…

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
とにかく観ていてウズウズするようなエネルギーと前面に押し出してくるエンターテインメントな演出。そして、それをしっかりとしたストーリーラインが支えているので、キャストはのびのび舞台に立つことができるんだと思う。

アクションもやっぱりキレていて、今回は特に狭い場所を縦横無尽に戦いまくってました。しかもかなり入り乱れるシーンもあったんですが、何が起こっているのかがわかりやすくかっこよかった。
割と的確に入っていたSEのせいだろうか。


ここまでの登場人物の関係を入り組ませていく構成はすごい。
まぁ最終的には分かりやすい感じに収まるんですが、それも大事だと思うし、きちんと各キャラクターに落としどころがあったのが良かった。

最初から最後まで進めていくのは登場人物の感情という、分かりにくい部分を役者同士のシーンで見せていくので、ちゃんと感情が流れていないと、お客があっという間に置いてかれてしまうのだが、その部分はきちんと作ってあったのでとても見やすかった。
集中が途切れることなく2時間半見せきれるエネルギーは本当にすごい。


評価:★★★★☆




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2009年8月15日 (土)

チェンジリング

ポスター
邦題:チェンジリング
原題:CHANGELING
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:ティム・ムーア、ジム・ウィテカー
製作:クリント・イーストウッド、ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、ロバート・ロレンツ
脚本:J・マイケル・ストラジンスキー
音楽:クリント・イーストウッド
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス、ゲイリー・ローチ
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、他
データ:2008年/アメリカ/142分 [東宝東和]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 1928年のロサンゼルス。シングルマザーである電話会社に勤務するクリスティンの息子ウォルターが姿を消す。警察に捜査を依頼し、その5ヵ月後、警察からウォルターを保護したと朗報が入る。クリスティンは再会を果たしたが、全くの別人だった。警察にそのことを主張すると、彼女は「精神異常者」として精神病院に収容されてしまった。この事件の背後には当時のロサンゼルス市警察の恐るべき体質が隠されていた
(Wikipedia)


[インプレッション]
もはや誰しもが認める巨匠、クリント・イーストウッド監督による1920年代のロサンゼルスで実際に発生したゴードン・ノースコットによるウィネビラ養鶏場殺人事件の被害者家族の実話を元にした映画。
ちなみに1980年に制作されたカナダ映画の同タイトル『チェンジリング』とは全く別の作品です。ポルターガイスト現象を描いた、ホラー映画だったらしく、"取り替え子"というヨーロッパの伝承を基にしたタイトルという共通点のみ。


とにかく、安定感がある映画。しっかりとストーリーを見せながら、観客を驚かすような手法のスリラーや、陳腐なサスペンスホラーに偏るわけでもなく、淡々と起こっていることを描いていくドキュメンタリーにもならない見せ方は本当にすごい。

クリント・イーストウッド監督の、ストーリーを追いながら見せていく手法は定評があるが、見せ方が安定していると感じるのは役者の力によるところが大きいのか、そう見えるようにクリント・イーストウッド監督が撮っているのかが本当に絶妙。

アンジェリーナ・ジョリーは終始泣きっぱなしだけど、しっかりとそれを伝える為だけの間を与えているのが良く分かる撮り方だと思う。
展開は思わぬ方向へ向かっていくのだが、史実ものにありがちな、登場人物がステレオタイプになりがちな点が気になった。主要のメンバーですら感情の動きというか思考すら見せずに最初の観客印象のまま動かせていく。これはわかりやすいのだが、本当のメインを立たせる為の手法なのだろうか。

結果、犯人の心理描写はなんとも言えない場面に仕上がっていて、思わず息を呑んでしまうくらいの迫力があるものになっていた。一見の価値あり。
今回の事件性や概要などは、特に考えないで、前知識なく見る方がいいかも。



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2009年8月 9日 (日)

ハリー・ポッターと謎のプリンス

ポスター
邦題:ハリー・ポッターと謎のプリンス
原題:HARRY POTTER AND THE HALF-BLOOD PRINCE
監督:デヴィッド・イェーツ
製作総指揮:ライオネル・ウィグラム
製作:デヴィッド・バロン、デヴィッド・ハイマン
脚本:スティーヴ・クローヴス
出演者:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン
音楽:ニコラス・フーパー、ジョン・ウィリアムズ (テーマ曲)
撮影監督:ブリュノ・デルボネル
編集:マーク・デイ
出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ジム・ブロードベント、ヘレナ・ボナム=カーター、ロビー・コルトレーン、ワーウィック・デイヴィス、マイケル・ガンボン、アラン・リックマン、マギー・スミス、ティモシー・スポール、デヴィッド・シューリス、ジュリー・ウォルターズ、ボニー・ライト、マーク・ウィリアムズ、ジェシー・ケイヴ、フランク・ディレイン、ヒーロー・ファインズ=ティフィン、トム・フェルトン、イヴァナ・リンチ、ヘレン・マックロリー、フレディ・ストローマ、他
データ:2009年/イギリス、アメリカ/153分 [ワーナー・ブラザーズ]
評価:★★★★☆


[ストーリー]
ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)の支配力が強大になっていくなか、ハリー(ダニエル・ラドクリフ)とダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)は、ヴォルデモートの防御を解く手がかりを探るため、極めて重要な情報を握っているダンブルドアの旧友で元同僚ホラス・スラグホーン(ジム・ブロードベント)を学校に迎え入れる。 
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
シリーズ4、5作目かと思って観てたんですが、6作目なんですね。こんなに多く観てるシリーズモノの映画は初めてかも。今回も原作は見てませんのでその視点からのレビュー。

やっぱり素晴らしいのはシリーズを通しての一貫したクオリティの高さ。6作ものシリーズというと、ほとんどが前作からと次回作への繋ぎのような映画になるが、それでもきちんと見所、山場、そして複線をその話内で回収している (ように見せる)構成力。これを保っていられるのはでかい。

何度観ても魔法が存在する学校の世界観はワクワクするし、その中で脅威と戦うという緊張感もあるので、きちんと誰が見てもわかるエンターテインメントとして仕上がっている。

さらに今回は物語の確信につながる謎や今まで付き合ってきたメインキャラクターたちの心境を描いている点が興味深い。
やや急ぎ気味な気もするが、原作があの量なので仕方ないのでしょうな。それでもちゃんとやっていることは伝わってくるので大丈夫。

153分を超える上映時間ですが、飽きることなく観ることができます。演出がすごいからできる芸当。もちろん豪華な特殊効果も嫌味なく入ってるのもポイントです。


そろそろハリー達 (役者)の成長が物理的に心配になってくるんですが、残りあと2作、このままのクオリティで突っ走ってほしい。
最終作の『ハリー・ポッターと死の秘宝』は2010年11月と2011年7月に2部作で公開予定だそうです。
そうなるとスターウォーズシリーズを凌ぐ、全9作にも及ぶ"ポッターサーガ"になりますね。歴史というよりも、ある少年の運命と成長の物語なんだろうけど。




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2009年8月 8日 (土)

風を継ぐ者

オモテ
ウラ
演劇集団キャラメルボックス2009サマーツアー
『風を継ぐ者』


[Cast]
左東広之、大内厚雄、西川浩幸、岡田さつき、岡内美喜子、畑中智行、三浦剛、實川貴美子、石原善暢、阿部丈二、渡邊安理、小多田直樹、粟野史浩 (文学座)

[Staff]
脚本・演出:成井豊+真柴あずき


[Time table] 青字=観にいった回
■ 東京公演
7月11日(土)〜8月9日(日) サンシャイン劇場
■名古屋公演
8月14日(金)〜16日(日) 名鉄ホール
■大阪公演
8月20日(木)〜25日(火) イオン化粧品 シアターBRAVA!

8月8日(土) 19:00
 [上映時間:約130分]

[Ticket]
前売:6,000円
(全席指定)

[Place]
サンシャイン劇場
(→JR池袋駅 徒歩15分)

[劇団 公式サイト]
演劇集団キャラメルボックス 公式サイト
http://www.caramelbox.com/

[ストーリー]
元治元年五月。京都壬生村の新選組屯所に、二人の男がやってきた。一人は、足は速いが、剣術も学問もまるでダメな、立川迅助。もう一人は、昌平坂学問所の教授を父に持つ、小金井兵庫。二人は、新選組随一の剣士・沖田総司が率いる、一番隊に配属される。一カ月後、池田屋騒動が勃発。迅助は伝令役として参加するが、彼を助けようとした沖田が、戦いの最中に喀血し、倒れてしまう……。

(公式サイトから引用)

[インプレッション]
キャラメルボックスの新撰組ということでかなり期待していったんですが、その期待を裏切らすに十分に楽しめました。
殺陣がとてもきれいで基本に忠実だったので説得力があり、舞台セットなどが無いほぼ素舞台でありながら役者の動きで魅せていく演出はさすが。キャラメルボックスのいいところが詰まった舞台でした。

ストーリーも沖田総司率いる1番隊を軸に立川迅助と小金井兵庫のしっかりとした成長も見れるので感情移入のラインがしっかりしていてとても見やすい。丁寧すぎるくらいにしっかりと見せてくれるので途中ややダレてしまいそうな気もしたが、個々のレベルが高いので掛け合いを見ているだけで成立してしまうシーンはすごいと思う。

はっきり言ってなくてもいいシーンや、もっと盛り上げてほしいシーンはあったが、この見せ方が正解なんだと思う。なぜなら十分に印象に残るシーンであるし、見せたいのはそのカタルシスでは無く、清々しいまでの成長なんだから。
幕末を生きた剣士たちの生き様という点で最後の落としどころはとても気持ちがいい。物足りないくらいがちょうどいいかと思ってしまうくらいまとまっている。

突き抜けた展開や驚きはないが、誰にでも進められる良質なエンターテインメントだと思う。


評価:★★★★☆




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2009年8月 2日 (日)

レンアイドッグス

オモテ
劇団鴉霞 第13回公演
『レンアイドッグス』

[Cast]
大滝静香、久高将史、北田拓朗 (BESIDE)、志村由美 (アイムエンタープライズ)、古森克宏、竹中隼人、ぴんきゅ、善塔緑茶、青木智美、角田晃一、大橋タクヤ、田中清美 (7contents)、上原ミユキ、細川裕城、大坪隆司、みやがわあゆみ、大場秀行、槇公輝


[Staff]
脚本・演出:江戸川崇
照明:鈴木悟
音響:若木緒香

[Time table] 青字=観にいった回
7月30日(木) 19:00
7月31日(金) 14:00/19:00
8月01日(土) 14:00/19:00
8月02日(日) 12:00/17:00
 [上映時間:約120分]

[Ticket]
前売:2,300円
当日:2,500円
(全席自由)

[Place]
アイピット目白
(→JR目白駅 徒歩15分)

[劇団 公式サイト]
劇団鴉霞 公式サイト
http://karasuka.holy.jp/index.html

[ストーリー]
天国の門の前に立った三人の男女。

そんな彼らに天使が突きつけた命を繋ぐ条件は、自らの恋の成就だった!?

複雑に絡まり合う無数の恋愛模様。そこに天使や悪魔も絡んできて、事態は更にややこしくなっていく! 果たして三人の運命は・・?

この恋の行方・・まさにDEAD or ALIVE!

劇団鴉霞が贈るファンタジーラブラブラブコメディ!

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
完全コメディのお話。それでもテーマは"愛"ということで人と人のつながりが一番分かりやすいテーマだったので、登場人物が多くてもしっかり群像劇として成立していたのがすごい。
プロットはそこまで緻密ではないのだが、何よりキャストのキャラクターが立っていたので違和感なく認識することができた。おそらくその部分においてのみ特化していたような作り。

その成果はしっかり出ていて、かなりの人数が行き来してそれなりに台詞をしゃべっているのにまったくそれぞれの役柄を見失わないのはすごい。他でやると浮いてしまうようなアクの強いキャラ作りは全体で見せていて初めて成立するものだが、コメディとしてなら十分。

残念なのがコメディに重要である客の反応。これがいまいちかみ合っていないような空気を引きずっていたので観ていても少し不安になるようなシーンがいくつか。
肝心のテンポや間、そしてその場のノリが影響してくるんだろうが、どうも気持ちよく決まるポイントが少しズレたままのように感じいてしまい、とてももったいなかった。
丁寧すぎるのが問題かも。

キャストはみんな気持ちよく芝居をしていて良かったと思います。
気になる役者さんも結構いました。
内輪受けのような部分がほとんどないところからも、決して適材適所の当て役ではなく演出と役者本人による作りこみで見せようとする笑いにこだわっているのが良く分かる。
こういうカンパニーは役者として参加すると得るものは大きいかも。


評価:★★★☆☆

ボルト

ポスター
邦題:ボルト
原題:BOLT
監督:クリス・ウィリアムズ、バイロン・ハワード
製作:クラーク・スペンサー、ジョン・ラセター
脚本:クリス・サンダース (ストーリー)、クリス・ウィリアムズ (シナリオ)、ダン・フォーゲルマン (シナリオ)
音楽:ジョン・パウエル
出演:ジョン・トラボルタ、マイリー・サイラス、マルコム・マクダウェル
<日本語吹替え> 佐々木蔵之介、白石涼子、江角マキコ、天野ひろゆき、他
データ:2008年/アメリカ/96分 [ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター (3番スクリーン) 吹替3D版鑑賞
同時上映:『メーターの東京レース (Tokyo Mater)』
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 テレビの中のスーパーヒーロー犬で自分に本当にスーパーパワーがあると思っている白いシェパード、「ボルト」の話。

ある日、彼は撮影スタジオを勘違いで逃げ出し迷子になってしまう。そして、「ミトンズ」というメスネコと運動ボールから決して出ない「ライノ」というハムスターに出会う。彼は次第に、自分にはスーパーパワーがないことがわかってくる…。
(Wikipedia)

[インプレッション]
ピクサーを完全子会社にしてもいまいちディズニー体制でのアニメ映画は不振だったのだが、今作はピクサーのジョン・ラセターが制作からかかわっているということと、自分の力を信じていたのに現実を知るという、まさに『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーストーリーということで非常に期待が高かった。

なんとこの作品、字幕版と日本語吹替え版、そして吹替3D版という3種類の上映方法で展開されています。
吹替3Dというのは読んで字のごとく、3Dメガネによって飛び出す立体映像で映画を楽しむ事が出来ます。

3Dメガネ

コチラが3Dメガネ。コレのおかげで3D吹替えバージョンは2,000円になってしまうようですが、映画館の本編映画を完全3Dの立体映像で見たのは人生で初の体験でした。
しかしかなり精度が高くて、途中から全く違和感を感じなく、メガネさえ気にならない人ならば全然OK。十分迫力ある映像を楽しめます。


ボルト

今回はストーリーが特に秀逸。お手本のような流れと、決して人を馬鹿にしないコメディセンス。うまい台詞や状況の妙で笑ってしまうシーンが満載でした。
もともと動物同士のやり取りが「イヌ!」とか「ネコ!」と呼び合うのでこの語感がなんとも面白い。
日本語監修も良かったんだと思います。

キャラクターがとてもわかりやすく全然ごみごみしないので素直に入り込め、目的が分かりやすいのは子供でも全然物語についていけます。当たり前だけど恐ろしいくらいに丁寧な心理描写には頭が上がりません。すばらしいの一言。

さらに見逃せないのはその設定。一見して勘違いしている主人公が間違いに気づいて成長していくという王道ストーリーにまだこんな見せ方があったのか。ほんの少しのスパイスでまったく新しく新鮮な感覚で観ることができる。
ボルトの状況と冒頭の"イヌ"としての見せかたの導入部分がとても良かった。アクションシーンの流れかたはそれだけでも必見。昨今の火薬だけのハリウッド大作に見習って欲しいくらいだった。

アニメとしてデフォルメされているキャラクターデザインだが、ビックリするくらい細かい動き、生き物としてのノイズまでCGで描写しているので恐ろしくリアルだった。
だから動物の物語としてではなく、ボルトの成長をなんなく描くことができたんだと思う。
イヌでもできる。

ピクサー体制からできた新生ディズニーアニメだが、この路線を是非維持していただきたい。




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2009年8月 1日 (土)

いつかおそらのてっぺんで

オモテ
ウラ
MFビレッジ 第8回公演
『いつかおそらのてっぺんで』


[Cast]
秋山由奈、江口古来、加藤琢朗、草野智之、嶋田誠我、鈴木雅康、高橋絵里加、西川祥恵、宮原恵太、村口雅俊

[Staff]
脚本・演出:村口雅俊
照明:栗山ゆき
音響:ひの だい (凸劇自遊時間)

[Time table] 青字=観にいった回
7月31日(金) 19:00
8月01日(土) 14:00/19:00
8月02日(日) 13:00/17:30
 [上映時間:約100分]

[Ticket]
前売:2,000円
(全席自由)

[Place]
明石スタジオ
(→JR高円寺駅 南口 徒歩5分)

[劇団 公式サイト]
MFビレッジ 公演情報 (ブログ)
http://mfv2008.blog49.fc2.com/

[ストーリー]
「青の時代」─飛行機乗りが誇りを賭けて競い合った輝かしい日々。
時代を生きた今の俺達に、あの日の空はどう見えるのだろう─夏の雲間を切り裂いて、MFVの8本目!

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
実はですね、このお芝居5年前の初演のときに僕が出演していたんですよ。だからか、そのときのオリジナルキャストが結構出ているのでとても感慨深くて、自然とのめりこめました。
実際初演の時も演出と脚本のバランスのとれたいい話だと思ってましたが、こうして再構築された話を観てもやっぱり軸がブレない作品は強い。

脚本の大切さを改めて感じます。あとはそこに乗っかる役者たち。当時のオリジナルキャストもいたからか、バックボーンが自然とにじみ出ているのはさすが、再演の意味を十分に感じられる出来でした。

前回ほどスピード感はなくキャラクター同士の内面の心理描写に重点を置いたリメイクは有る意味正解だと思う。多少独白のような自分語りの場面が増えるが、その語りを十分に引っ張って行ける安定した役者だったので、飽きることなく観る事が出来る。

それぞれシーンの繋ぎかたや音楽によって非常にテンポよく観れるので、明石スタジオのサイズでピッタリ。最後まで集中しきれた。
こうやって時間を経て再演して、当時の事やメンバーを思いながら現在の芝居を観ている。こういうのが、年をとってよかったなぁと思える瞬間である。


評価:★★★☆☆

2009年7月23日 (木)

JUDY 〜The Great Unknown Squadron〜

オモテ
グーフィー&メリーゴーランド 公演
『JUDY 〜The Great Unknown Squadron〜』


[Cast]
久世恭弘、木内友三、左門太平、阿部有希、菅沼かよ、星野重雄、福井弘一、酒井孝祥、征矢かおる (文学座)、浜本ゆたか、小山陽子、大町沙矢香、直井よしたか、川口美穂、伊藤竜次、高瀬潤一、野上敦美、青木朋一、紺谷洋平、岡田陽子、山本了子

[Staff]
作・演出:沢村紀行
舞台監督:ボブ・斎藤
演出補佐:左門太平
照明:葛生英之 (日高舞台照明)
音響:松本昭 (音スタ)
宣伝美術:なないなな
舞台美術:カルロス・ベスプッチ
デザイン:hana

[Time table] 青字=観にいった回
7月22日(水) 19:00
7月23日(木) 19:00
7月24日(金) 14:00/19:00
7月25日(土) 14:00/18:00
7月26日(日) 13:00/17:00
 [上映時間:約140分]

[Ticket]
前売:3,500円
当日:3,800円
(全席指定)

[Place]
シアターグリーン BOX IN BOX THEATER
(→池袋駅 徒歩15分)

[劇団 公式サイト]
グーフィー&メリーゴーランド 公式サイト
http://www5a.biglobe.ne.jp/~gooffy/

[ストーリー]
 時は太平洋戦争末期、時代は特攻が主流の風潮の中、断固特攻作戦を拒否し、
正攻法のみで攻撃し続け、目を見張るほどの戦果を残し、敵部隊から恐れられていた部隊があった。

 海軍航空部隊、美濃部正少佐率いる芙蓉部隊がそれである。
その名は、特攻を美化する日本よりはるかに欧米で知られている。

 時代の風潮に抗いながらも、人類普遍の原則に基づき生き抜いて戦う姿勢を貫いた
誇り高き、名もない勇者達の物語。

 包み隠されていた歴史が今ここに・・・。

グーフィー&メリーゴーランド、渾身の自信作。
是非、この機会をお見逃しなく!!

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
素直な印象として第1に感じたのが「長い」。ということ。これは致命的。
2時間超えという物理的な時間よりも、暗転による場面転換が多すぎて、所々物語がぶつ切りにされてしまい感情移入できないまま物語が進んでいってしまうのがなにより致命的。
テレビとか映画のような映像だとこのようなシーンの切り替えは演出として有りだと思うが、このテンポを舞台でやってしまうとどうしてもつらい。

各役者の芝居や衣装、セット、音響などクオリティが高いのが逆にもったいなく感じた。
人数が多いので人間関係の絡みはあるのだが、そのほとんどのエピソードがドキュメンタリーのようになっていて、最終的には2時間越えるほど必要だったものなのか疑問になってしまう。
とにかくドラマとしてこっちまで伝わってこないのでドキュメンタリーとして見ればある意味しっかりしているとも取れる。でもそれは芝居じゃあないと思うんだ。

どこを目指していて、何を感じさせたいのかが明確に分からないとエンターテインメントではなく、それはただの物語を自動で見せてくれるだけの時間になってしまう。

評価:★★☆☆☆

2009年7月14日 (火)

マンガ大戦GREAT

オモテ
ウラ
YANKEE STADIUM 20XX STAGE22
『マンガ大戦GREAT』


[Cast]
夢麻呂、MIKO、中西修司、石渡直人、木下貴仁、田島実奈子、NAMIKO、山崎タカヤス、宮園佳加、五月女亜紀、住知三郎、銀志郎、高山賢吾、大山竜一、武藤千亜紀、庭野章子、宮崎麻由子、小堀理恵子、erico、鎌田華織、進藤由利、石川真結、執印徳枝、TAKAYUKI、小田部喬、国沢圭織、有賀太朗、小野寺洋平、近藤桂輔、須田妙子、梶敦美、MATCHA

[Staff]
脚本・演出:片岡佳樹
舞台監督:鈴木晴香 ((有)るうと工房)
照明:伊藤一明 (P・A・C)
音響:前野公英 ((有)ソニカ)
音楽:げき音
振付:YANKEE STADIUM Turbo type D
アクション:中村嘉夫、山崎タカヤス

[Time table] 青字=観にいった回
6月10日(金) 19:00
6月11日(土) 18:00
6月12日(日) 15:00
6月13日(月) 19:00
6月14日(火) 19:00
6月15日(水) 休演
6月16日(木) 19:00
6月17日(金) 19:00
6月18日(土) 18:00
6月19日(日) 15:00
6月20日(祝) 14:00
 [上映時間:約180分]

[Ticket]
前売:\4,000
当日:\4,500
(全席指定)

[Place]
シアターサンモール
(→新宿駅 徒歩20分)

[劇団 公式サイト]
YANKEE STADIUM 20XX
http://yankee.oc.to/

[ストーリー]

元、漫画家で2人の子を持つ葉月信太郎は、「少年漫画王」の出版社に勤めるドジ社員。
 ある日、信太郎は漫画原稿の中に吸い込まれてしまう。信太郎の前に現れた謎の少年と老人。そして「コミックワールド」の時が動き出す。
 目の前で繰り広げられる、天才漫画家「鏡 京介」が描く人気連載漫画「ジ・エンド・オブ・アース」そっくりの世界。困惑する信太郎に少年は「救世主」を描いてと頼む。
 そして、前作を凌ぐ漫画アクションバトルが幕を開けるのだった。

 誰も知らない小さな世界の壮大な物語。
これは「現実か」「幻か」はたまた「空想か」
超異次元世界の運命を背負う「2人の漫画家」
超アナログ戦士vsハイパーデジタル
ペンvsペン
アドベンチャー×ファンタジー
アクション×ダンス
ギャグ×アドリブ
時間vs観客
真っ白な原稿に生命の息吹が宿る!!!

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
破天荒で、進行を止めて突然アドリブコントが始まろうとも気にしない、何でもありのコメディ芝居です。
しかし、見せたいストーリーラインがしっかりとしているのでブレずに見続けられるのがここの強みだと思う。やっている笑いネタも決して内輪ウケじゃないのが素晴らしい。
今回も予想外(ある意味予想通り)アドリブばっかりで本当に腹を抱えて笑ってしまった。

ただ、純粋なストーリーだけで見るとややライトだったかなぁと思う。底に肉付けされるキャラクターや展開での絡みは面白かったのだが、やや捻りに欠けたというかそういう部分だけで見るとボリューム不足感がある。

しかしそれを補って有り余るパワーと笑い、そして演者達の生み出す安定感は抜群。純粋に笑いに身を任せられる。

漫画家の話だが、特に漫画についての技術的なことは出てこないので、設定として漫画というネタを使っている感じ。そこは特に漫画でなくても良かったとは思う。コミック・ワールドという世界観もイマイチルールがつかめないまま見れてしまうのでそこまで重要な設定でもないかなぁというのが正直な感想。
オーソドックスな展開でも充分楽しめる上質なエンターテインメントは変わらずで、とにかく安定して進められる舞台であることは間違いない。

前日にあるトラブルが起こってしまったらしいが、それすらネタにしてしまうのはすごい。しかし、ある意味大正解だったと思う。


評価:★★★★☆




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2009年6月30日 (火)

[最近のレビュー] 2009年4月-6月

2009年4月-6月までのレビューまとめです。
4月は丸々一ヶ月間舞台があったので作品は何も見れない状態でした。
でも、後半は稽古がなかったのでわりと観れたかなぁ。

映画:1本
舞台:7本

どんどん映画鑑賞が減っております。観ようと思っている映画がありすぎる状態でいつの間にかレンタルされてて、いつの間にか旧作になってて、その間にも新作はどんどんどんどん・・・。ああ、がっつり観る時間がほしい・・・。


【映画】

『ターミネーター4』 - 2009年6月28日 (日)

データ:2009年/アメリカ/114分 [ワーナー・ブラザーズ、ソニー・ピクチャーズ]
鑑賞方法:MOVIX橋本 (5番シアター)
評価:★★★★☆

→ ファンの期待と予想をいい意味で裏切った正当な続編。


【舞台】

『CRYSTAL NIGHT!』 - 2009年5月21日(木)

ドラムスKO! 2009年5月公演
[2009年5月21日 - 5月24日] 公演時間:約100分
浅草橋 アドリブ小劇場
チケット:前売り、当日2,800円
評価:★★☆☆☆

→ あえて舞台でやる必要があったのか。良くも悪くも好みが分かれる舞台。


『ハックルベリーにさよならを』 - 2009年5月23日 (土)

演劇集団池の下 新入生歓迎公演
[1993年5月24日] 公演時間:約60分
東京アナウンス学院アトリエクマノ1K1
チケット:--- (新入生歓迎公演)
評価:★★★☆☆

→ 脚本と演出が出来ているなら、あとは心をぐっとえぐるような"引き"。


『METAL御伽草紙 〜桃太郎〜』 - 2009年6月12日 (金)

Aggressive Deth Metal Band Super Star 劇団Seven Stars 第4回公演
[6月12日(金) - 6月14日(日)] 公演時間:約105分
シアター風姿花伝
チケット:2,300円
評価:★★★☆☆

→ 何回か危うく突き放されそうになるお芝居。


『2.5次元の青春』 - 2009年6月19日 (金)

無理やり片思い
[6月19日(金) - 6月21日(日)] 公演時間:約90分
高田馬場プロトシアター
チケット:¥2,200
評価:★★☆☆☆

→ 丁寧でリアルすぎて面白みを見出しにくい。


『MOZU啼く城 -もずなくしろ-』 - 2009年6月25日 (木)

劇団キリン食堂 第5回公演
[6月24日(水) - 6月28日(日)] 公演時間:約130分
俳優座劇場
チケット:4,500円
評価:★★★☆☆

→ どんなに贅沢な演出でも、最後は役者の締めなんだなぁ。


『LIFE 〜生命・ちっぽけで弱いのに、この世で一番大切な存在〜』 - 2009年2月27日 (土)

劇団花鳥風月 番外公演
[6月27日(土) - 6月28日(日)] 公演時間:約65分
GEKIBA
チケット:2,500円
評価:★★★☆☆

→ 決してキャラクターに頼らない会話芝居。


『くすり(^^)フィンガー』 - 2009年2月29日 (月)

Cappa
[6月25日(木) - 6月29日(月)] 公演時間:約65分
駅前劇場
チケット:3,800円
評価:★★★★★

→ 役者として観るのを忘れてしまった舞台。


[まとめ]
4月に舞台をやってそのまとめ記事も書いていないまま7月になってしまいます。
早い。つまりやること後手後手になっているんですが、そう思っているうちは、たいてい改善しようとしていないわけで・・・。

来月からは早めに書きたい記事を更新していきたいと思います。
そうすればいろいろ作品も気兼ねなく観れるだろうと思うので。
ただ、舞台出演を決めるか微妙な状態なのでスケジュールがどうなるかは分からないなぁ。




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2009年6月29日 (月)

くすり(^^)フィンガー

オモテ
ウラ
Cappa
『くすり(^^)フィンガー』


[Cast]
川本裕之、久保木秀直 (大人の麦茶)、斉藤祐介、ザンヨウコ (危婦人)、白川直子 (ククルカン)、武田優子、田中完 (鈴舟)、夏川永聖、林修司 (ルドビコ☆)、前田剛 (BQMAP)、松菜美樹、村上寿子

[Staff]
脚本:塩田泰造 (大人の麦茶)
演出:堤泰之 (プラチナペーパーズ)
舞台美術:田中敏恵
音響:尾林真理
照明:池田圭子
演出助手:田村友佳
舞台監督:西廣奏
宣伝美術:川本裕之
宣伝写真:相川博昭
プロデューサー:久保木秀直
アシスタントプロデューサー:白川直子

[Time table] 青字=観にいった回
6月25日(木) 19:30
6月26日(金) 14:00/19:30
6月27日(土) 14:00/19:00
6月28日(日) 14:00/19:00
6月29日(月) 19:00
 [上映時間:約120分]

[Ticket]
前売:3,800円
当日:3,800円
(全席指定)

[Place]
駅前劇場
(→下北沢駅 徒歩1分)

[劇団 公式サイト]
『Cappa』 公式サイト
http://www.cappa.jp/

[ストーリー]
恋文酒場かっぱで働いていた料理人の晋平は、突如としてアラスカのお店に行くことになる。
仲間達による壮行会の翌朝、晋平はパスポートがないことに気がついて・・・

大人になりきれず、流されるように生きていた主人公が、様々な人間模様を垣間見て、立派な大人になっていく・・・
そんなお話

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
いやー面白い。とことん純粋でいて生粋のコメディ芝居でした。しかもかなり完成度の高いシチュエーションコメディなのに、キャラクターが異様なまでに立っている。
通常シチュエーションコメディというものは「あるある」と思わせる見せ方のため、細部を非常にリアルに作るもの。なのに、実際いるのか分からないようなキャラクターだらけで、バランス破綻してしまうんじゃないかと思ったが、これがまったくうるさくない。

個々の役者のレベルでそう見せられるんだろうなぁ。なにより脚本の台詞回しが秀逸でおそらく本を読んでいるだけでも面白いものを役者の実力で見事に昇華させている。
無駄が無いので見ていてとても分かりやすいのも出演者それぞれのバランス感覚のなせる業だろう。

やるべきことをやりきりながら、そこにプラスアルファを付け足す職人たちの気持ちいい主張が綺麗に混ざり合った良質な空間でした。褒めすぎかもしれないけど、今のボクにはこの刺激はたまらなくて、考えながら観るのを途中で辞めてしまったくらい。

なぜかアラスカに行くことになった青年の壮行会の話し。これが全体的な主軸になっているんですが、人間関係には踏み込めないアイだの、分かり合えないアイだの、理解し合うアイだのがそこかしこの軸として出てきます。しかし、そのことには微塵も触れないまま主軸が展開していきます。

最後にまとめ上げる力は気持ちよさすら感じます。こういう様々な観点の話しをほぼ同じ場のみで魅せきってしまう巧みな運びかたが凄い。ぜんぜん力技になっていないので、綺麗に無理矢理な伏線だったものが消化されている。

久しぶりに役者としてではなく、"一般客"として観てしまった芝居でした。


評価:★★★★★

2009年6月28日 (日)

ターミネーター4

ポスター
邦題:ターミネーター4
原題:TERMINATOR SALVATION
監督:McG (マックジー)
製作:デレク・アンダーソン、ヴィクター・キュビチェク、ジェフリー・シルヴァー、モリッツ・ボーマン
脚本:ジョン・D・ブランケート、マイケル・フェリス、デヴィッド・キャンベル・ウィルソン
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:シェーン・ハールバット
編集:コンラッド・バフ
出演:クリスチャン・ベール、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、ブライス・ダラス・ハワード、ムーン・ブラッドグッド、コモン、ヘレナ・ボナム=カーター、ローランド・キッキンガー、他
データ:2009年/アメリカ/114分 [ワーナー・ブラザーズ、ソニー・ピクチャーズ]
鑑賞方法:MOVIX橋本 (5番シアター)
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 “審判の日”から10年後の2018年。人類軍の指導者となり、機械軍と戦うことを幼いころから運命づけられてきたジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)。今や30代となった彼は、人類滅亡をもくろむスカイネットの猛攻が開始されようとする中、ついに人類軍のリーダーとして立ち上がることになる。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
『チャーリーズ・エンジェル』のMcG (マックジー)監督による、『ターミネーター』シリーズ最新作。これまでの作品ではシリーズを通して未来からの使者によるタイムトラベルとパラドックスの概念があったSF作品だが、近作からはずっと語られてきたスカイネットと人類との戦争が描かれている。
つまり、ようやく核戦争後の世界で生き残った人類達のリアルタイムな時間軸になったわけだ。しかし、タイムパラドックスの要素がないわけではなく、自分よりも年下である父親がキーマンだったりと、シリーズの内容を知っているととても楽しめる内容になっていて、それだけでも大作の続編を見ているという高揚感を得られる。

特に注目したいのがスカイネットが送り込む様々なタイプのターミネーターとの戦い。科学が発達した未来世界だが、すでに荒廃している世界では機械との戦力差は圧倒的でやはり追われる側になる主人公たち。しかし、この構図こそターミネーターである。
驚くくらいめまぐるしい戦闘シーンもとても分かりやすく、迫力あるバトルシーンの連続には思わず息を呑んでしまい全然飽きることなく見ることが出来た。

ストーリーもとてもよく練られていて、うまく複線を消化しつつラストへと持って行くので、展開がとてもキレイ。細かいところでちゃんと整合性が整えられていて、うなってしまう。
今までの作品と比べると荒廃した世界で華やかさやインパクトがなく一見地味と言われるかもしれないが、ファンにもきちんと意識した演出が所々見受けられるところにもニヤリとしてしまった。台詞にもこだわっているのがよく分かる。

今までのようなバリバリのSFではないが、十分にシリーズの遺伝子を感じられる出来だったと思う。少なくとも『ターミネーター3』よりは面白いと言い切れる出来だろう。映画館で観に来て良かった。
インタビューでもさんざん言われていたが、この監督はこのシリーズを全く再構築しようとしているわけではないということがよく分かった。作品への愛を感じる作りに安心と次回作の期待が高まる完成度でした。

2009年6月27日 (土)

LIFE 〜生命・ちっぽけで弱いのに、この世で一番大切な存在〜

オモテ
ウラ
劇団花鳥風月 番外公演
『LIFE 〜生命・ちっぽけで弱いのに、この世で一番大切な存在〜』


[Cast]
市川典子、山口文康、植松りか、今井光信

[Staff]
脚本・演出:山内大典
舞台監督:山内大典

[Time table] 青字=観にいった回
6月27日(土) 14:00/19:00
6月28日(日) 14:00/18:00
 [上映時間:約65分]

[Ticket]
前売:2,500円
当日:2,800円
(全席自由)

[Place]
GEKIBA
(→池袋駅 徒歩8分)

[劇団 公式サイト]
劇団花鳥風月 公式サイト
http://www1.odn.ne.jp/kachofugetsu/

[ストーリー]
ある日の夜、公園で首吊り自殺をしようとしていた女性を止めてしまった男と、同じく通りがかった男女。たまたま居合わせてしまった3人で、女性の自殺をする理由を聞き出そうとするが・・・。

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
4人芝居でいてとてもコンパクトにまとまった作品。いつもの劇団のノリよりも軽めで、わりと珍しい部類だったのではないだろうか。
ずっと公園での出来事なのだが、4人で展開していく完全な会話劇なのでテンポはとても大事。やや中だるみしそうな間はあったが、そこは約1時間という公演時間でカバーしているのでそういう問題は感じさせないのがうまい。


こういう芝居では脚本がまず大事なのだが、それを舞台として見せたときには、演出というよりも役者側のアクション・リアクションが一番重要なファクターを閉めると思う。そこに存在している人物として見せるのは台本に書いてある文章ではなくて、4人の登場人物なのだから。

4人がそれぞれ個性があって分かりやすかったのは良かったが、劇団の色的に、そこにいる4人の伏線が絡んでくると思っていただけに、全体的には少し肩透かしだったかも。意外とシンプルに終わってしまったが、この公演時間の短さならこれくらいがちょうど良かったのかも。

最後の終わり方は嫌いじゃないです。
というかこういうキレイに落とすことが出来る脚本こそが本当に魅力的だなぁと思う。それこそこの劇団の魅力なのだろう。

次回本公演は、少し間が空いての来年10月らしい。楽しみ。


評価:★★★☆☆

2009年6月25日 (木)

MOZU啼く城 -もずなくしろ-

オモテ
劇団キリン食堂 第5回公演
『MOZU啼く城 -もずなくしろ-』

[Cast]
根本正勝、汐崎アイル、戸島花、新井険史、藤浪靖子、松木威人、末崎千絵、大島つかさ、阿部朋矢、若林美保、町田光、結樺レイナ、中島俊介、小菅博之、和田光沙、戸田信太郎、みそ、加納和也、奥野雄太、田口いづみ、伊藤そうあ、斎藤祐理子、宮崎涼輔、森下和、久保田真由美、中山素世美、五十嵐三佳、遊佐沙緒里、山口幸志、菓子野大悟、成田満治、成澤富博、大久保悠依

[Staff]
脚本・演出:久保田誠二
パートナー:藤田宏、田代道也
プロデューサー:中村雅人
振付:結樺レイナ
殺陣:新井兼二
舞台監督:瀬田雅之
美術:松木威人
美術協力:浜野璋彦 (株式会社日本テレビアート)
照明:村山寛和 (MERCURY)
音響:山本音響
音楽:沙羅双樹 (古典空間)
衣装:東京衣装
宣伝美術:伊藤憲治


[Time table] 青字=観にいった回
6月24日(水) 19:00
6月25日(木) 19:00
6月26日(金) 14:00/19:00
6月27日(土) 14:00/19:00
6月28日(日) 13:00/17:00
 [上映時間:約130分]

[Ticket]
前売・当日:4,500円
(全席自由)

[Place]
俳優座劇場
(→六本木駅 徒歩2分)

[劇団 公式サイト]
劇団キリン食堂 公式HP
http://www.kirin-syokudou.com/

[ストーリー]
 戦国時代末期。虎尾長則が高山家を攻め滅ぼしてから五年、長則は広大な領土を支配したが深酒によって奇行を重ね、政治の実権は執政である蓮世(れんぜい)が握っている。過酷な年貢の取り立てへの百姓の声は聞き入れられず、無残に処刑される。領民は長則を百舌と呼んで忌み嫌う。虎尾城では統治能力を失った長則の跡目を巡り、権力闘争が繰り広げられている。長則の妻六条の方は蓮世と結託し長則を隠居させ嫡男是則に後を継がせようと企んでいる。旧高山家の重臣である三好九衛門は、是則の腹違いの妹豪姫に忠誠を尽くす。蓮世は密かに忍びの者達と通じ、下剋上の機会をも狙っている。

 村では長則に斬られた子供の傷が化膿し、生死の境にある。そこに南蛮衣装に身を包んだ真手有珠(まてうす)と名乗る若者が現れ、手当てを施す。子供が目覚ましく回復したことで村人たちは真手有珠を「奇跡の人」と讃え始める。真手有珠の「南蛮の高貴な血筋」は大嘘で、宣教師の元に住みこんでいたコソ泥に過ぎない。正体を見抜いた村長の甚兵衛は「出ていけ」と迫るが、真手有珠は更に様々な奇術を弄して村人たちを虜にしていく。やがて豪姫も心惹かれるようになっていく。しかしそれを知った蓮世は豪姫と真手有珠に過酷な罠を仕掛け、人々は歯車が狂った運命によって翻弄されていく…

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
照明がバーンと動いたり、客演がアイドルだったり、セット・衣装が本格的でなにかと豪華なキリン食堂。今回の舞台でも見所は多々あるんですが・・・、一番肝心なストーリーがどうしても伝わってこないのはなぜだろう。どのキャラクターの役者もうまいので見ていて飽きないし、個性も出ているのに、どうしても感情移入できないのだ。

ストーリー上、多少の矛盾点や、やや強引な展開は2時間の内容ではしょうがないにしても、そんなものを感じさせないほど世界観に没頭させてくれればいいのに・・・、どうしても現実に引き戻される瞬間がある。

目を引くようなダンスや、台詞回し、豪華な照明がうまく機能していないのが非常に残念。はっきり言うとバランスが取れてないんだと思う。役者の実力もありテンポ良く面白いのに、時代劇に現代ギャクがバンバン出てきたりするとどうしても引っかかってしまうし、段取りや意思の統一感が感じられないので締めて欲しいところでシーンが締まらない。

最後の大立ち回りも非常に早くて派手、そして巧い殺陣なのだが、多すぎて長い。シーンの意味や展開的にも、もう意味や決着が見えている戦いなのに10人15人と斬り続けるところを見させられても後はボーっとアクションパートが終わるのを待つだけの時間になってしまう。本当にいい手なのに。5〜7人くらい切ってれば十分に見せられたシーンだったはず。特にどんでん返しも無かったので、終わって見ればあの時間はなんだったのか、と引っかかってしまう。


総合的にレベルが高いのにもったいないが、魅力のある団体ではある。そんな魅力すらないような芝居はいっぱいあるんだから。


評価:★★★☆☆

2009年6月19日 (金)

2.5次元の青春

オモテ
無理やり片思い
『2.5次元の青春』

[Cast]
横田純、橋本我矛威 (劇団ビタミン大使「ABC」)、金魚、平山理沙、相川雅史、小柳健次郎

[Staff]
作・演出:ようだたかゆき
舞台監督:和希
音響:美川奈穂
宣伝美術:クロミヒデアキ (高円寺バーガーフリークス)
制作協力:ちゃんてじょん


[Time table] 青字=観にいった回
6月19日(金) 14:00/19:30
6月20日(土) 14:00/19:00
6月21日(日) 13:00/18:00
 [上映時間:約90分]

[Ticket]
前売:2,200円
当日:2,500円
(全席自由)

[Place]
高田馬場プロトシアター
(→高田馬場駅 徒歩15分)

[劇団 公式サイト]
無理やり片思い
http://kataomoi.is-mine.net/

[ストーリー]
マンガ研究会。
ややもすればオタクと敬遠される彼ら。
地味で、華やかさとは無縁そうな彼らの織り成す、
非熱血系青春系ストーリー!

漫画研究会とは名ばかりの部員たち。

ひょんなことから、ちゃんとした漫画を書くことになった彼らだが、
当然まともに書いたコトなどあるはずもなく・・・

(公式サイトから引用)

[インプレッション]
高校の漫画研究会での話。終始同じ場面で話が展開するシチュエーションコメディにとても類似した作りだが、はっきり言うと全然シチュエーションコメディではない。ジャンル的には恐らくコメディなのだが。残念ながらこの設定がもったいないくらいにリアルに展開されていくので、言い換えるとどこまでも普通な芝居になっている。

キャラクターや漫画研究部という設定がとても面白そうなのに、そういったところはあまり意味を持たない作りになっている。それぞれの心理描写は必要ないくらいにわかりやすい (ひねられていない、重要では無い役になっている)し、芝居も決して下手ではないのにとことんリアルなので舞台で見る分で伝わりずらいぎりぎりのところ。つまり地味になってしまう。

実際スパイス的な役回りもいたが、物語的にはいなくても成立してしまうし、もともとそこまでに時間をかけるほどの展開も山場もなく終わってしまうので、少し肩透かしを食らってしまう。これはそこまでの空気を作れなかった役者のせいではなく、どうしても感情移入できないまま話が進んでいくのが問題かと。

もう一度言うが、決して個々の芝居は悪くない。むしろしっかりと抑えた芝居が出来ていてある意味まとまっていた。しかし、みんな抑えられすぎていて、見応えが無いという・・・これはもう演出的な問題なんだと思う。

いわゆる"片思い"がテーマの話なのに、根本的に、なぜヒロインに片思いするのかの描写が薄すぎて (あるにはある)、客がそのヒトを好きになる理由が全然理解出来ないのが致命的。
これがリアルな日常であるならば「好きになるのに理由なんて無い」のは至極当たり前で良くあることだし、演じている人物にはしっかりと"リアル"な感情は作れているのはわかるんだけど、それが客に伝わる見せ方をしないと作品として意味が無い。

ヒロインがただただ可愛い美少女とか、どうしても好きにならなければいけない理由とか、とにかく主人公が好きになってしまった気持ちを見せてくれたりすればそれだけで全部成立するのに。
主人公が自分の気持ちに戸惑っている描写だけで、結局本当に好きなのかはっきり見せなかったのも残念。そこがはっきりしないと周りが盛り上がっている (描写を見せる)のが無意味になってしまう。

演出家の考え方に誰も異を唱えずに最後までその通りに作り、まとまり過ぎてしまった印象。


評価:★★☆☆☆

2009年6月12日 (金)

METAL御伽草紙 〜桃太郎〜

オモテ
ウラ
Aggressive Deth Metal Band Super Star 劇団Seven Stars 第4回公演
『METAL御伽草紙 〜桃太郎〜』

[Cast]
竹中勇貴、出来本泰史、土井貴之、畠山康裕、藤田元紀 (以上劇団員)

イマガ紫雲、岡崎哲士、大久保悠依、兼平真吾、下出紗弥可、田川ちか、迫律聖、橋本明典、原かほ里 (SeirenMusicalProject)、星見陽介 (.comet)、新山友一朗
いっこ、白石綾乃、鈴木エリー、田川知絵子、村野彰彦、北崎秀和


[Staff]
作・演出:重☆金☆属
舞台監督:森山香緒里
照明:保坂真矢 (Fantasista?ish.)
音響:岡田 悠 (One-Space)
衣裳:古館 友貴子
宣伝美術:小林凡輝子

[Time table] 青字=観にいった回
00月12日(金) 14:00/19:00
00月13日(土) 14:00/19:00
00月14日(日) 13:00/17:00
 [上映時間:約105分]

[Ticket]
前売:¥2,300
当日:¥2,500
(全席自由)

[Place]
シアター風姿花伝
(→西武池袋線 椎名町駅 徒歩8分)

[劇団 公式サイト]
Aggressive Death metal Band Super Star 劇団Seven Stars
http://admbsssevenstars.web.fc2.com/otogi.html


[ストーリー]
時は戦国…暗雲立ち込める祇園社で仲間と共に鬼退治!!
犬、猿、雉に陰陽師まで出てきて大波乱!!
劇団Seven Starsがお贈りするメタル御伽エンターテイメント!!
大人も子供も中指立ててWelcome!!

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
基本『桃太郎』のお話をベースに繰り広げるダンス、歌、ロックミュージック、アクションという、まぁなんでもありの舞台。でもストーリーは意外と (失礼)軸がしっかりしていて、ストーリーなんてあって無いような娯楽作品とは一線を画す構成で、きちんとした時代劇だった。

キャラクターが多く、それぞれ魅力的なのだがこの人数は必要だったのかは疑問。
そういう意味では結構贅沢な使い方があったかなぁ。
アクションも狭い劇場で良く動くし、迫力もあって良かったが、どうしても窮屈に感じてしまうところがあった。

全体的には、"メタル御伽エンターテインメント"を掲げているだけあって、場転や台詞回しはかなり異彩。でも突っ込むところじゃない。むしろもっとやって欲しかったくらいだった。こういうバランスは非常に難しいけども、作品に対しての出演者のベクトルがどこに向いているのかが少しぼやけていたようにも感じる。
過不足を補えるなにかが無かったような感じ。

面白いけど想像以上のサプライズはない。
この壁を越えるかどうかが"エンターテインメント"を掲げる上での最大の課題だと思う。


評価:★★★☆☆

2009年5月23日 (土)

ハックルベリーにさよならを

演劇集団池の下 新入生歓迎公演
『ハックルベリーにさよならを』


[Cast]
青木つかさ、大久保瑠美、田中杏沙、坂本はづき、坂本実里、鈴木駿也、山口純平

[Staff]
作:成井豊
演出:長野和文

[Time table] 青字=観にいった回
5月24日(日) 17:00
 [上映時間:約60分]

[Ticket]
前売り・当日:---
(全席自由)

[Place]
東京アナウンス学院アトリエクマノ1K1
(→ 新宿駅西口から徒歩15分)

[劇団 公式サイト]
俳優をめざす専門学校|放送演技科 専門学校東京アナウンス学院
http://www.tohogakuen.ac.jp/announce/act/

[ストーリー]
ボクの祈りは光の早さを越えて、時の流れを遡るかもしれない。
繋がらない電話、進まない時間。

そしてケンジはパドルを漕ぎ始めた。

演劇集団池の下がおくる、成井豊のファンタジックワールド。

(告知から引用)


[インプレッション]
後輩の専門学校の公演。"新入生歓迎公演"らしいですが、「一般も来れますので是非」ということで観てきました。今回の『ハックルベリーにさよならを』はキャラメルボックスの公演ですね。
7人の登場人部それぞれのキャラクターと1時間で納まるストーリー構成、そしてテンポの良い見せ方と台詞回しはさすが"キャラメルボックス"という感じ。

あとはどこまで見せきれるかだけども、十分にやりたい事が伝わってくるので、変な話、まったく"うがった見方"をせずに楽しむ事ができた。
多少キャラ芝居的な感じもしたが、それは元々の脚本がそういう色なのでいいか。

ただ、話を追って理解していって、終演後に感じるスッと抜けるような後味はなんだろう。というのも、なぜだかなにも残らないまま終わってしまう印象を受けた。
演出的には、この団体は過去にもこの演目での公演はしているようなので、バランスは取れているんだが、強いて言えばもっともっと押しが欲しかった。どうしてもテンポ良くシーンをこなしているように見えてしまい、もったいないシーンがいくつかあったなぁ。・・・ああもったいない。

いい感じに感情移入してきていても、どうしても心をぐっとえぐるような"引き"が伝わってこない。もともとこの話はそのカタルシスこそが一番の醍醐味のはずなのに。
ただ、各キャストの芝居はぜんぜん雑ではなく、思っていたよりもまとまっていて、満足度が高かった。


評価:★★★☆☆



【関連記事】

2009年5月22日 (金)

ASU

オモテ
ウラ
KENプロデュース vol.5
『ASU』


[Cast]
坂井虎徹、加藤沙耶香

宮川智之、古崎瞳、多賀啓史、喜多路

浅田育輝、太田直人、沖野晃司、かじこ、加納健詞、神谷れい子、斉藤賢、倭文俊、瀬良浩介、瀧田蘭丸、鶴見直斗、藤堂瞬、時田真之、中野雅之、橋本深猫、林田栄信、フクダケンジ、松田麗、松田陽平、松菜美樹、安岡和弘、吉田将基、芳月実桜

稲葉晴飛、内山裕和、萩原利久、冷牟田七海

[Staff]
作・演出:加納健詞
演出補:瀧田蘭丸
舞台監督:酒井詠理佳
照明:村山寛和 (マーキュリー)
音響:田上篤志 (atSound)
音楽:金藏直樹 (Eternal Music)
殺陣指導:黒井龍之介 (B-Feeling)
振り付け:長沼海
宣伝美術:鶴見直斗
制作:田中雅登
制作補佐:諸田奈美
プロデューサー:網飛鳥
企画・製作:KENプロデュース


[Time table] 青字=観にいった回
5月22日(金) 19:00 ※追加公演
5月23日(土) 15:00/19:00
5月24日(日) 13:00/17:00
 [上映時間:約140分]

[Ticket]
前売:3,000円
当日:3,500円
(全席自由)

[Place]
コア・いけぶくろ (旧 豊島区民センター)
(→JR山手線池袋駅東口下車 徒歩約5分

[劇団 公式サイト]
KENプロデュース (ケンプロデュース)
http://kenproduce.net/

[ストーリー]

絵本作家を目指している楠木(くすのき)はフリーターだ。
普段は漫画喫茶で寝泊りをしている、いわゆるネット難民だ。
内向的な性格からか、アルバイト仲間からはグズの木と呼ばれ、友達と呼べる人間もいなかった。

一方、はるか銀河系の彼方、漆黒の宇宙空間をとある宇宙船が走っていた。
その船の名はND640号。
囚人移送用の宇宙船で、船には10名程度の囚人が乗っていた。
その中の一人の男が"ASU"であった。

ND-640号は単なる移送中ではなく、仮釈放の囚人を乗せて地球に向かっている最中であった。
しかし、その最中に事件が発生。
謎の宇宙船にその船は攻撃されるのであった。
金目の物が積んであるはずもないその船がなぜ襲われるのか?

そんな中、突然、現代日本に住んでいる楠木が宇宙船に現れた。
なぜ楠木は宇宙船に現れたのか、それは本人にも全く理解できない出来事であった。
そこで、楠木はASU達と出会う。
ASUは囚人とは思えないほとやさしく誠実な男であった。
他の囚人達も、凶悪な犯罪者にはおよそ見えない人々であった。

やがて宇宙船を襲撃した謎の集団は、船内に潜入してくる。
楠木は理解できないまま、囚人達と協力して集団と戦う事になるのだった。

そして、楠木は、思い出す。
この船は、自分が子供の頃に描いた事のある船だと。

これは、夢なのか?
一体ここはどこなのか?
謎の集団の目的は何なのか?
ASU達の運命は!?

漫画喫茶と宇宙船

時代も場所も、何もかもが違うこの二つの空間が一つにつながる時、時空も想いも越えた物語が今始まる・・

KENプロデュースが贈る、渾身のSFファンタジー。
それは子供だましのパラレルワールドではなく、あなたのすぐ隣で起こっている事件なのかもしれない・・

(チラシから引用)


[インプレッション]
キャストの人数も多く、あらすじを読むとなにやら壮大なSFファンタジーなんですが、実際はきちんと筋立てられたドラマです。
軸として見せたい内容はしっかりと伝わってきたし、しっかりとシーンを締められるキャストだったので、見やすく流れはわかりやすく理解できた。2時間20分が少し長めに感じたが飽きずに観れたのはそのせいだろう。

というのも、暗転によるシーン転換が多いのでところどころ集中が切れてしまうのと、あまり"宇宙"という設定を活かせていなかったような部分が見受けられるので、もう少しシェイプできたような気もしてしまう。


客として見ていて全体に漂っていたのが"理解"をしようとする思考で、のめり込んで観るのではなく理解しようと一生懸命観ようとしてしまうので、どうも集中できない。
そもそも後半の各キャラクターの設定はやや強引な感じがしてしまい、丁寧に一人ずつ説明する必要があったのかもう少し比重のかけ方をどこかに集中させられればもっと感情移入して見れたと思う。

役者の見せ方は面白く、焦点がぼやけていても軸がしっかりとあって進んでいるので登場人物が多くてもあまり気にならなかった。
ただ、悪くいってしまうと一部のメインを除いては気にならないような役回りのままいなくなってしまうので、気にならなかったという見方もできてしまう。もったいないというか、そんなに贅沢な使い方は、ちょっと驚いてしまう。ある種、"誰がいなくなるかわからない"ような先の読めない展開を楽しませるサスペンスでもないのに。

というよりも、見ていてジャンルが限定できないので、あくまでSFファンタジーと銘打っているのだが、SFである必要はなかったし、スペース・オペラでもディストピア (近未来)系でもなく、かっこいいアクションはあるがそれがウリでもない。

基本的に軸というか、落ちは最初から決めていたけども、他のやりたい事を全部詰め込んだらこうなってしまったような、なんともアンバランスな感じの作品でした。そこを楽しむ作品ならば、もっとアクションだらけだったり、ミュージカルのように歌ったり踊ったりしてもよかったくらいで、もしくはキャストはそのままで本筋のみに絞ったとてもシリアスなドラマのみが見てみたい。


評価:★★★☆☆

2009年5月21日 (木)

CRYSTAL NIGHT!

オモテ
ドラムスKO! 2009年5月公演
『CRYSTAL NIGHT!』


[Cast]
石岡琢朗、大蔵弘治、市川典子 (劇団花鳥風月)、小松 豊、八重柏賀子 (シアターキューブリック)、今村B、池田克成 (はんげきだんTOIZM)、降旗千佳、横山 卓 (Ah-be!! pierreproject)、広瀬文香

[Staff]
作・演出:小林シゲル
舞台監督:八重樫慶
舞監補佐:牛込新司 (劇団森)
照明:ETSUYO
音響:こばやん
衣裳:ドラムスKO!
チラシデザイン:はと
宣伝美術:日野誠

[Time table] 青字=観にいった回
5月21日(木) 19:30
5月22日(金) 19:30
5月23日(土) 14:30/19:30
5月24日(日) 15:30
 [上映時間:約100分]

[Ticket]
前売:2,800円
当日:2,800円
(全席自由)

[Place]
浅草橋 アドリブ小劇場
(→浅草橋駅 徒歩8分)

[劇団 公式サイト]
[ドラムスKO!]
http://sky.ap.teacup.com/d-ko/

[ストーリー]
“あったらいいな”を科学する、ここは佐藤研究所。
“なくてもいいよ”だって科学する―――。
今度の研究テーマは、「水晶」。
“水晶の夜”に何かが起こる・・・?
待望の「科学系コメディー」第3弾!ドラムスKO!は“占い”だって科学しちゃうぞ!

(チラシから引用)


[インプレッション]
チラシに「科学系コメディ」とかかれているとおり、劇中に客を巻き込んだ実験が始まったり、水晶という物質について化学式から図を用いて詳しく解説しだしたりと、まるでHNKの教育番組のよう。

内容もとてもわかりやすく、順を追って劇中のキャラクターが客に向かって解説してくれるが、はっきりいってストーリーとはまったく関係がない。厳密に言うと関係なくはないが、そこまで詳細に説明する必要も複線もないのにしっかりと"教育番組"が展開される。

役者の個々のレベルにもややムラがあり、安心して見れる部分と少し置き去りにされてしまうと感じる部分があったのが残念。でも、全体で見せようとするものはシンプルなので、それだけに役者の個人技が如実に出てしまうのだろう。

総じてこういった手法が悪いと言うわけではないが、良くも悪くも好みが分かれる舞台だと思う。
ただ、今回が第3弾ということで、これからも一貫してこのスタイルを貫いていくのなら、もっとこのカンパニーにしかできない事を昇華して行けば十分に価値が見出せるし、面白いんじゃないかと。現状は「子供に見せるといいかもね」止まりなので。まぁ、それは教育テレビがやってくれていることですし。


評価:★★☆☆☆

2009年4月 1日 (水)

DRAGONBALL REVOLUTION

ポスター (製作中)
邦題:ドラゴンボーノレ・レボリューション
原題:DRAGONBALL REVOLUTION
監督:アックス・ウォン
製作総指揮:島山明、axe
脚本:島山明 (原作)、アックス・ウォン (脚本)
テーマソング:浜埼あゆみ 「rule」
出演:ブラッド・ピット (孫悟空)、ジム・キャリー (ピッコロ)、ショーン・コネリー (悟飯じいちゃん)、ダニエル・ラドクリフ (孫悟飯)、ジョニー・デップ (ベジータ)、オーランド・ブルーム (トランクス)、アンソニー・ホプキンス (亀仙人)、えなりかずき (クリリン)、ハリソンフォード (レッドリボン軍総帥)、ジャック・ブラック (ヤジロベー)、田代まさし (天下一武道会の司会)、アーノルド・シュワルツェネッガー(16号)、ニコラス・ケイジ (桃白白)、KONISHIKI (魔人ブウ)、他
データ:2009年/日本/85分 [20世紀アックス 配給]
鑑賞方法:新宿バルトナイソ (1番シアター) [ワールドプレミア試写会]
評価:★★★★★★★


[ストーリー]
 「週刊少年ジャソプ」で連載され、爆発的人気を獲得した島山明の大ヒット・コミックをハリウッドで実写映画化。どんな願いもかなうドラゴンボーノレを集める旅に出た主人公・孫悟空が、世界征服をもくろむ巨悪との戦いを繰り広げる。監督は『axe.com』のアックス・ウォン。クリリンを『渡る世間は鬼ばかり』のえなりかずきが演じる。最新VFXを駆使した、ダイナミックなアクション・シーンに注目。
(ツネマトゥデイ)


[インプレッション]
世界中に散らばる7つのドラゴンボーノレを集める旅に出た孫悟空の物語。その目的は、どんな願いもかなうドラゴンボーノレを使って世界征服をもくろむピッコロ大魔王 (ジム・キャリー)の野望を阻止するためだった。旅の途中、悟空はドラゴンボーノレを探す亀仙人 (アンソニー・ホプキンス )らと出会い打倒ピッコロのために修行を行っていきます。


前評判を聞いて、まったく期待もなく、どんなに酷いのかを確認に行きました。しかし、思っていた以上の面白さに愕然。言葉にならないほどの衝撃を受けました。

なによりも良かったのはクリリン役のえなり君の熱演。ジャック・ブラック演じるヤジロベーとの友情がとても深く掘り下げられていて、「これは違う映画を見ているんじゃないか?」と錯覚するほど。
さらに、天下一武道会の司会役に田代まさしを起用するという奇抜ながら見事なキャスティングには監督の才能の片鱗が感じられます。
その司会も戦いに巻き込まれて死んじゃうんですけどね

「ノープロブレム!! この世界にはドラゴンボーノレがあるからな!!」
この台詞は、映画史に語り継がれる事でしょう。

さらに原作とは違うオリジナルストーリーとして、人造人間16号 (アーノルド・シュワルツェネッガー)と魔人ブウ (KONISHIKI)の異種格闘技戦は燃えましたねー。彼らが戦うことになるとは。決着はつかないまま続編へと続くという引きも秀逸で悟空とピッコロがいなくても成立してしまいそうな内容の濃さでした。
さすが、総制作費100億円のうち、宣伝費に90億円使っただけはありますね。


個人的に残念だった点は、悟空が大猿に変身した際に服がまったく破けずに最新鋭のVFXを駆使して表現していたところ。そこは原作どおりに服破かないと。着ぐるみから役者見えてるんだもん。そして、下心丸出しの悟空。あれじゃあ筋斗雲乗れない。それでも"雲のマシン"の異名を持つ筋斗雲を見事に変形メカのバイクにしたハリウッドの発想力には脱帽です。
でも、一番気になったのは亀仙人のスワヒリ語による挨拶。

しかしながら本作は、それまでの想像を遥かに超える衝撃的な作品だったのではないでしょうか。後世に語り継がれるであろう歴史的実写映画を観ることができた喜びに打ち震えていて、今でも思い出すだけで感動しています。
このサイトでのレビューでは異例の星7つです!!

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2009年3月31日 (火)

[最近のレビュー] 2009年1月-3月

2009年1月-3月までのレビューまとめです。
1月から結構な舞台を観に行きました。自分の舞台がない時期は稽古などでの拘束がないので大抵こうなりますが、まだまだスケジュール的には行けない舞台もありました。残念。

映画:4本
舞台:12本

観劇に反比例して映画鑑賞が減ってるんですが、それはあまり関係ないと思いたい。
もっと観たい映画は沢山あるんですが・・・。『ドラゴンボール』とか『ドラゴンボール』とか『ドラゴンボール』とか・・・。


【映画】

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 - 2009年2月8日 (日)

データ:2008年/アメリカ/167分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘 (2番シアター)
評価:★★★★☆

→ とてもキレイなブラピととてもキレイなデイビット・フィンチャーの演出が見れます。


『2LDK』 - 2009年2月9日 (月)

データ:2003年/日本/69分 [ザナドゥー]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

→ 開始15分間のテンションは異常なほど面白い。


『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』 - 2009年3月15日 (日)

データ:2009年/中国、香港、日本、韓国、台湾/144分 [東宝東和、エイベックス・エンタテインメント]
鑑賞方法:中野サンプラザ [試写会]
評価:★★★★☆

→ もともとひとつの作品を真っ二つにしたものなので、テンションは持続するが展開に関しては疑問点が多い。


『おくりびと』 - 2009年3月19日 (木)

データ:2008年/日本/130分 [配給]
受賞:第32回日本アカデミー賞 (作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞)、第81回アカデミー賞 (外国語映画賞)
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 良くも悪くも、荒がない作品。"死"がテーマなのに、"死"を考えなくても見ることができる。


【舞台】

『広くてすてきな宇宙じゃないか』 - 2009年01月13日(火)

演劇集団キャラメルボックス 第14回公演 ハーフタイムシアターVol.2
[1990年4月17日 - 4月30日] 公演時間:約45分
新宿シアターモリエール
チケット:--- (ビデオにて鑑賞)
評価:★★★★☆

→ テンション、テンポ、キャラメルボックスの基本が詰まった作品。なので、相当古い。


『ジャングル・ジャンクション』 - 2009年01月16日 (金)

演劇集団キャラメルボックス アナザーフェイスVol.2 ダブルヴィジョン (「ゆ組」=作・高橋いさを)
[1993年10月4日 - 10月17日] 公演時間:約90分
俳優座劇場
チケット:--- (ビデオにて鑑賞)
評価:★★★☆☆

→ 勢いと、何でもありの展開に時間を忘れる。


『タイトル未定 〜NO TITLE, NO LIFE』 - 2009年01月07日 (土)

東京P.R.O 15th Field Play
[1月15日(木) - 1月20日(火)] 公演時間:約105分
シアターグリーン BASE THEATER
チケット:2,500円
評価:★★★☆☆

→ ぶしつけに見えてちゃんと抑えられているストーリーライン。


『KiZuNa』 - 2009年1月18日 (日)

活劇集団東京幕府 スクラッチ 合同企画公演
[1月15日(木) - 1月18日(日)] 公演時間:約180分 (休憩15分)
武蔵野芸術劇場
チケット:¥3,000
評価:★★★★☆

→ 時代劇とエンターテインメントというバランスがとてもよく取れている作品。


『やまびこ67号、応答せよ!』 - 2009年1月31日 (土)

演劇集団キャラメルボックス 番外公演 キャラメルボックスと行くJR東日本シアターエクスプレス'96
記録時間:約220分 (VHS2本組)
JR新幹線車内
チケット:--- (ビデオにて鑑賞)
評価:★★★☆☆

→ その場じゃないと体験しきれない。記録映像。


『十二夜』 - 2009年2月16日 (月)

東京アナウンス学院 放送演技科 1EA進級公演
[2月16日(月)] 公演時間:約170分
東京アナウンス学院 アトリエクマノ1K1
チケット:---
評価:★★☆☆☆

→ 個々の差がはっきりとわかる内容の、ガチの戯曲。


『宇宙花火師 〜2059年、アストロノーツに憧れた少年の見た夢〜』 - 2009年2月19日 (木)

宇宙食堂 メニュー#04
[2月18日(水) - 2月22日(日)] 公演時間:約120分
東京芸術劇場 小ホール1
チケット:3,200円
評価:★★★★☆

→ パワーとテンションで引っ張っていく、典型的なエンターテイメント舞台。


『東京ドーム・ニクーリンサーカス』 - 2009年2月22日 (日)

東京ドームシティ JCB HALLイベント
[1月18日(日) - 3月7日(土)] 公演時間:約120分 (休憩15分)
JSB HALL
SS指定席 アリーナ席:8,000円
評価:★★★★☆

→ 久しぶりにサーカスというものをこういう視点から見た。


『ピューパルメモリ Pupal Memory』 - 2009年2月26日 (木)

DMF vol.6
[2月25日(水) - 3月1日(日)] 公演時間:約150分
東京芸術劇場 小ホール1
チケット:3,500円
評価:★★★★☆

→ 演出の統一性が見事。いい意味でお芝居らしくない。


『結・・・活ぅ?』 - 2009年3月8日 (日)

なゆたハムニダ 第4回公演
[3月5日(木) - 3月9日(月)] 公演時間:約100分
てあとるらぽう
チケット:2,500円
評価:★★★☆☆

→ 淡々としているが、飽きる要素がない。スルメみたい。


『SPY』 - 2009年3月12日 (木)

スプーキーズ presents #03
[3月12日(木) - 3月18日(日)] 公演時間:約130分
きゅりあん (品川区立総合区民会館) 1F小ホール
チケット:3,000円
評価:★★★☆☆

→ 説得力と緩急のお芝居。


『拍手は2度目のカーテンコールで』 - 2009年3月8日 (日)

8割世界 その10
[3月25日(水) - 3月29日(日)] 公演時間:約120分
中野 劇場MOMO
チケット:2,500円
評価:★★★☆☆

→ お約束のような丁寧なシチュエーションコメディ。


[まとめ]
今期もなんだかんだ言って合計16本見てました。もっとレンタルでDVDとか見たいんですけどねー。『猿 mashira 2009』の稽古が詰まってきてるんで時間が取れないんですよねー。

稽古終わって家に帰ると深夜1時だし、最近は気づくと時間がぶっ飛んでて早朝になってるとかザラです。ここで言ってもしょうがないですね。うん。稽古がんばってます。

良かったのは『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』を公開前に試写会で観れたことかなぁ。公開日には本番始まっちゃって観にいけないからなぁ。




【関連記事】

2009年3月26日 (木)

拍手は2度目のカーテンコールで

オモテ
ウラ
8割世界 その10
『拍手は2度目のカーテンコールで』

[Cast]
小林守、本多智、吉岡和浩、高宮尚貴、神原哲 (遊舞台)、佐倉一芯 (東京凡人座)、小松薫 (東京凡人座)、加藤藍子 (劇団朋友)、片山響子、橘未佐子 (ホワイト・キャンパス)、など


[Staff]
脚本・演出:鈴木雄太
舞台監督:松本翠
舞台美術:伊藤智史
照明:千田実 (CHIDA OFFICE)
音響:楠瀬ゆず子 (Sound Cube)
衣裳:熊野優
宣伝美術:佐々木純

[Time table] 青字=観にいった回
3月25日(水) 19:30
3月26日(木) 19:30
3月27日(金) 14:00/19:30
3月28日(土) 14:00/19:00
3月29日(日) 14:00
 [上映時間:約120分]

[Ticket]
前売:2500円
当日:2800円
(全席自由)

[Place]
中野 劇場MOMO
(→中野駅 南口徒歩10分)

[劇団 公式サイト]
■8割世界■
http://8wari.zashiki.com/index.html

[ストーリー]
とある小劇団"KASABUTA"が抱える、ある問題が次第に大きくなり劇団員を巻き込んでいく。


[インプレッション]
ひとつの小劇団が抱える問題や、劇団員の悩みを見せながら一つの場面で展開していくシチュエーションコメディ。
それぞれの関係性や勘違いからくる些細な間違いや台詞の妙を多用していて狙う笑いとはまた違った面白さをちゃんと見せてくれる。

登場人数が多い割に、関係性がきちんと見えていたので展開がとてもわかりやすかった。だが、ストーリーに関しては公演時間の割りにもっと展開があってもよかったようにも感じられ、各シーンに一貫した作品の軸がなく良くも悪くもひとつの話をどんどんこじらせていくタイプのシチュエーションコメディ。それゆえ脱線とも取れるような展開が続くこともあり核心の内容はほんの少しである。はっきり言って必要ない役すらいる (面白いのだが)。

そういう意味で観ればボリューム不足。しかし役者の個性はとても際立っておりそう見させないだけの魅力があり、飽きることはまったくない。見終わった後のなんとなく感じるボリューム不足と言ったところかなぁ。
役者の個性をよく把握している脚本とそう見せる実力をもった役者の、とてもバランスのいい劇団だと思う。

観終わった後、語るべきものは多くないのだが、それだけ覗き見る感覚で客が舞台に参加でき、笑えるのだと思う。


評価:★★★☆☆

【関連記事】

2009年3月19日 (木)

おくりびと

ポスター
邦題:おくりびと
監督: 滝田洋二郎
脚本:小山薫堂
音楽:久石譲
撮影:浜田毅
照明:高屋斎
録音:尾崎聡
美術:小川富美夫
編集:川島章正
出演:本木雅弘、広末涼子、山崎努、峰岸徹、余貴美子、吉行和子、笹野高史、他
データ:2008年/日本/130分 [配給]
受賞:第32回日本アカデミー賞 (作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞)、第81回アカデミー賞 (外国語映画賞)
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。面接に向かうと社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが、業務内容は遺体を棺に収める仕事。当初は戸惑っていた大悟だったが、さまざまな境遇の別れと向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
アカデミー賞の外国語映画賞を見事受賞した作品で、注目度もかなり高かった本作ですが、アカデミー賞以前から前評判の高さには気になってました。
"死"というテーマを決して重くせず、時にはポップに描き、さらにはそこに関係する人たちの描写をうまく見せている映画。

こうしたテーマではつきものの宗教観については、あまり深く掘り下げられてないのがよかったと思う。もっと根本的な死というものを、身近な存在で描くことに意味があるので、そういった描写がとてもキレイに表現されているのが印象的だった。

役者陣も実力派ばかりで、作品の一貫性を保っているキャラクターや芝居にはじっくりと見入っていた。
ただ、夫想いの妻役に広末というキャスティングはもっと想像を超える人がいたと思う。いや、非常にうまいのだが。

良くも悪くも全体的にうまーく伏線が張られていて、脚本的にはお手本のような作りなのだが、感情が十分に伝わってくる作品になっている。しかし、決して号泣するような映画ではなく、最期まで安定したテンポで展開されているので荘厳な音楽もあいまってとても芸術的なタッチに仕上がっている。
賞レース向きというか、とてもキレイな映画です。

2009年3月15日 (日)

レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-

ポスター
邦題:レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-
原題:RED CLIFF II/赤壁 決戰天下
監督:ジョン・ウー
製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人、ウー・ケボ、千葉龍平、チン・ウェン・ハン、キム・ウデク、ユ・ジョンフン、ジョン・ウー
製作:テレンス・チャン、ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、ジン・ハーユ
撮影:リュイ・ユエ、チェン・リー
音楽:岩代太郎
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン、ユウ・ヨン、ホウ・ヨン、トン・ダーウェイ、ソン・ジア、バーサンジャプ、ザン・ジンシェン、チャン・サン、他
データ:2009年/中国、香港、日本、韓国、台湾/144分 [東宝東和、エイベックス・エンタテインメント]
鑑賞方法:中野サンプラザ [試写会]
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 西暦208年、魏呉蜀が争う中国・三国時代。孔明(金城武)の奇策で曹操軍を撤退させた孫権・劉備連合軍だったが、食料不足と疫病のために戦意も尽きようとしていた。そこに曹操軍の2000隻の戦艦と80万の兵士が逆襲。司令官の周瑜(トニー・レオン)と孔明が作戦を仕掛けようとする中、周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)がある行動に出る。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
公開よりも一足早く、試写会で観てきました。まず気がついたのはタイトル。邦題の『レッドクリフ Part II』から『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』へと副題がつきました。まぁ、『三国志』的には最終の決戦ではなく、まだまだこれからなんですが。

豪華スタッフ陣によって、『三国志』の中でも最も熱い戦いといわれた"赤壁の戦い"を見事に再現している。昔の戦争でも、弓矢や肉弾戦、そして火責めの描写尾などが迫力満点のVFXで表現される様は圧巻の一言。
それに加え、昔の戦闘において最も重要な兵士の数という圧倒的な映像を、どんな些細なシーンでも体感することができる。

はっきり言ってこの戦闘シーンだけでも映画館で見る価値ありと言い切れる。それだけでもかなりのスケール感を得られるが、ストーリーの見所も一応押さえておきたい。
重要な人物ほぼ全員にスポットを当てていた前作に比べて、今作では周瑜にやや比重がおかれているので話の筋は前作よりもわかりやすいと思う。
しかしながら、やや冗長気味なシーンも見られ、わかりやすい伏線はいいからさっさと戦ってくれよと思う場面もちらほら。
さらに、それはどうなの? と思うようなありえない振る舞いや、戦闘中のメインキャラの反則的な強さや生存率はこの映画ではあえてスルーで。きっと突っ込んではいけない。
これはエンターテインメントなんだから。

そう、この作品はただの歴史超大作ではなく、エンターテインメント色が非常に強く感じられる。前作 (といっても元々5時間超の1つの作品だが・・・)もそうだったように、音楽と演出の描写がいちいち美しい。これでもかというくらいに、伏線や細かい心理描写を丁寧に魅せてくれる。

曹操を、悪として描いているのでストーリーとしてのわかりやすさはあるが、深みがなくなってしまった気がする。善悪ではない情熱や双方の駆け引きがあればもっと強大な曹操を表現できたと思う。
もともとこの作品が"どうやって曹操軍を倒すか"という内容なので、ある程度はしょうがないのだろうが・・・、まぁ、伏線も思惑通り決まってしまう都合のよさよりは、どちらかというと前作のハラハラ感のある駆け引きのほうが個人的には好みだった。

ただ、完成度は折り紙つきで、圧倒的な迫力の映像は是非映画館で観るのがおすすめです。損はしないはず。


【※】 以下、ネタバレ注意!! (未鑑賞の方は閉じてください)

続きを読む "レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-" »

2009年3月12日 (木)

SPY

オモテ
ウラ
スプーキーズ presents #03
『SPY』


[Cast]
飯山弘章 (今井事務所)、前川正行 (タクト)、大野泰広 (マセキ芸能社)、中村俊洋 (マウスプロモーション)、本山裕記、木村庄司 (OFFICE BLUE)、竹田大将 (劇団ジュークスペース)、井吹哲也 (ダブルアップエンタテインメント)、岩井太郎 (Big Bridge)、森雄次、新井みずか、森川渚水 (蝴蝶)、菅野直美、渡部美穂、カトゥ、鞘馬刃坏、増田大樹 (ぴかりこ注意報)、若林宏治、上杉隼人、田仲孝史 (MK−Box)、西野マコト (人間核爆弾)、吉岡裕教、塙育大、木村正和、小栗山晃市、小坂逸 (OFFICE BLUE)

[Staff]
舞台監督:田中新一
照明:青山崇文
音響:TAISHI
Web宣伝:坂本カヲル
方言指導:長野孝之、雪絵れな
殺陣指導:田仲孝史
制作:美月舞鈴、OFFICE BLUE


[Time table] 青字=観にいった回
3月12日(木) 19:00
3月13日(金) 19:00
3月14日(土) 14:00/19:00
3月15日(日) 13:00/17:30
 [上映時間:約130分]

[Ticket]
前売:3,000円
当日:3,500円
(全席指定)

[Place]
きゅりあん (品川区立総合区民会館) 1F小ホール
(→大井町駅 東口 徒歩3分)

[劇団 公式サイト]
スプーキーズ OFFICIAL SITE
http://spookys.iinaa.net/

[ストーリー]

幼い頃から犯罪に手を染め生きてきた男。
坂本龍馬に憧れ、彼の為ならと新撰組にSPY(スパイ)として潜入する。
彼の任務は京都で活動する新撰組の情報を倒幕側に流すこと。

一方、倒幕側に人斬りとして要人警護に当たっていた1人の男がいた。
彼は新撰組が送り込んだSPY。

SPYの情報はどこまで信用できるのか・・・

そして、元治元年6月5日、
京都三条の旅籠、池田屋で・・・

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
さまざまな作品で題材として扱われてきた新撰組、池田屋事件を背景とした討幕派の志士とのやり取りを描く今回の舞台。前述したとおりさまざまな作品でイメージがついている史実のキャラクターをうまく書きわけ、ひとつの世界に共存させているのがとても見やすかった。

"SPY"というタイトル通りに、志士と新撰組との間にスパイがいて、それぞれが荒れ狂う時代の中でスパイとしての自分の存在を考えていくというストーリー。しかし、その根幹のテーマはそれほどスパイにこだわったものではなく、ほとんどは新撰組や維新志士達の葛藤を見せるという内容。

それぞれの生き様がそれぞれの立場から展開されていくので、時代劇によくありがちな、どちらかが"わかりやすい悪者"になることなく、双方に志があることを終始一貫して見せていた。
それによってどちらのキャラクターも非常に活きてきて、テンションが下がることなく見続けることができた。個性という点ではみんなかなり強烈だったが、ギャグパートも寒くは無かったのでそれなりにいいスパイスになっていたと思う。

このような登場人物や場面転換が多い芝居で肝心なのは、何をやっているかを的確にお客に見せることだが、純粋にどちらの派閥のキャラクターにも感情移入できる作りが、この作品を奥深くさせているんだと思う。


評価:★★★★☆


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2009年3月 8日 (日)

結・・・活ぅ?

オモテ
なゆたハムニダ 第4回公演
『結・・・活ぅ?』

[Cast]
柳 誠二、真山カコ、中村美穂、久我まみ (劇団リベラトリックス)、茂木かずい (B-Box)、宮永佳代子、佐藤貴道、高田那由太

[Staff]
作・演出:高田那由太
舞台監督:林 大介
照明:箱山祐樹
制作担当:山下愛未
製作総指揮:堀 哲弥
広報:森本勝文
フライヤー製作:阿部祥子
方言監修:高橋真衣、末永弘和


[Time table] 青字=観にいった回
3月05日(木) 19:00
3月06日(金) 19:00
3月07日(土) 14:00/19:00
3月08日(日) 14:00/19:00
3月09日(月) 14:00
 [上映時間:約100分]

[Ticket]
前売:2,500円
当日:2,500円
(全席自由)

[Place]
てあとるらぽう
(→西武池袋線 東長崎駅 北口徒歩3分)

[劇団 公式サイト]
なゆたハムニダ!
http://nayutahamunida.web.fc2.com/

[ストーリー]
山形生まれの義徳は叔母ににいつもお見合い相手を紹介されてウンザリしていた。
博多生まれの遥は親父から急にお見合いしろ!と言われ困惑していた。
お見合いなんて古臭いし堅苦しいし
モテないやつらが必死になって出会いを探すイベントだと思ったけど
この二人の「出会い」は、アリだと思うんです。
「お見合い」と「方言」をテーマにした変わったコメディをお届け!

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
登場人物のほとんどが方言を使っている芝居。しかし、それをみせるの物語ではなく、基本はお見合いの場をみせたシチュエーションコメディ。
話の展開に多少無理があるので、シチュエーションコメディに必要不可欠なシチュエーションへの感情移入がついていきづらくなるのが残念。
が、やっていることは普通にわかりやすいので、見ていて飽きない。

それぞれのキャラクターが個性的だったのも、わかりやすかった要因だろう。
方言というのも大きいが、やっぱり方言はキャラクターをつけるという意味でも魅力的に見えてしまうのはボクが標準語しかしゃべれないからだろうか。

ストーリーでは特によくわからない点を掘り下げたり、脱線は許せるものの、それが何かにつながっているのかといわれるとただ登場人物のストーリー消化だったりして、もっとシェイプしてコメディ部分を強化すると満足度が高かったと思う。

それでも、きちんと終わらせてくれるので、見終わった後の気持ちは悪くなく、まとまりこそないものの、何となくいいものを見た気分になれる点はうまいと思う。
役者も丁寧でわかりやすくみせようとする芝居はとても好感が持てた。


評価:★★★☆☆

2009年2月26日 (木)

ピューパルメモリ Pupal Memory

オモテ
DMF vol.6
『ピューパルメモリ Pupal Memory』


[Cast]
佐藤修幸、中村麗香、今日平、大橋麻美、福地慎太郎、中野裕理、宮川マキオ、狩谷孔聖、望月祐治、
程嶋しづマ、NAO-G (G-S.A.C.)、山本卓 (エレキ隊/AFRO13)、水野愛日 (カレイドスコープ)、拾己 (G-S.A.C.)、笠原あきら

Blue Cast:高城元気 (アイムエンタープライズ)、小池 創 (FLIPLIP)、岸本尚子 (Eja9)、白雪みるく

Red Cast:松崎史也 (AFRO13)、小澤 源、松木わかは、美弥乃静 (AX entertainment)

森下理沙、田中裕士 (龍聖群)、塩原奈緒、植田ぴょん吉 (7contents)、荻上トモ、新間篤 (劇団てんてこまい)、角谷裕作、臼井英、片桐俊次

Shadowfly:橋本浩人 (ATT)、竹渕真実子、宮城 剛、鬼頭真理菜、金村香織、田代惇人 (ATT)、亀田さちこ


[Staff]
作・演出:宮城陽亮
舞台監督:西廣奏、小林英雄
舞台美術:泉真
照明:柳田充 (LEPUS) 
照明オペレート:長尾裕介 (LEPUS)
音響:佐藤春平、高橋秀雄
音楽:滝澤俊輔
エンディング曲:フロムナウ (松井陽明・二木元太郎)
コレオグラファー:kyowhey
ダンス構成演出:福地慎太郎
アクションコーディネイター:NAO-G (G-S.A.C.)
衣装:Lin
衣装アシスタント:沙音
ヘアメイク:kyowhey
小道具:mocchi、田中裕士
写真撮影:佐藤拓央
映像撮影:春山聡 (疾駆猿)
制作:増谷麻由、松本朱音
フライヤー制作:Viewlogic
Web制作:笠原あきら

[Time table] 青字=観にいった回
2月25日(水) 19:00[Blue]
2月26日(木) 19:00[Red]
2月27日(金) 14:00[Blue]/19:00[Red]
2月28日(土) 14:00[Red]/19:00[Blue]
3月01日(日) 13:00[Blue]/17:00[Red]
※BlueとRedで一部ダブルキャスト
 [上映時間:約150分]

[Ticket]
前売:3,500円
当日:4,000円
(全席自由)

[Place]
東京芸術劇場 小ホール1
(→池袋駅 徒歩5分)

[劇団 公式サイト]
DMF公式サイト
http://www.dmf-web.com/

[ストーリー]
このキオクは記録じゃない

AD2052
記憶を映像化し半永久的に記録できる装置「ピューパリーム」が開発された。製造販売する唯一の企業「LPインダストリー」
ピューパリームの一般化に反対する者達はレジスタンス「ツチグモ」を結成。地に隠れ、カンパニーの責任者である「プレジデント・セセリ」暗殺の機会を狙う。

刑事の鳳(アゲハ)は引き抜かれ、セセリ直属の諜報部隊「ファレン」の一員となった。
アゲハは記憶の一部を喪失していた、彼の記憶に残る「妃乃(ヒメノ)」という名の少女。彼女はアゲハの恋人だった…
アゲハはヒメノを見つけ出すため、ファレンの情報網を利用し単独の調査をはじめる。
やがて彼は自分と同じ記憶を持つ人間「細羽蒼真(ホソバソウマ)」の存在を知る…

(チラシ・公式サイトから引用)


[インプレッション]
3部構想のエピソードの2番目の話ということで、かなーり複雑な設定と用語がばんばん飛び出します。ちょっと置いてけぼりにされそうな感じでしたが、まぁなんとなく何が起こっているのかはわかるので、テンポを犠牲にされるよりは全然よかったと思う。

ストーリーは近未来の技術が発達した世界観で展開されるので、なんとなーく技術的な専門用語のリテラシーが求められるが、その場で起こっている展開はなんとなーくわかる感じ。
このバランスが結構絶妙で、ボクにはちょうどよかったが、早々についていけなくなってしまう人がいるやも知れないのが難点。それでも動きのある芝居なので大丈夫だと思う。

とにかく演出が豪華。照明や音響をうまく使った場面転換がとてもかっこよく、見入ってしまいます。
そして、いつもどおりのアクションは健在で、見やすく迫力のある殺陣がいっぱいです。ただ、銃のようなもので何回も何回も打たれているのに普通にしゃべれる位のダメージにちょいと違和感。同じようなものでも、1発でやられてしまうキャラもいただけに少し混乱してしまった。


なにより、出演者の個性がとても前面に出ていて、アンサンブルのような役でもとにかく強烈。役者の技術が高いのもあいまってうまくパワーがある舞台に仕上がってます。一役者として観ていて、勢いをもらえる舞台です。


そして、"記憶"を記録するという設定がSF好きにはとても面白かったので、観ていてとても楽しかったです。
最終的には最終3部へ続くような流れですが、この話だけでも一応の解決は見れるので、単体でも十分楽しめます。そこらへんはご心配なく。


評価:★★★★☆

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2009年2月23日 (月)

第81回アカデミー賞受賞作品まとめ

第81回アカデミー賞受賞作品が発表されました。

2年前までアカデミー賞予想なんて記事を書いてたんですが、去年は引越しやらと重なって忙しく、やっていませんでした。
記事がむやみに長ったらしくなってしまい読みにくいと大変ありがたい感想を頂いているこの企画ですが、今回見事に復活することに。

今年のアカデミー賞の主な見所は

  • ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が最多13部門ノミネート (歴代1位は14部門ノミネートの『タイタニック』など)
  • 低予算映画『スラムドッグ$ミリオネア』の10部門ノミネート
  • 1年前に28歳で急逝したヒース・レジャーのノミネート
  • 日本映画『おくりびと』が外国語映画賞ノミネート
  • 日本人監督『つみきのいえ』が短編アニメ賞ノミネート
  • ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリーの主演俳優部門へのWノミネート


今回はすべての賞のノミネート作品と各受賞作品をまとめてみました。
結果は以下にて。

続きを読む "第81回アカデミー賞受賞作品まとめ" »

2009年2月22日 (日)

東京ドーム・ニクーリンサーカス

ポスター
東京ドームシティ JCB HALLイベント
『東京ドーム・ニクーリンサーカス』

[Time table] 青字=観にいった回
2009年1月18日(日)〜3月7日(土)

2月21日(日) 14:00
 [公演時間:約120分 (休憩15分)]


[Ticket]
SS指定席 アリーナ席:8,000円
(全席指定)

[Place]
JSB HALL
(→JR水道橋駅 徒歩5分)

[公式サイト]
JCB HALLイベント情報| 東京ドームニクーリンサーカス
http://www.meetsport.jp/hall/event_090118.htm

[概要]
1880年に創立され、ロシアで最も古い歴史を持つ、モスクワ・ニクーリン・サーカス。ロシア国内では“オールド・サーカス”の愛称で今なお親しまれており、大規模な公演を行い続けているこのサーカス団は、サーカス・アクトの原点とされ、数多くの演目を育て上げた。「19世紀ロシアが生んだ究極の演技」ともいわれるこの歴史あるサーカス団をこの度、日本に招待。彼らの本拠地、本劇場であるロシアで最も著名なクラウン、役者であったユーリー・ニクーリンの名前を冠したモスクワ・ニクーリン・サーカス劇場での公演と変わらないクオリティの高いサーカスを見せてくれる!
演目は、ハラハラドキドキする空中ブランコや、空中アクロバット。息のそろった迫力ある動きを見せてくれる、シベリアンアクロバット。華麗なボール捌きやジャグリングで目を見張らせてくれるジャグラーなど、いずれも息つくひまなく私たちを楽しませてくれることだろう!ニクーリン・サーカスの、長い歴史と伝統に裏打ちされた最高の感動をもらえる最高のエンターティメントが、東京ドームシティJCB HALLを熱狂の渦で包む!!

(公式サイトから引用)

[インプレッション]

チケット

JCB HALLにて『東京ドーム・ニクーリンサーカス』を観て来ました。

サーカスは子供のころ割と良く行っていたと記憶してたんですが、ものすごい久しぶりに観た王道のサーカスは、子供のようにすごく興奮させてくれました。

犬や熊の動物のショーや、身体を使ったアクロバットショー、ジャグリング、合間合間に挿入されるピエロの遊戯。そしてサーカス定番の空中ブランコと内容自体は奇抜ではないものの、すごく満足させてもらいました。

特にショーの合間にあるピエロのデモンストレーションは、エンターテインメントの真髄を、初心に帰って楽しめました。お客の気持ちを絶妙な押し、引きで見事に魅了している様は、どの表現にも共通するものなんだよなぁ。


年を重ねてから見る作品や体験は、自分の積み重ねてきた人生に強く影響されてその印象が変わっていくのだと思う。この感覚はなにも積みあがってない、まっさらな子供にはわからないんだろうなぁ。

今この年齢になって、改めてわかる感情というものが最近特に多く感じられるようになった。


評価:★★★★☆

2009年2月19日 (木)

宇宙花火師 〜2059年、アストロノーツに憧れた少年の見た夢〜

オモテ
ウラ
宇宙食堂 メニュー#04
『宇宙花火師 〜2059年、アストロノーツに憧れた少年の見た夢〜』

[Cast]
伊丹孝利、ささきくみこ、結束友哉、西田妙子、ランディ井上、天野有希子、さくらまき、久野一洋 (劇がく杜の会)、三崎千香 (オスカープロモーション)、児玉信夫、大沼優記、豊島武人、福田雄介、佐藤圭右、高橋奈津江、川野牧 (藤プロダクション)、雪村メイ (アルファライズプロダクション)、川守田政人 (東京ギヤマン堂)、難波和宏、西丸ゆうこ (L-SEED)、橋本沙織、芝田真代、石井麻衣子、飯田佑子 (DEEM FACTORY)、籠瀬千恵子 (アーツビジョン)、籾山幸子、宮健一 (カリフォルニアバカンス)、神岡磨奈 (サニーサイド)、渡辺芳博 (虚構の劇団)

[Staff]
作・演出・映像:新井総
美術:川野茂
音楽:関将
舞台監督:阿部けん
照明:田中稔彦
音効:三木大樹
映像スタッフ:滝沢浩司
振付:K.TABATA
殺陣指導:藤田けん
演出助手:池崎リョウ
衣裳:藤原こずえ、木村貞子
ヘアメイク:福岡亜樹
宣伝美術:久保賢一
ウェブ映像:K.INOJO
料理:橋本ユウスケ
制作:安部忍

[Time table] 青字=観にいった回
2月18日(水) 19:00
2月19日(木) 19:00
2月20日(金) 14:00/19:00
2月21日(土) 14:00/19:00
2月22日(日) 14:00
 [上映時間:約120分]

[Ticket]
前売:¥3,200
当日:¥3,500
(全席指定)

[Place]
東京芸術劇場 小ホール1
(→池袋駅 徒歩5分)

[劇団 公式サイト]
演劇ユニット☆宇宙食堂 official website
http://www.uchu-shokudo.com/index.html

[ストーリー]
2059年、東京浅草。
花火師の家に生まれた永倉リョウコは、なぜか花火が大嫌いだった。
父親も兄も花火の夢を語るのだが、リョウコには理解が出来なかった。
ある日、兄のゲンが「宇宙から花火が見たい」と言い出し、
宇宙飛行士を目指すことに。
このことがリョウコの人生を大きく変えることになる。
下町を舞台に展開する、ミュージカル風宇宙物語。

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
近未来、SF、歌あり、ダンスあり、ミュージカルありのパワーあふれる内容。最初から爽快なテンポで終始フルスロットルのにぎやかな芝居はまるでごっちゃ混ぜ遊園地。

たいていこういう芝居は何をやっているのかわからずに客が置いてけぼりにされてしまうことがあるのだが、今作は役者のクオリティが高いのでしっかりとこちらに伝わってくるのがとても好印象。
こういう勢いは、出演者みんなのベクトルがまったくブレずに同じ方向を向いているからこそできる芸当だなぁと思った。

途中少し台詞の多さからかダレる部分があったが、終盤への持って行き方は非常によく2時間に納めているので飽きずにテンポ良く観ることができる。
演出も豪華で絶えず動きのある舞台だけに緩急の使い方がうまいなぁと思いながら見ていました。

しかも、ストーリー構成がお客様をつかんで話さない主人公の強烈なキャラクターをとても良く活かした見せ方で、こういう言い方をしてしまうと失礼なのだが・・・、荒がないというか本当に役者の質が高い。
ここで言う"質が高い"というのは役者のレベルではなく、純粋に出演者全体の舞台に対する姿勢。こういった普通のことが難しいわけで、それがきちんと伝わってくるだけで非常に楽しめる。

ストーリーは正直最後にもう一ひねりほしかった所だが、最初から最後までテンションが下がらず十分に満足できる舞台だった。
こういう芝居に参加できたら楽しいだろうなぁ。

評価:★★★★☆

2009年2月16日 (月)

十二夜

オモテ
東京アナウンス学院 放送演技科 1EA進級公演
『十二夜』

[Cast]
東京アナウンス学院 放送演技科 1EAクラス生徒

[Staff]
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田嶋雄志
演出:富田稔英

[Time table] 青字=観にいった回
2月16日(月) 13:00 [青い目 組]/17:00 [赤い唇 組]
 [上映時間:約170分]

[Ticket]
前売り・当日:---

[Place]
東京アナウンス学院 アトリエクマノ1K1
(→ 新宿駅西口から徒歩15分)

[劇団 公式サイト]
俳優をめざす専門学校|放送演技科 専門学校東京アナウンス学院
http://www.tohogakuen.ac.jp/announce/act/

[ストーリー]
 イリリアの公爵オーシーノは伯爵家の娘オリヴィアに求愛していたがなかなか良い返事をもらえずにいた。船旅の途中、嵐に遭遇した双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラは離ればなれになるが、イリリアの浜に流れついたヴァイォラは男装をし、若者シザーリオとしてオーシーノ公爵に仕えることになる。オーシーノの使いとして訪れたシザーリオにオリヴィアは惚れてしまうが、オーシーノにほのかな気持ちを抱いているヴァイオラは心中複雑である。
 シザーリオに恋してしまったオリヴィアだが、公爵のオーシーノばかりではなく伯爵家の執事マルヴオーリオと、オリヴィアの叔父の仲間サー・アンドルーもオリヴィアに恋していた。何かと口やかましく自惚れ屋のマルヴォーリオは皆から嫌われており、目障りに思っていた叔父のサー・トービーは侍女のマライアの書いた偽の手紙でマルヴオーリオをからかうことにする.
 マライアが書いた手紙をオリヴィアのものと信じたマルヴオーリオは、書かれたとおりに黄色い靴下と十文字の靴下どめをし不気味な笑いで現われるが、地下室に閉じ込められてしまう。一方、オリゲィアが好意を示すシザーリオを気に入らないサー・アンドルーは決闘を申し込む。ふたりは剣を抜くが、どちらもへっぴり腰で様にならない。そこへヴァイオラの兄セバスチヤンを助けた船長のアントーニオが仲裁に入る。アントーニオは男装したシザーリオをセバスチヤンと勘違いする・・・。
 一方、シザーリオを男性と思い恋するオリヴィアは、この地にあらわれたセバスチヤンをシザーリオと勘違いし求愛する。オリヴィアの美貌に魅了されたセバスチャンはその求愛を受諾してしまう。取り違えによって起きた騒動が、セバスチャンとヴァイオラの再会によって、パズルを解くように解決していく。
(『十二夜』あらすじから抜粋)

[インプレッション]
後輩が出演しているということで、東京アナウンス学院の進級公演なるものを観てきました。シェイクスピアの戯曲『十二夜』を、ほぼノーカットで演っていました。通常の劇団公演でも2時間に納める戯曲をガチで、休憩はさんで約3時間というエネルギーはすごい。

正直、数々の場面でお客さん置いてけぼりだけど、もうコレをやろうってだけですごいと思う。進級公演だしね。
ただ、これをお金とって演っていたら駄目だと思うんですよ。
とりあえず、クラスのほとんどに役がついていて、戯曲なので台詞もたくさんなので、出演者側は"やった感"で満たされるはず。

実際、役者のバランスがかなり偏っていたので、観るほうはちょっと、積極的に観る体制じゃないとついていけない。3時間はちとつらいのが本音。
でも、中には演技がしっかりとした人もいたので、グダッグダにはならなかったかなぁ・・・というか、クラスの生徒をできるだけ多く使っての舞台の中では、ちゃあんと普通にやっているだけで違いがわかる。

これ以上のクオリティを求める場合は、出演者全員が「見られる芝居」ではなく「見せる芝居」をもっと意識しないと駄目なんだろうね。


評価:★★☆☆☆


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2009年2月 9日 (月)

2LDK

ポスター
邦題:2LDK
監督:堤幸彦
製作:真鍋和己、中沢 晋、石田雄治
脚本:堤幸彦、三浦有為子
音楽:見岳章
撮影:唐沢悟
出演者:野波麻帆、小池栄子
データ:2003年/日本/69分 [ザナドゥー]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

[ストーリー]
 同じタレント事務所に所属する自称映画女優のラナと、その後輩でデビューしたてのB級グラビアアイドル希美。彼女たちは、事務所が用意した2LDKのマンションで部屋をシェアし共同生活をしているが、内心では互いに相手の存在を疎ましく思っていた。ある時2人は同じオーディションを受けるが、その結果発表を翌日に控えた夜、ほんの些細なことからお互いのフラストレーションがついに爆発する。これまで溜まりに溜まってきた嫉妬とライバル心、不満や鬱憤が堰を切り、激しい口論が続く。いつしか互いの手には危険な武器が握られ…。
(allcinema ONLINE)


[インプレッション]
冒頭からの引き込みがすばらしく、ぐいぐい話しに引き込まれていきます。面白い。
淡々としているんですがお互いの心理や身近な話題に興味を惹かれるので本当に面白い。冒頭は。
ちょっとした態度や、台詞の駆け引きが非常に面白いので、まったく飽きずに観ることができます。

しかし、攻防がだんだんとエスカレートしていく過程でイキナリ突き抜けたような展開になってしまうのはどうしても違和感が。
これはそれまでの描写が非常によかったからこそ感じてしまうものであり、脚本の内容的にはコチラのほうが主体なんでしょうが、どうも肉弾戦あたりからはもう、非現実過ぎてどうでもよくなってきてしまった。

前半がハンパないくらい緻密でリアルな描写を多様していたので、中盤からの展開に置いてかれてしまったんだろう。
もう一度いうが、前半の展開は本当に面白かった。
惜しくらむは前半テンションをずっと維持しながらの時間がもっと観れれば。互いに殺し合うくらいエスカレートしていくのは最後の10分くらいで十分だと思う。

2009年2月 8日 (日)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

ポスター
邦題:ベンジャミン・バトン 数奇な人生
原題:THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作:キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、セアン・チャフィン
脚本:エリック・ロス
撮影:クラウディオ・ミランダ
VFX:デジタル・ドメイン
プロダクションデザイン:ドナルド・グレアム・バート
編集:カーク・バクスター、アンガス・ウォール
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・フレミング、イライアス・コティーズ、ジュリア・オーモンド、エル・ファニング、タラジ・P・ヘンソン、フォーン・A・チェンバーズ、ジョーアンナ・セイラー、マハーシャラルハズバズ・アリ、ジャレッド・ハリス、デヴィッド・ジェンセン、テッド・マンソン、トム・エヴェレット
データ:2008年/アメリカ/167分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘 (2番シアター)
評価:★★★★☆


[ストーリー]
 80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。
(シネマトゥデイ)


[インプレッション]
デヴィット・フィンチャー監督とブラッド・ピットと言えば『セブン』、『ファイト・クラブ』の名コンビ。特に『ファイト・クラブ』は個人的にも大好きな映画なので、かなり期待して観にいきました。

ストーリーは80歳の体で生まれてからどんどん若返っていくと言うベンジャミン・バトンの人生を追った内容。主人公が"若返る人生"というありえない設定を除けば、ほかは時代や人物設定、周りのキャラクターなど、すべてがリアルな描写でうならせてくれます。もちろん若返っていくブラピの特殊効果も一見の価値ありです。

ただ、展開の手法や演出の見せ方は、はっきりいうとかなり『フォレストガンプ』のソレに近いもので、淡々と人生が語られていくテンポは見る人を結構選んでしまうと思います。
『フォレストガンプ』のようなありえないユニークな展開という見せ方ではないので、ある程度"人生"というものを達観した人々、もしくはその自分なりの観点を見出している人に向けて作られている映画と言う印象。だからせいぜい10年くらいしか生きていない小学生などにはなんのこっちゃどころの騒ぎではなく、ただのドキュメンタリーにもなりません。

しかし、自分なりの人生を見出したいたり、あるいはその生き方と言うのがある程度見えてきた世代にはガツンとくるメッセージが随所にちりばめられています。
感動するところも本当に人それぞれだろうし、ストーリーの好みもはっきりと分かれると思います。

ブラッド・ピットの年齢ばかり取り上げられて宣伝されていますが、驚いたのがその周りのキャストがちゃんと歳をかさね老いていくということ。一人の人生を映していくので当たり前なんですが、さまざまなキャラクターの人生模様も一気に体験できるので、いろんなところに感情移入してしまう。

主人公のベンジャミンは老人介護の家で育つという、ある意味人生の終着点からの出発でしたが、ベンジャミンの成長と言うよりも、その時々に起こる人生の別れにこそ焦点が当てられているように感じた。それは決して感動的ではなく、映画的な演出で悲しくなったりもせず、ただ年老いていなくなっていくのだ。

この映画を見ての感想は見る年代によってさまざまだろうが、僕が一番印象に残っているのが世界を旅しているときのベンジャミンの台詞、そして自分の初めての家族に抱く感情だ。
ネタバレになるので詳しくは書けないのだが、ただ、しんしんと目に涙が溜まっていく映画でした。



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2009年1月31日 (土)

やまびこ67号、応答せよ!

びゅうポスター
演劇集団キャラメルボックス 番外公演 キャラメルボックスと行くJR東日本シアターエクスプレス'96
『やまびこ67号、応答せよ!』


[Cast]
西川浩幸、福本伸一 (ラッパ屋)、近江谷太朗、坂口理恵、遠藤みき子、岡田達也、岡田さつき、津田匠子、今井義博、真柴あずき、細見大輔、石川寛美、明樹由佳、中村恵子、関根麻美、前田綾、菅野良一、粟根まこと (劇団新感線)、篠田剛、南塚康弘、大内厚雄、田尻茂一(アクションクラブ)


[Staff]
構成・演出:高橋いさを (劇団ショーマ)、成井豊


[Time table]
1996年
6月08日 - 09日
6月15日 - 16日
6月22日 - 23日

※ ビデオ (VHS)にて鑑賞
 [記録時間:約240分 (2本組)]


[Place]
JR新幹線車内

[劇団 公式サイト]
演劇集団キャラメルボックス 公式サイト
http://www.caramelbox.com/


[ストーリー]
世界初「新幹線車内公演」に挑戦。構成・演出は高橋いさを氏。高橋氏が目的地の盛岡まで取材に行ったり、客演の粟根まことさん(劇団☆新感線)が走る新幹線の中でこっそりレシーバーの実験をしたりと、気の遠くなるような下準備が行われた。

演歌歌手・西川浩二郎と行く「みちのく探検ツアー」の乗客を乗せた、上野発「やまびこ67号」が乗っ取られた!そして殺人事件が発生! 乗客600人を巻き込みながら芝居は展開する…。

(チラシ・公式サイトから引用)


 1994年5月、ショッキングな見出しが夕刊1面トップを飾った。それが、この世界初・新幹線車内演劇”シアターエクスプレス”の第一報だった。結局この第1回のツアーは1200席が完売、チケットが取れなかった人たちは、シアターエクスプレスを取り上げた数々のワイドショーでしか、その世紀の企画をうかがい知ることはできなかった。

 そして、今年・1996年。その記念すべき第1回を成功させた、通常の公演の前売り券でさえ入手困難という、超人気劇団・演劇集団キャラメルボックスの再登場が決定した。

 時速245kmで疾走する、長さ300mの新幹線の中で繰り広げられる、手に汗にぎる体感アクション演劇『やまびこ67号応答せよ!!』。そして、宮沢賢治の謎を追う、「岩手ミステリーツアー」。旅の緊張感を和らげる、温泉泊。翌日には盛岡市内で「謎解きエンディング・サスペンスシアター」。ひと味もふた味も違う、息付く暇もない1泊2日の東北大陸への旅に、あなたも「乗客役」として参加してみませんか?

(JR東日本パンフレット抜粋)


[インプレッション]
前代未聞の東北新幹線走行中の車内でのお芝居。実際にツアーに参加した乗客を"お客さん"役として巻き込んでしまうというもの。内容は走行中の新幹線で起こったハイジャックと謎の殺人事件というミステリーツアー的な作品。

ビデオでの鑑賞だったのですが、かなり臨場感があって全車両ごとに飽きさせないように添乗員を配置して何が起こっているのかを伝えさせる発想は非常に斬新で面白い。

ただ、さすがにその場にいるといないのでは全然体感する面白さが違うと思う。この作品はツアー形式ということもあり、2泊3日での作品なのでややテンポ感や緊張感は欠けてしまうが、この試みこそが最大の魅力なのではなかろうか。キャラクターの力技で展開する局面が多かったのも少し残念。

真面目なミステリー作品というよりは多少お祭り的な作品だということをお忘れなく・・・。


評価:★★★☆☆

2009年1月18日 (日)

KiZuNa

オモテ
活劇集団東京幕府 スクラッチ 合同企画公演
『KiZuNa』


[Cast]
幸村宏行、夕貴麻緒、松村春美、遊 達人、大原瑞紀、大次郎、影山尚美、勝又悠里、玉井亜希子、青井大祐、里見 卓、小太郎、入倉ゆみ、SAAYA、美木煮イトウ、丹内英暢、道畑勇介、細川裕城、野村卍郎、日微貴

[Staff]
原作:幸村宏行
脚色・演出:見神一
音響:建部雅代
照明:村上隆次
舞台監督:青木かづき
殺陣:幸村宏行
衣裳:大原里加
宣伝美術:田村デザイン事務所

[Time table] 青字=観にいった回
2008年11月公演
11月30日(日) 18:30
12月01日(月) 18:30

2009年01月公演
01月15日(木) 18:30
01月16日(金) 18:30
01月17日(土) 14:00/18:30
01月18日(日) 13:00/17:30
 [上映時間:約180分 (休憩15分)]


[Ticket]
前売/当日:3,000
(全席自由)

[Place]
武蔵野芸術劇場
(→JR三鷹駅 徒歩3分)


[ストーリー]
時は戦国時代をすぎ徳川三代家光の治世。
未だ戦国の残り火が残る中、二人の男が旅をしていた。
村上佐之介と冬馬蘭吉と名乗る二人はある山中に入ると1人の女性と出会う。
一之瀬伊織と名乗るその女性は伊賀の忍びと反幕思想の時雨の一党ににそのみを狙われていた。
伊織は佐之介を目にした瞬間涙する。かつての恋人であると佐之介に告げるのだった。
しかし・・・その佐之介は過去の記憶がなかった。
絡まった糸が徐々にに解けていく数奇な運命の物語。
その結末とは・・・。

(チラシから引用)

[インプレッション]
非常にしっかりした時代劇。とはいってもまったく堅苦しくは無く、殺陣などのアクションの見所が多い飽きさせないエンターテインメントにも仕上がっていて完成度が高いと思える作品でした。

基本的に素舞台なんですが、小道具や衣装がとてもしっかりしているので非常に説得力があります。役者の所作も気になる人があまりいない (荒が少ない)ので集中力が切れることも無く3時間 (途中休憩15分)見続けることができます。

気になったことといえば、多少会話がのんびり感じて間延びしそうかなぁと思うシーンがいくつかあった程度。まぁでも役者のおかげで全体的にシーンが締まっていたのでそこまでダレなかったかな。

殺陣は竹光なのがどうしても軽めに見えてしまう部分があったけども、基本的にはとても完成度が高くてよかったと思います。アクロバティックな手が控えめで、嘘に見えなかったのも好感。女性もしっかりしていてすごかったです。

全体的にとてもソツなくまとまっている印象で、物語がとても観やすかったです。もっと盛り上がりがあるかとも思ったけど、あえてそういう演じ方にしたんだと思うし、それでも納得できるラストでしたし。
演じるキャラクターもみんな個性が出ていて、人数の多いカンパニーでもきっちり演じ分けができている。そして、どの役にもおいしい部分があるのに、そこまでうるさくないのがいい。

終始、"説得力"は大事だなぁと思った舞台でした。


評価:★★★★☆

2009年1月17日 (土)

タイトル未定 〜NO TITLE, NO LIFE

オモテ
ウラ
東京P.R.O 15th Field Play
『タイトル未定 〜NO TITLE, NO LIFE』


[Cast]
石田小百合、イトーエミ、垣田正人 (元氣プロジェクト)、金魚、小林玉青、財原文平、ChangTejong、松尾俊志 (劇団カリヨン)、美川奈穂、山口勇二、横田 純、淀野正弘、山下りょーぞー

[Staff]
作:山下良造
演出:銃野
舞台監督・舞台美術:坂享宣 (ソマリ工房)
照明:田原聖子 (あかりとり)
音響:游也 (stray sound)
衣装:井形紗代子 (MiLKTea)
宣伝美術:山田デンキ
小道具:山口勇二
映像:ヨコタジュン (高円寺バーガーフリークス)
撮影:カウベルファンク
協力:有村優太、元氣プロジェクト、時速12キロ、すきがら沙智、鈴木茂樹、ソマリ工房


[Time table] 青字=観にいった回
1月15日(木) 19:30
1月16日(金) 19:30
1月17日(土) 14:00/19:00
1月18日(日) 14:00/19:00
1月19日(月) ☆14:00/19:30
1月20日(火) 18:00
 [上映時間:約105分]
※ ☆の回は平日昼割引 (前売・当日1,500円)


[Ticket]
前売:2,500円
当日:2,800円
(全席自由)

[Place]
シアターグリーン BASE THEATER
(→池袋駅 徒歩6分)

[劇団 公式サイト]
東京P.R.O official web
http://www.tokyopro.jp/

[ストーリー]
ねーヒロイン。僕の中のヒロイン。
僕は一体どうしたらいい?

ただ一つ、僕は君を幸せにするため、
ハッピーエンドを書き続けるよ。

ねーヒロイン。
僕はそのためにどうしたらいい?

小島龍之介、32歳。
作家として10年目。
ヒット作、いまだなし。
崖っぷちです。

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
『タイトル未定』というのがタイトルであって、決してタイトルが未定のまま本番にという意ではないんですよ、という『タイトル未定』の舞台を観てきました。わかりづらっ!!

内容は陽の目を見ない作家の物語に対する自己満足をぶつけたような作品なんですが、実際の作家の内心がこれでもかというほどに赤裸々に、そして堂々と展開されていきます。

ストーリー的には、多少無理な展開が見受けられるが、そこはあまり気にせずにキャラで巻き込んでいくパワープレイ。なので、普通はとっつきにくいはずの脚本ですが荒唐無稽な世界観が妙にマッチしていて最後まで飽きずに見続けられる力があります。

さらに、主人公の設定が、作家といっても舞台の脚本などを手がける劇作家なので小説などとは違う独特の心理描写を展開させていて非常に興味深い。
この作品の脚本家の本音のようなネタもばんばん出てくるのは内輪ネタ気味だが、"作家"という設定にしてしまえば、リアル描写として全然あり。


なによりキャストの演技に説得力があったので、随所に挿入される多少ふざけたギャグシーンもすんなり世界観を壊さずに見ることができた (絶対に必要かどうか、面白いかどうかは別問題)。

それにしても今回の作品は、シアターグリーンによる"グリーンフェスタ"という演劇祭に参加しているというのに、自虐ネタや内輪ネタまで包み隠さずやりきるあたり賞レースにはまったく向かない作品に仕上がっております (笑)。この潔さは逆に清々しい。

ラストのプロジェクターから映し出されるスタッフロールなんかもうね・・・、詳しくは書きませんが、いろんな意味でインパクトがありすぎて本編の余韻とか吹っ飛んでしまいそうになる映像はちょっと考えどころかも。

まぁこれは個人的な感想なんですが、今までまとまりきらないなぁと思ってたものをまとめて詰め合わせで見せてみました、みたいな、制作側としては少しどころか大胆に遊んでみた作品。しかし演じる側が本気で大まじめに取り組んでいるため、妙な説得力があるという不思議な作品。


いい意味でバランスがとれているのか、芝居の完成度は高い。嫌味なく見せきることが出来るキャラクター作りはとてもうまいと思う。役者として混ざりたいと思える劇団です。


評価:★★★☆☆




【追記】 - 2009/01/23
なお、今回の作品は本文でも触れたとおりシアターグリーン主催の演劇祭「グリーンフェスタ」の参加作品です。
実はこの「グリーンフェスタ」は、昨年募集していた一般審査員のほかにも、舞台紹介ポータルサイト「CoRich 舞台芸術!」での劇団への"クチコミ"で寄せられたコメントも審査対象になるそうなので、今作を観劇した方は「面白い!」「つまらん!」などの思いのたけをぶつけてみるのもいいんじゃないんでしょうか。

・ 舞台紹介ページはコチラ (要ログイン)
CoRich 舞台芸術!→ 『タイトル未定 〜NO TITLE, NO LIFE』 (舞台詳細ページ)

※ アカウントもっていない方は新規アカウントを作る必要があります。



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2009年1月16日 (金)

ジャングル・ジャンクション

オモテ
演劇集団キャラメルボックス アナザーフェイスVol.2 ダブルヴィジョン (「ゆ組」=作・高橋いさを)
『ジャングル・ジャンクション』

[Cast]
大森美紀子、坂口理恵、真柴あずき、津田匠子、福本伸一 (ラッパ屋)、伊藤ひろみ、中村恵子、遠藤みき子、岡田さつき

[Staff]
作:高橋いさを
脚本:真柴あずき
原作:劇団ショーマ『ウォルター・ミティにさよなら』
演出:成井豊


[Time table]
1993年10月4日 - 10月17日

※ ビデオ (VHS)にて鑑賞
 [上映時間:約90分]

[Place]
俳優座劇場

[劇団 公式サイト]
演劇集団キャラメルボックス 公式ホームページ
http://www.caramelbox.com/

[ストーリー]
平凡なOLのラブストーリーが始まった。
連続殺人犯を追う、2人の女刑事の物語が始まった。
女ながらに悪の権化と戦う、改造人間が産声を上げた。

そして、何の必然性もなく、彼女たちは出会った――!

キャラメルボックス女優陣が、高橋いさをの「豊かな演劇」に挑戦。
装置も小道具も、何もない舞台で繰り広げられる、「何でもあり」の、荒唐無稽・全力疾走演劇。

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
自分のことを「この物語の主人公」と言う3人の人物がそれぞれの世界観を合わせて最後まで物語を進行してしまおうというお話。必然性なんて特に気にしないでいいんです。

とにかくものすごいエネルギーにあふれた芝居です。というかエネルギーだけで突き進んでいくという感じで何でもありの遊園地状態。1人を除いた全てのキャストが女性というのもまたすごい。ここまで破天荒に進んでもちゃんと収束できてしまい、それでいてなんとなく納得できるストーリーなのはキャストのもつ魅力に他ならない。

ほぼすべての動作や乗り物、舞台上で使う物等をマイムで表現しているので、ほとんどが素舞台で展開されているのになぜか迫力満点。物語自体ははっきりいうと、あって無いようなものでキャラクターの魅力で引っ張っていくような内容。しかしそれで十分に90分間魅せきれてしまいます。

設定や、客をくった台詞回しはこれぞ芝居という面白さを純粋に感じることができる作品。
ただ、やはりまとまりやカタルシスを求める物ではないので、しっかりと心に残すことができるのはこの設定のユニークさと役者陣の熱い芝居とジンジン伝わってくるパワーである。
この"勢い"だけでも観る価値はあるかも。


評価:★★★☆☆




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2008年12月31日 (水)

[最近のレビュー] 2008年10月-12月

10月-12月までのレビューまとめです。
今期は11月に舞台があったんですが、かなりの作品を観ることができました。

映画:15本
舞台:7本

芝居という分野においては、演るのも大事だけど、観るのが本当に勉強になると思う。
来年も、もっといろんな作品を観ていきたいなぁ。


【映画】

『ディパーテッド』 - 2008年10月6日 (月)

データ:2006年/アメリカ/152分/R-15指定 [ワーナー・ブラザーズ]
受賞:第79回アカデミー賞 4部門受賞 (作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞)、第64回ゴールデングローブ賞 (監督賞)
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ テンポがよく、完成度の高い作品。男がカッコイイ。


『ルイスと未来泥棒』 - 2008年10月11日 (土)

データ:2007年/アメリカ/95分 [ブエナビスタエンターテインメント (ジャパン)]
鑑賞方法:レンタルDVD [日本語吹替版]
評価:★★★☆☆

→ SF好きと子供ならば観といて損はない。


『シュレック3』 - 2008年10月19日 (日)

データ:2007年/アメリカ/93分 [アスミック・エース]
鑑賞方法:レンタルDVD [日本語吹替え版鑑賞]
評価:★★★☆☆

→ 誰も望んでいないリアルをCGアニメで作り続けるのだろうか。


『亡国のイージス』 - 2008年10月21日 (火)

データ:2005年/日本/127分 [日本ヘラルド、松竹]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 考えながら観なくてはまるでテーマが入ってこない作品だが、興味があるならば、それだけで観る価値はある。


『アイ・アム・レジェンド』 - 2008年10月27日 (月)

データ:2007年/アメリカ/100分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 設定で魅せる大作。無駄がないまとまった演出。


『レッドクリフ Part I』 - 2008年11月29日 (土)

データ:2008年/アメリカ、中国、日本、台湾、韓国 /145分 [東宝東和、エイベックス・エンタテインメント]
鑑賞方法:新宿バルト9 (8番シアター)
評価:★★★★☆

→ 圧倒的な数とスケールで観るものを惹きつける。興味があるならば是非映画館で。


『オーシャンズ12』 - 2008年11月30日 (日)

データ:2004年/アメリカ/125分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★☆☆

→ クールを追求した極上の演出。


『用心棒』 - 2008年12月2日 (火)

データ:1961年/日本/110分 [東宝]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★★☆
→ 圧倒的な存在感と迫力。


『椿三十郎』 - 2008年12月3日(水)

データ:1962年/日本/96分 [東映]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★★☆

→ 思っていたよりもコミカル。


『父親たちの星条旗』 - 2008年12月4日(木)

データ:2006年/アメリカ/132分 [ワーナー・ブラザーズ]
受賞:第49回ブルーリボン賞、第30回日本アカデミー賞最優秀外国作品賞受賞作品
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

→ ドラマではなく"戦争"を描いたドキュメンタリー。


『クローバーフィールド/HAKAISHA』 - 2008年12月7日(日)

データ:2008年/アメリカ/85分 [パラマウント]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

→ 見せ方と演出だけで1本撮ってしまった映画。


『硫黄島からの手紙』 - 2008年12月8日(月)

データ:2006年/アメリカ/141分 [ワーナー・ブラザーズ]
受賞:アカデミー賞「音響編集賞」、ゴールデングローブ賞「最優秀外国語映画賞」、第31回日本アカデミー賞「最優秀外国映画賞」
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ できうる限りのリアルな戦場を描いた作品。


『バットマン ビギンズ』 - 2008年12月10日(水)

データ:2005年/アメリカ/141分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ 完成度が高すぎる新シリーズ。


『ボーン・スプレマシー』 - 2008年12月11日(木)

データ:2004年/アメリカ/108分 [UIP]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

→ テンポがいい、秀作。


『WALL・E/ウォーリー』 - 2008年12月19日(金)

データ:2008年/アメリカ/97分 [ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン]
鑑賞方法:新宿ピカデリー (2番シアター)
評価:★★★★☆

→ どストライクの設定と完成度。オススメ。


【舞台】

『悪っぱれ』 - 2008年10月10日(金)

ATT
[10月10日(金)] 公演時間:約80分
北トピア つつじホール
チケット:¥1,000
評価:★★★☆☆

→ やろうとしていることが面白い。


『ベントラー・ベントラー・ベントラー』 - 2008年10月12日 (日)

Piper 10周年記念公演第二弾
[10月08日(木)〜10月19日(日)] 公演時間:約110分
全労済ホール/スペース・ゼロ
チケット:前売 6,500円、当日 6,800円
評価:★★★★☆

→ 贅沢で豪華な舞台。


『東京ZOOM II』 - 2008年12月 5日 (金)

Air studio プロデュース公演
[12月04日(木)〜12月08日(月)] 公演時間:約60分
銀座 Air studio
チケット:2,500円
評価:★★☆☆☆

→ 個々のまとまりが感じられない。


『遠くの空はカナダから、近くの海は瀬戸内海』 - 2008年12月 6日 (土)

清水康栄プロジェクト#1 (旗揚げ公演)
[12月15日(金)〜12月07日(日)] 公演時間:約120分
Pit北/区域
チケット:¥1,500
評価:★★★☆☆

→ 見せたい物がいっぱい。


『魔王と歌姫』 - 2008年12月 9日 (火)

劇団キリン食堂 第4弾
[12月09日(火)〜12月14日(日)] 公演時間:約120分
新宿SPACE107
チケット:4,500円
評価:★★☆☆☆

→ キャストのバランスがいろんな方向へ行ってしまうとこうなるんだなぁ、と。


『デイドリーム・テクノデーテ -藍沢幻想夢奇譚-』 - 2008年12月12日 (金)

MFビレッジ 公演
[12月12日(金)〜12月14日(日)] 公演時間:約100分
東松原ブローダーハウス
チケット:2,000円
評価:★★☆☆☆

→ 面白い設定と独特の世界観。


『FUNNY TRAVEL』 - 2008年12月14日 (日)

劇団ICHIGEKI☆必殺 Vol.5
[10月10日(金)] 公演時間:約105分
阿佐ヶ谷シアターシャイン
チケット:2,000円
評価:★★★★☆

→ 役者がよければそれだけで気持ちいい。


[まとめ]
とにかくたくさんの作品を観ました。
映画の中でオススメなのは公開中の『レッドクリフ Part I』と『WALL・E/ウォーリー』。どちらも期待以上に面白かったという点で是非。迷っているなら映画館で見てほしい作品。
もう一つは『用心棒』。昔の作品だが、今見ても色あせない迫力には圧巻です。

来年はもう少しいろいろな方面の作品を観ていきたいと思います。




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2008年12月24日 (水)

2008年の映画興行収入ベスト・テン発表、トップは『ポニョ』

この前紹介した、今年の洋画興行収入のベスト・テンに続き、国内での邦画、洋画を合わせた今年の映画興行収入トップ10がほぼ固まったので、1位から20位までを抜粋してみた。

2008年のヒット映画トップ10は?

1位:『崖の上のポニョ』 154億円
2位:『花より男子ファイナル』 77.5億円
3位:『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 57.1億円
4位:『容疑者Xの献身』 50億円
5位:『レッドクリフ Part I』 48億円〜50億円(推定)
6位:『劇場版ポケットモンスター ギラティナと氷空の花束』 48億円
7位:『相棒』 44.4億円
8位:『アイ・アム・レジェンド』 43億円
9位:『ザ・マジックアワー』 39.2億円
10位:『20世紀少年』 39億円

11位:『ライラの冒険 黄金の羅針盤』 35億円
12位:『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』 33.7億円
13位:『マリと子犬の物語』 31.8億円
14位:『ハンコック』 31億円
15位:『ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛』 30億円
15位:『おくりびと』 30億円
17位:『魔法にかけられて』 29億円
18位:『ナショナル・トレジャー2 リンカーン暗殺者の日記』 26億円
19位:『ウォンテッド』 25億円
20位:『名探偵コナン 戦慄の楽譜』 24.2億円

(一部抜粋)

全体的な興行は昨年と比べると大幅にダウン。そして「邦画の健闘」というよりは、洋画がパワーダウンした感は否めないランキングとなった。そして20位以内に4作もランクインしているアニメはやはり強い。

20位までの邦画と洋画の割合は

邦画:11作品 (571.8億)
洋画:9作品 (326.1億)

となり、全体の興行収入の6割強を邦画が占めている。総製作費60億円の『20世紀少年』のネットでの評価が肩透かし気味だったが興行収入に響いているのかはわからないが、やや物足りないのは事実。来年公開される続編はどうなるのか。

『おくりびと』は未鑑賞だが、単館系にして口コミからのヒットはすごい。是非観たい作品である。


先日公開されたばかりの『WALL・E/ウォーリー』も公開2日間の興収が、およそ4億5000万円ということで、興収40億円は超えてくるであろうとのこと。『ハリー・ポッター』の新作が延期したことでお正月映画の大本命となった。




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2008年12月19日 (金)

WALL・E/ウォーリー

ポスター
邦題:WALL・E/ウォーリー
原題:WALL・E
監督:アンドリュー・スタントン
製作総指揮:ジョン・ラセター、ピーター・ドクター
製作:ジム・モリス
原案:アンドリュー・スタントン、ピート・ドクター
脚本:アンドリュー・スタントン、ジム・リアドン
プロダクションデザイン:ラルフ・エグルストン
音楽:トーマス・ニューマン
サウンドデザイン:ベン・バート
出演 (声):ベン・バート、エリサ・ナイト、ジェフ・ガーリン、フレッド・ウィラード、ジョン・ラッツェンバーガー、キャシー・ナジミー、シガーニー・ウィーヴァー
データ:2008年/アメリカ/97分 [ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン]
鑑賞方法:新宿ピカデリー (2番シアター)
評価:★★★★☆

[ストーリー]
 西暦2700年の地球。宇宙に逃れた人間が残したゴミを、700年もの間片付け続ける“地球型ゴミ処理型ロボット”WALL・E(ウォーリー)。ある日、地球にイヴという名のピカピカのロボットが現れた。ずっと孤独だったウォーリーはイヴに恋をするが、イヴが宇宙船にさらわれてしまい……。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
ピクサーが本気を出すとこうなるのか。いままで、CGでしかできない設定にはこだわらず物語を作ってきたピクサーだが、本作はなんと地球はおろか宇宙まで舞台にしてしまうという壮大なダイナミックさ。

宇宙!

700年もの間、荒廃した地球の姿を息をのむほどリアルに描いている。背景などにはいっさいの妥協がなく、実写ではないかと思えるほどのリアルさである。そしてその中にいるWALL・Eという愛らしいロボット。

驚いたのが脚本の見せ方の無駄のなさ。開始から実に20分は全く台詞がない状態で物語を見させられる。しかし、全ての情報が無駄なくWALL・Eの仕草や行動の描写だけで世界観まで伝わってくる。そして全くあざとく感じさせないのだからすごい。

何よりもカメラワークが、前作『レミーのおいしいレストラン』の時にも書いていたが、今作ではさらに磨きがかかっていて、ピント合わせまでもが演出に加わっているのがわかる。まるで覗いているような、人間がピントを合わせているような感覚であえてアナログに描くという手法が大変面白い。


内容も、SF好きにはたまらないだろうし、未来という描写も手加減なく描ききってくれる。逆に前半での荒廃した地球の姿がうまく対比されていて、なんだかものすごい極端な未来だなぁというのが狙い通りよく感じられる。

少しずつストーリーが進んでいき、内容が明かされていくたびに目が釘付けになる世界観はさすが。終始集中していられるあっという間の1時間半だった。キューブリックの『2001年宇宙の旅』のオマージュもいくつかちりばめられてたりと、SF好きというだけでも十分に観る価値ある映画だ。

本当にリアル
肝心のキャラクターの描き方には、見事にやられた。ロボットなので、感情を表現するのがよく動く"目"と"仕草"しかないのだが、逆にはっきりとその部分に割り切って見せていくので表現がとても分かりやすいので無駄がなく、台詞がないキャラクターでもしっかりと見せ切れている。まるでチャールズ・チャップリンの映画ような、上質な職人技といえる。
"ディズニー映画"の得意技と言ってもいいかも。


子供から大人まで幅広く楽しめる作品という意味ではストーりーの展開がある程度決まってきてしまうが、それをしっかりとどの層にも納得して見せきれるのはこのピクサーの脚本だからこそ。そして、それがピクサーブランドのシリーズにわたって出来ている数少ないアニメ会社だと思う。


この『WALL・E/ウォーリー』は、ある意味集大成ともえいるスケールで描いていて、尚かつしっかりとまとまっている作品。
自分の中で、ピクサー作品の歴代1位です。


異種コミュニケーション
荒廃した地球での唯一の友達には、「人間が滅んでもこいつらだけは」となんだか皮肉を感じてしまうけども (笑)。

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2008年12月14日 (日)

FUNNY TRAVEL

オモテ
劇団ICHIGEKI☆必殺 Vol.5
『FUNNY TRAVEL』

[Cast]
小川ともこ (TABプロダクション)、中山和久、川上ケンジ (佐野屋本店)、モテギアスカ (Distravo)、園田泰隆 (アクセント)、三好 悠、小林彩乃 (B.M.Factory/YOROZU屋 (本店))、重松洋佑 (銀プロダクション)、沢見幸徳 (アクセント)、イマダトム (佐野屋本店)

[Staff]
作・演出:イマダトム
舞台監督:芙留奈
照明:早川和行
音響:じゅんじゅん
制作:庄章子
イラスト:白川早苗
企画:劇団ICHIGEKI☆必殺

[Time table] 青字=観にいった回
12月12日(金) 15:00/19:00
12月13日(土) 14:00/18:00
12月14日(日) 13:30
 [上映時間:約105分]

[Ticket]
前売:2,000円
当日:2,300円
(全席指定)

[Place]
阿佐ヶ谷シアターシャイン
(→JR阿佐ヶ谷駅 徒歩7分)

[劇団 公式サイト]
劇団ICHIGEKI☆必殺オフィシャルホームページ
http://ichigeki.kill.jp/

[ストーリー]

死んだ後に待っていたのは、
天国でも地獄でもなくて、
とにかく空に上るための奇妙な旅
ファニートラベルだった。
死神のヤマオカに連れられて、
他の死者と共に旅をする事になったミサキ。
旅の終わりに待っていたのは…?

劇団ICHIGEKI☆必殺がお送りする、
笑えてちょっとだけキュウキュウする
死出の旅! …あなたも、参加しませんか?

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
設定が特別目を引くようなものでもなくて、奇抜なことをやっていなくとも、ちゃんとした役者、きちんとしたプロットがあればここまで満足させられんるんだなぁという見本のような舞台だった。

出演者がみなバランス感覚がいい、かなりうるさいことをやっているのに、観ていて全然邪魔じゃない。
しっかりと話を引っ張っていける実力ある俳優がきちんと仕事をするところだけで目立つので、客はすごく安定した芝居を見ていられる。ギャグパートのような部分では客の笑いが少々心もとなかったのは決してつまらないからではなく、話に集中していたからだったと思う。

音楽の使い方がとても秀逸で、とてもいい間を演出していた。あれだけのキャラクタが出ているのに全て覚えていられるという強烈な個性も大変見やすい要因のひとつであろう。

ただ一人、違和感のある役者がいたが、まさかそれが最後の伏線に使われているなんて。ちゃんと、そういった些細な落としどころまで用意されていて非常に、満足が高い舞台でした。


評価:★★★★☆

2008年12月12日 (金)

デイドリーム・テクノデーテ -藍沢幻想夢奇譚-

オモテ
ウラ
MFビレッジ 公演
『デイドリーム・テクノデーテ -藍沢幻想夢奇譚-』

[Cast]
秋山由奈、加藤琢朗、草野智之、鈴木雅康、村尾敦史、村口雅俊、山田華子

[Staff]
作:村口雅俊
演出:草野智之
舞台監督:猪俣優介
照明:栗山ゆき
照明オペ:足立幸子
音響:日野 大 (凸劇自由時間)
衣裳:山田華子
衣装協力:STUDIO ZaSSo
制作:西川祥恵

[Time table] 青字=観にいった回
12月12日(金) 19:30
12月13日(土) 14:00/19:30
12月14日(日) 14:00/18:30
 [上映時間:約100分]

[Ticket]
前売/当日:2,000円
中学生:1,000円
(全席自由)

[Place]
東松原ブローダーハウス
(→東松原駅 徒歩2分)

[劇団 公式サイト]
MFビレッジ (現在休止中かも)
http://www.geocities.jp/norapon0624/

MFビレッジ期間限定ブログ (公演情報など)
http://mfv2008.blog49.fc2.com/

[ストーリー]
事故の後遺症で睡眠障害に陥ってしまった青年藍沢夢人。彼が見るのは果たして夢か現か。
その最果てで彼の見るものは・・・。

MFビレッジ久々復活完全新作!!

(チラシから引用)

[インプレッション]
ある事故がきっかけで睡眠障害に陥ってしまった男の話。夢と現実の世界を行き来する展開と根本にあるなぞの解明をめぐるという見せ方でした。
話の設定自体は嫌いじゃないけど、どうしたものかテンポが悪く感じる。

何を見せたいのをはっきりと打ち出すわけでもなく、客は何が起こっているのかを淡々と覗いていくような感覚が終始続くのでとてももどかしい。目の前で展開している話にどうも距離を感じてしまう。
それが狙いだったのなら納得だが (確かにそういう話ではある)、途中いきなりポップな展開になったりと姿勢がわからずに戸惑ってしまうことも多々。

場面展開などの工夫でうまくテンポを出してはいるが、終始漂うこの根本的な問題のせいでうまく感情移入が図れずに進んでいくのがちょっと残念。設定を生かせば、とてもうまくどんでん返しを見せられるはずなのに、なんとなく予想できてしまっていたのか、終盤の展開も驚きが少なかった気がする。というか大して大きな問題に見えてこないのは誰視点で語ればいいのかを明確に請求していないからだと思う。

まぁ、基本的に考えて感情移入するのは主人公しかいないんだが、キャラクターの性格なのか、話の内容からか、どこか引いて見えてしまい届かない。しかし、それは何を考えているのかわからないキャラクターたちの中に紛れてしまうからで、ただのパワーバランスの問題かも。


音楽の聞かせ方や、使いどころはうまいと思う。これで持つ部分が多々あった気がする。
全体的にまとまっているのに、何か違和感を覚えてしまう作品。それが狙いとも取れかねない内容だが、個人的には純粋にもっとカタルシスを感じる部分がほしかった。

「これはね、そういう娯楽作品じゃないんだよ」と言われてしまったらそれまでだけど。


評価:★★☆☆☆

2008年12月11日 (木)

ボーン・スプレマシー

ポスター
邦題:ボーン・スプレマシー
原題:THE BOURNE SUPREMACY
監督:ポール・グリーングラス
製作総指揮:ダグ・リーマン、マット・ジャクソン、他
製作:パトリック・クローリー、フランク・マーシャル、ポール・L・サンドバーグ
脚本:トニー・ギルロイ、ブライアン・ヘルゲランド
音楽:ジョン・パウエル
撮影:オリヴァー・ウッド
編集:リチャード・ピアソン、クリストファー・ラウズ
出演者:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、ジョアン・アレン、カール・アーバン、クリス・クーパー、ブライアン・コックス
データ:2004年/アメリカ/108分 [UIP]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

[ストーリー]
 あれから2年。ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は恋人のマリー(フランカ・ポテンテ)と共に、人目を避けてインドのゴアで暮らしていた。その頃、CIAのパメラ・ランディ(ジョアン・アレン)はベルリンで、ある事件の調査を行っていたが、調査チームは何者かの襲撃を受ける。そして、ボーンたちにも危険が迫る。さらに、「トレッドストーン計画」に隠された真実が明らかになっていく。
(Wikipdia)

[インプレッション]
マット・デイモン主演の『ボーン』シリーズ2作目です。前作からの洗練されたカメラワークとクールな演出はそのままで非常にテンポよく進んでいくのでとても観やすい。
前作で驚いたスピーディーな戦闘アクションはそこまでなかったものの、スパイのような頭脳戦はきっちりと見せてくれて、下手な台詞での説明が入らない描写力に思わずうなってしまう。クオリティが前作と比べてもまったく遜色ないものになっていて、うまい具合に引きも見せて終わらせている。

3作目の『ボーン・アルティメイタム』への期待が大きくなったのもうなずける完成度だ。実際に、シリーズを重ねるごとに評価を上げ、興行的にも大成功しているので、シリーズ物の中では珍しい推移を見せている。

ストーリーは、ボーンの立場が前作とは全然違うのだが、きちんとどんでん返しと先の読めない展開があり、カタルシスも見せてくれる。エンターテインメント作品としても見れる土壌を持っていながら、ただの派手な見せ方でないスマートな演出が魅力だ。

ボーンに感情移入させるのではなく、仕事振りをきっちり見届けるという見せ方。この設定で映画にのめり込んだのならば、見終わった後、ボーンに惚れ込んでいることだろう。

2008年12月10日 (水)

バットマン ビギンズ

ポスター
邦題:バットマン ビギンズ
原題:BATMAN BEGINS
監督:クリストファー・ノーラン
製作:ラリー・J・フランコ、チャールズ・ローヴェン、エマ・トーマス
脚本:クリストファー・ノーラン、デヴィッド・S・ゴイヤー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード、ハンス・ジマー
撮影:ウォーリー・フィスター
編集:リー・スミス
出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、ケイティ・ホームズ、ゲイリー・オールドマン、渡辺 謙
データ:2005年/アメリカ/141分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

[ストーリー]
 長引く不況で貧困に喘ぐ大都市ゴッサム・シティ。そこの大富豪の一人息子ブルース・ウェインは、ある日、目の前で追剥に両親を殺害されてしまう。十数年後、成長したブルースは両親を殺した犯人が裁判を終えた直後に殺害される現場を目撃。復讐、自分への罪悪感、悪とは何か、正義とは何かといった葛藤に悩まされる。ゴッサム・シティの治安は悪化する一方、青年となった彼はあてのない放浪の旅の果てに、ヒマラヤの奥地で影の同盟という謎の組織と接触する。
そして、汚職と腐敗や犯罪が蔓延するゴッサム・シティに舞い戻った彼は、執事のアルフレッド、応用科学部に左遷させられたフォックスの協力を得て、幼い自分が恐怖を感じた体験を基に、ある計画を実行し始める。しかし、その事が彼を待ち受ける過酷な現実の始まりとなるのであった。
(Wikipdia)

[インプレッション]
バットマンの実写映画板第5作目にして、再スタートした新生バットマンシリーズの第1作目。
前作までの印象よりも、かなりシリアスなドラマ展開が見所となっている。『スパイダーマン』でもそうだったが、主人公の超人的な部分よりも人間ドラマにおける心理描写に重きを置いた作品が受けているようだ。実際にこの作品も評価は高かった。


主人公のブルース・ウェインがバットマンになるまでの過程を描いているのでまったくバットマンシリーズになじみがない人でも大丈夫。というかそういう人にこそお勧めできる作品だ。

展開のテンポがよく、見せ方が非常にうまいのでまったく飽きることなく物語りにのめりこむことができる。しかも、そのテンポを崩すことなくキャラクターの心理描写がしっかりと描かれていくので感情移入がしやすい。

エンターテインメントとしても、ドラマとしても見やすい、非常に間口の広い作品だといえるが、『バットマン』のようなダークな世界観でここまで見せきるのはとてもすごいことだと思う。
それも、脇を固める役者の演技のなせる業だろうか。アメコミが原作のキャラクターが強い芝居ではない、あくまでリアルでシリアスな演技なのでまったくチープに見えないのもこの作品の魅力を押し上げているのだろう。

近代的な町並みも見ていてワクワクしたり、描写がわかりやすいとてもうまいカメラワークでまったくストレスなく観ることができる良作映画だ。

2008年12月 9日 (火)

魔王と歌姫

オモテ
劇団キリン食堂 第4弾
『魔王と歌姫』

[Cast]
新井剣史、中島愛、大島つかさ、藤浪靖子、松木威人、末崎千絵、町田光、田口弘、若林美保、中島俊介、上山崎さやか、小菅博之、和田光沙、松澤翔、阿部朋矢、及川あやこ、戸田信太郎、はじり孝奈、加納和也、大久保悠依、河野晋也、結樺レイナ、坂井朋子、藍、山口幸志、菓子野大悟、成田満治、成澤富博、奥野雄太、秋森一憲、長嶺紗衣

[Staff]
作・演出:久保田誠二
プロデューサー:柴崎基子、中村雅人
照明:村山寛和 (MERCURY)
音響:山本音響
殺陣:新井兼二
イリュージョン・アドバイザー:北見伸
音楽:今野サトシ
音楽ディレクション:加東岳史
衣装:東京衣装
舞台監督:松木威人
宣伝美術:宮澤ななえ

[Time table] 青字=観にいった回
12月09日(火) 19:00
12月10日(水) 14:00/19:00
12月11日(木) 14:00/19:00
12月12日(金) 14:00/19:00
12月13日(土) 14:00/19:00
12月14日(日) 13:00/17:00
 [上映時間:約120分]

[Ticket]
前売:4,500円 (全席自由)

[Place]
新宿SPACE107
(→新宿駅 徒歩5分)

[劇団 公式サイト]
劇団キリン食堂
http://kirin-syokudou.com/

[ストーリー]
 ベートーベン、モーツァルトなどクラシックの名曲に乗って展開される、妖(あやかし)と剣豪たちの死闘。
劇団キリン食堂第4弾は、殺陣、ダンス、笑いに歌までも加え新ジャンル「アクションオペラ」を切り拓く。
あなたは全く新しいライブエンタテインメントを体感する!
(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
この舞台には出演者からのお誘いで観にいったんですが、人気アニメ『マクロスF』の主人公ランカ・リー役の声優、中島愛さんが出演してるんですね。
なんだか、チケットがとんでもないことになってて週末の回はあっという間に売り切れてYahoo!オークションとかに出回る始末。どーでもいいんですが、ボク『マクロス』は見たことがないんですが、いつかシリーズ一気に見てやろうと思っております。


話の内容はいたってシンプル。仲間とともに歌姫をさらった魔王を退治しに行くという、まぁざっくり言って"鬼退治"です。しかし、ここまで内容をチープにしたのはある意味狙いだとも取れる。"アクションオペラ"と謳っているので、そこら辺は見せ所と演出しだいなのだろうな、と。

そう思って見てました。

しかし、どうしても噛み合わない。演出と各役者、そして構成がまったくばらばらに見える。美術や演出は大変豪華で、照明がぐりんぐりん動いたりCO2が噴出したりととても贅沢に効果を使用してます。しかし、それが効果的なのかは最後までよくわからないまま。

まずマイク。はけ口や舞台前面に設置するしかないんだが、もうちょっと気を使って歩くとかで対応できるレベルじゃないくらいゴツゴツ、バタバタとノイズを拾い捲り、一生懸命誰かに感情移入しようとしている集中をブツブツと立ち切ってくれる。

そして"オペラ"パートの歌は、誰もが知っているクラシックの名曲に歌詞をつけて台詞を喋らせるというもの。これもマイクのレベルが聞き取りづらくて、きっとものすごく重要でいい事言ってるんだろうけど、まったく伝わってこない。これのおかげで、タイトルにもなっている魔王と歌姫の関係が最後までまったく理解 (感情移入)できませんでした。

そういう意味で、あまりにオペラパートが残念だったので、歌がないダンスや殺陣のシーンのほうが安心して楽しめてしまうという本末転倒なことに。というか、ダンスやアクションはすごかったです。プロの技というか、他とくらべて明らかに浮いてしまって見えるので、やはり構成のバラバラ感が引き立ってしまう。

役者の演技も、それぞれ足並みがそろっていないので個々にはうまい方が非常に多いのに、誰にも感情移入して見れないのはいかがなものか? 主人公は魅力的なのだが、せっかくの個性もこのストーリー上ではどこに存在価値を見出せというのか。
客は集中力を生殺しにされたままギャグパートもシリアスパートもいまいちヌルイまま進んでいくので、突き抜けて馬鹿なアドリブが入るでもなく続けられているギャグパートはいっそない方がよかったかもしれない。


役者は癖のある人が多く、おそらくその癖を演出上良しとしているので、個人が気持ちのよい芝居を見せつけてくれるのでテンポが悪くなってしまうのも残念。

歌姫はもったいなかったなぁ。もっと芝居で使って欲しかった。うまい下手は別として。
歌もうまいんですが、肝心な魔王にまったく感情移入できなかったので、もっと歌姫の芝居で引っ張らないと、話としての軸がなくなってしまう。

なんとなく、主人公不在の舞台に見えてしまったのはそういうことなのかなぁ。
とても豪華で魅力的なパーツがそろっているだけに、もったいないと感じてしまった。

評価:★★☆☆☆

2008年洋画興行収入のベスト・テン

日本国内における、今年の洋画興行収入のベスト・テンが発表された。

08年洋画興収ベスト・テン トップは57億円の『インディ・ジョーンズ』

1位:『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 57億円
2位:『レッドクリフ Part I』 45億円〜50億円
3位:『アイ・アム・レジェンド』 43億円
4位:『ライラの冒険 黄金の羅針盤』 35億円
5位:『ハンコック』 31億円
6位:『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』 30億円
7位:『魔法にかけらて』 29億1000万円
8位:『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』 26億円
9位:『ウォンテッド』 25億円
10位:『アース』 24億円

http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000gq4xd.html

2007年度のトップ3は

1位:『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』 109億円
2位:『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 94億円
3位:『スパイダーマン3』 71億円

ということなので、洋画の落ち込みが顕著に現れる結果となった。
今年のトップ10の合計は350億1000万円だが、去年はトップ3作品だけで計274億円となり今年の約78%程度にもなっていたことになる。

ただ、去年のシリーズ物の大作で埋め尽くされているランキングよりはだいぶ健全に見える気もする。それにしてもウィル・スミス主演映画2本が堂々のランクインはすごいなぁ。



【関連記事】
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (レビュー)
レッドクリフ Part I (レビュー)
アイ・アム・レジェンド (レビュー)
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド (レビュー)
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (レビュー)

2008年12月 8日 (月)

硫黄島からの手紙

ポスター
邦題:硫黄島からの手紙
原題:LETTERS FROM IWO JIMA
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:ポール・ハギス
製作:クリント・イーストウッド、スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・ロレンツ
脚本:アイリス・ヤマシタ
音楽:カイル・イーストウッド、マイケル・スティーヴンス
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス
出演:渡辺 謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬 亮、中村獅童
データ:2006年/アメリカ/141分 [ワーナー・ブラザーズ]
受賞:アカデミー賞「音響編集賞」、ゴールデングローブ賞「最優秀外国語映画賞」、第31回日本アカデミー賞「最優秀外国映画賞」
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★★☆

[ストーリー]
 1944年6月、戦局が悪化の一途を辿っていた太平洋戦争下の硫黄島に一人の将官が降り立つ。新たに硫黄島守備隊指揮官に任命された陸軍中将、栗林忠道(渡辺謙)には駐在武官としてアメリカに滞在した経験があり、それ故に誰よりも米軍の強大な実力を知り尽くしていた。
勝ち目の無い戦いと知りつつ、日本本土防衛のため、1日でも長く硫黄島を守る事に意味があると考えた彼は、反発する陸海軍の古参の側近や将校・士官達を押し切り、防衛計画を練り直す。今までの上官とは違い、合理的な思想を持つ栗林の存在は、日々の生活に絶望していた西郷(二宮和也)らに新たな希望を抱かせる。栗林は隷下の将兵に無意味な万歳突撃や自決を禁じ、硫黄島地下に坑道をめぐらせ要塞化し、死よりも苛酷な持久戦に持ち込むが…
(Wikipedia)

[インプレッション]
日本人が主人公で全編日本語のアメリカ映画。ハリウッド的な間違った日本描写は一切なく、とてもリアルに第二次世界大戦における日本兵を描いている。硫黄島での戦いはもっとも凄惨な戦闘で、6万を超えるアメリカ軍に対して約3万名の日本軍で迎え撃つという、"玉砕覚悟"での死闘だった。

"玉砕"という言葉。日本人が各自どんな感情を持っていても、当時はそれが正義であり、一種の「正常な感覚 (常識)である」とされていたということがとてもよく伝わってくる作品。ありのままの戦争をしっかりと、しかもアメリカ映画が描いた日本兵の作品としてこれは非の打ち所がないくらいに戦争ドラマとして写してくれている。


下手な人間ドラマやそういった類のものは一切切り捨てている潔さがいい。TVドラマの延長である日本映画では絶対にこうはいかない。あれだけの俳優を使ってしまえばほとんどがその人物周りのお涙頂戴ドラマや回想が展開されるのは目に見えているからだ。
あくまで"戦争"という描写のみにテーマを絞るのは見るものを選ぶが、約64年前の手紙を通して日本兵の実像をしっかりと見せてくれる。

と、決してエンターテインメント作品ではないので、脚本の面白さや伏線による楽しみ、カタルシスや感動は望むべき作品ではないが、見る人によって感じるものが必ずあるはずだ。
個人的には、捕虜にしたアメリカ兵との会話がとても印象深いシーンだった。

あと、二宮和也君の芝居だけがどうも浮いて見えてしまったのは残念。演技は嫌いじゃないのに、今風に見えてしょうがない。人間のドラマとして見ていなかったから余計にそう感じました。



【関連作品のレビュー】
父親たちの星条旗
男たちの大和/YAMATO

「説明」と「言い訳」の境界線

ちょっとちょっと、最近レビューくらいしか書いてないよこのブログ。

■ 2008年11月29日 - 『レッドクリフ Part I』
■ 2008年11月30日 - 『オーシャンズ12』
■ 2008年12月02日 - 『用心棒』
■ 2008年12月03日 - 『椿三十郎』
■ 2008年12月04日 - 『父親たちの星条旗』
■ 2008年12月05日 - 『東京ZOOM II』
■ 2008年12月06日 - 『遠くの空はカナダから、近くの海は瀬戸内海』
■ 2008年12月07日 - 『クローバーフィールド/HAKAISHA』


12月に入ってからはレビューのみだよ。これじゃあ日記じゃなくてレビューブログになってしまうよ。
顔も知らない方からのメッセージでレビューを期待してくれたりもしますが、まぁ顔見知りの観覧者からのメッセージをいただく限りでは、下手な日記よりもレビュー記事の方がぜんぜん好評らしい、てやかましいわッ!! 書かせろ、オレに、駄文を!!
そろそろくだらないのが書きたくてたまらなくなってきました。

て、現時点でまだ後4、5本くらいレビュー書く予定があるのでもうちょい続くわけですが、観点や文体がどうもね、作品によって崩れてしまうのはご愛嬌です。てかそこにはわざとこだわろうとしてません。ボクの評価も、ざっくり5段階くらいがちょうどいいのです。

あくまで個人が発信している"独断と偏見に満ちた批評"なわけで、画一的な書き方に慣れてしまいたくないので。
ただ、ブログという媒体なのでこのサイトは見られる (公開される)ものであって、あくまでメディアであるということは自覚しております。なのでこういうことを書くわけで。しかし、この駄文の集合体をライターやレビュアー気取りで責任をもって公開するようなスタンスには絶対になれません。や、だからこそ書けるものもあるんですがね。

別に、こんな声明自体聞いてほしいわけじゃなくて。ただの暇つぶし。つまりそういうことです。ただ、こういうのを見てからボクのレビュー記事を眺めると、また幾分かは楽しめるんじゃないかなぁと。
ボクの回避主体のプロパガンダ的な言い訳です。



【関連記事】
[最近のレビュー] 2008年7月-9月
[最近のレビュー] 2008年4月-6月

2008年12月 7日 (日)

クローバーフィールド/HAKAISHA

ポスター
邦題:クローバーフィールド/HAKAISHA
原題:CLOVERFIELD
監督:マット・リーヴス
製作総指揮:ガイ・リーデル、シェリル・クラーク
製作:J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
脚本:ドリュー・ゴダード
撮影:マイケル・ボンヴィレイン
編集:ケヴィン・スティット
出演:マイケル・スタール=デヴィッド、マイク・ヴォーゲル、オデット・ユーストマン、リジー・キャプラン、ジェシカ・ルーカス、T・J・ミラー
データ:2008年/アメリカ/85分 [パラマウント]
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

[ストーリー]
 とあるニューヨークの夜、日本への転属が決まり、赴任することになったロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)のために、大勢の仲間たちがサプライズ・パーティーを開く。そのパーティーの最中、突然、とてつもない爆音が聞こえ彼らが屋上へ行くと、まるで爆撃を受けたかのようにニューヨークの街がパニックに陥っていた。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
アメリカの大人気ドラマシリーズ『LOST』の監督であるJ・J・エイブラムスがプロデュースした作品。公開まで一切の情報を公開せず完璧に規制したのにはこういうわけがあったのか。

全てのシーンを一般人のカメラによって撮影している視点で展開されているので、マンハッタンでナニカが起こったという極限の緊張状態がとてもよく伝わってくる。なので劇中のミュージックは一切なく、その場の臨場感のみで展開されていく。

いわゆる『ブレアウィッチ・プロジェクト』方式なのだが、大きな違いはなんと言っても制作費。CG効果やバケモノのとの戦闘シーンも、ものすごく派手で迫力のあるものなのに、まったく引きの画がないので観客は何が起こっているのか全くよく分からないのだ。それもそのはず、カメラを回している人物が空でも飛ばない限りそんな画が見えるはずがないのだから。
あれだけしっかりと町中が破壊されていくCGを作っておいて、ちゃんと写さない (正確には写せない)なんてなんという贅沢な演出。

時間軸も終始カメラを回しているのでほぼ同じなので、ドラマ『24』のようにその場以外で起こっていることは知ることが出来ないのである。観客はそれだけで十分に引きつけられるのだが、「いったい何が起こったのか」、「何が原因なのか」という部分においてはこの作品ではまったく触れられていないので、そちらを期待して観ると多少肩すかしを食らってしまう可能性もあるが。

そんなのはどうでもいいのである。この手法において見せたかったモノはこの緊張状態をずっとテンションを保ったまま見せきり、観客にその場にいるような臨場感を体験してほしいという狙いが見え隠れする。その狙いは間違いなく大成功で、カメラマンが死んでしまうと映画が終わってしまうので、カメラマンの視点が気になってしまうくらい引き込まれていた。


あと、全てのシーンが手持ちカメラでの映像なのでゲームなどで3D酔いになりやすい方はご注意。画面がぐわんぐわん揺れるので気分が悪くなってしまいます。酔いにめっぽう弱いのにどうしても観たいという方は酔い止めでも飲んでおくといいかも。

2008年12月 6日 (土)

遠くの空はカナダから、近くの海は瀬戸内海

オモテ
清水康栄プロジェクト#1 (旗揚げ公演)
『遠くの空はカナダから、近くの海は瀬戸内海』

[Cast]
前田将甫、三島冨美子 (劇団ZAPPA)、明石香織 (大沢事務所)、信田素秋 (開店花火)、村山 新、望月雅行 (劇団バルド)、池田久美、半澤敦史 (柿喰う客)、秋山美優、清水康栄 (開店花火)

[Staff]
作・演出:、清水康栄 (開店花火)
舞台監督:二階堂裕文
音響:田村あまね (アルコール過敏症)
照明:宮路央
広告:山本麻穂
製作:@round、松島有鶴 (ひつじ同盟)+清水康栄プロジェクト

[Time table] 青字=観にいった回
12月05日(金) 14:00/19:00
12月06日(土) 14:00/19:00
12月07日(日) 14:00
 [上映時間:約120分]

[Ticket]
前売/当日:1,500
(全席自由)

[Place]
Pit北/区域
(→ 王子駅徒歩3分)

[劇団 公式サイト]
清水康栄プロジェクト official website
http://sy-project.sakura.ne.jp/

[舞台概要]
開店花火所属の清水康栄によるプロデュース公演。

団体名に自らの名を冠したものの、全てが初めてづくし!

赤子です。
産まれたばかりのおっさんです。
でも、赤子だからこそ、未来を自由に創作する力がある。
そんな団体にしたいです。

…まあ、そんな大層なことしませんが。

(チラシ・公式サイトから引用)

[インプレッション]
引きこもり、自殺、近親相姦、ドラッグ、同性愛、依存症といわゆる一般的に触れにくいセンシティブなテーマをがっつりとリアルな会話芝居で見せてくれます。

しかしそこにあるのはあくまで"リアル"。極めて自然に、当たり前のように話しが展開していくので客がどこに感情移入していいのかをただ傍観しながら眺めている感じ。
客観的に書くとそうとう激しい内容なんだけど、それが淡々と展開していくのだから観ている方がだんだんと麻痺していくように傍観するしか出来ません。その事象に悩んでいたり、些細な気持ちの変化だったりをただただ、覗いているような。

出演している役者はみな本当にうまくて、とても自然にその演技を目の前で行ってくれます。しかし、そこに起こっていることや内容が、さも当たり前のように、引っかかりがなくなるくらいリアルにさらっと演じられていくので、言いたいことがなんなのか、だんだんとぼやけていくような感じがしてもったいない。
やりたいことだけだったら、もっと短く出来たはずだけども、とは言っても実際あの本のどこを削るべきなのかも分からない。全て描写には大切だったと思うとそう思えるし、無駄だったとも思えるから。そう思うのは、すべての芝居を見終わった時の何とも言えない気持ちからだろう。
テーマが全くつかめず、なんとも気持ちが悪いのだ。


逆に、もともとそういう演出だったとすれば狙いは大成功。こういう不条理劇に近い芝居は個人的に好きだが、好みが分かれる内容なので進められるものではない。ではないが、何を感じたのかを話し合うには十分に楽しめるパワーを持った作品だと思う。

ストーリーとしては最終的に全て崩れていくほかない、というか"それ"はおそらく客のほとんどが終盤になってだんだんと分かっていた事だろう。終わるにはそれしかないだろうと。
結局、各人物が立ち振る舞っているその環境は、ちょっとバランスが悪くなるとあっという間に崩れてしまう"バベルの塔"のような脆い盤上での事だったんだと思えた。


このテーマを、言ってしまえばだらだらと、淡々とこなしていて全くチープに見えないのは、役者の腕に他ならない。はっきり言って、演じる役者が全員にその空間を引っ張る力がないとこの作品は客が芝居終わりの時間を待ち臨む舞台になってしまう。

決してエンターテインメントではないが、多少分かりやす過ぎても内容やテーマをしっかりと伝える力が必要なのだと思う。それが出来なくては、舞台は演出家のただの自己満足による、自己表現の場になってしまうのだから。
しかし、それをしっかりと最後までテンションを保ちつつ見ることができるのは力強い役者の芝居に他ならない。

評価:★★★☆☆

2008年12月 5日 (金)

東京ZOOM II

オモテ
Air studio プロデュース公演
『東京ZOOM II』

[Cast]
【A班】
池田恭介、一戸愛子、香央里、小林桃子、庄司敦の、高橋大輔、藤宮綾、松井正樹、中島幸一

【B班】
桂絵美子、黒木美早、丹治正明、haruca、深谷紗香、三上竜平、谷田文郎、冨澤真理、栗本有美子


[Staff]
脚本/演出:藤森一郎

[Time table] 青字=観にいった回
【A班とB班のWキャストになります】
12月04日(木) 18:30[A]/21:00[B]
12月05日(金) 18:30[B]/21:00[A]
12月06日(土) 15:00[B]/18:30[A]/21:00[B]
12月07日(日) 15:00[A]/18:30[B]/21:00[A]
12月08日(月) 18:30[A]/21:00[B]
 [上映時間:約60分]

[Ticket]
前売/当日:2,500円
(全席自由)

[Place]
座 Air studio
(→ 営団地下鉄日比谷線『東銀座』駅 A4、A6出口より徒歩5分)

[劇団 公式サイト]
Air studio Official Website
http://www.airstudio.jp/

[ストーリー]

BAR SamaSamaで巻き起こる

おかしな3話構成のオムニバスストーリー

第一夜【ワカレ】
浩輔は、彼女由香と最後の夜を過ごす為に、
BARにやってきた。
しかし、そこには由香の今彼芳樹の姿が!?
二人の思い出の曲をかけながら、
どうにか由香の心を取り戻そうとする元彼浩輔だが!?
果たして浩輔の恋の行方は!?

他2話

第二夜【マリオ】
第三夜【カゾク】

(公式サイトから引用)

[インプレッション]
あるバーで行われる様々な人間模様を、オムニバス形式でつづるシチュエーションコメディ。概要やあらすじ的なものはハッキリ言ってそれだけなんですが、それだけでも十分に力を抜いて観れるジャンルとしてオムニバス形式は悪くないと思う。

惜しくらむはテンポのいい内容に客がいまいちついて行けないこと。役者のテンポが全体的に合っていないのが致命的なのか、とにかく安心して見れる役がいなさすぎた。みんなキャラクターが強烈すぎて芝居的にそこまでやらんでもってくらいにリアクションをするのでどこにも感情移入が出来ないのだ。

これはギャグで笑わす芝居ではないので大変な事だと思う。役者と演出の意図がかみ合っていないような気すらしてくるのだから。唯一つっこみを入れる人がまともだったから見れたものの、そこに安心を求めるような見方はもはや違うと思うし、楽しめる部分を探すようなジャンルではない。

脚本は非常に面白いというか、ニュアンスの言い回しがとてもいい本なのに、もったいないなぁと感じてしまった。全く他の役者でも見てみたいと思える内容ではある。


評価:★★☆☆☆

2008年12月 4日 (木)

父親たちの星条旗

ポスター
邦題:父親たちの星条旗
原題:FLAGS OF OUR FATHERS
監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド、スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・ロレンツ
脚本:ポール・ハギス、ウィリアム・ブロイレス・Jr
原作:ジェイムズ・ブラッドリー、ロン・パワーズ 『硫黄島の星条旗』
音楽:クリント・イーストウッド
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス
出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ
データ:2006年/アメリカ/132分 [ワーナー・ブラザーズ]
受賞:第49回ブルーリボン賞、第30回日本アカデミー賞最優秀外国作品賞受賞作品
鑑賞方法:レンタルDVD
評価:★★★☆☆

[ストーリー]
 第2次世界大戦の重大な転機となった硫黄島の戦いで、米軍兵士たちはその勝利のシンボルとして摺鉢山に星条旗を掲げる。しかし、この光景は長引く戦争に疲れたアメリカ国民の士気を高めるために利用され、旗を掲げる6人の兵士、ジョン・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)らはたちまち英雄に祭り上げられる。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
名俳優と言うよりも、もはや名監督の名が定着しつつあるクリント・イーストウッド監督による戦争映画。しかも今作の題材は「第二次世界大戦中もっとも多くの血が流された戦闘」といわれる"硫黄島の戦い"を描いたもの。

戦闘シーンの凄惨さは『プライベート・ライアン』の冒頭シーンに匹敵するほど凄まじく、よくR指定がかからなかったなぁと心配しながら見てしまうほど。
しかし、この物語は、戦闘シーンそのものよりも戦争において「英雄」として祭り上げられた人物の心理描写に重きを置いている。

戦場を離れたあとも、回想シーンのように幾度となく硫黄島の戦闘が思い出されるのだが、とにかく一言では言い表せない「戦争という行為」のなかを生き抜いてきた人物の心理状態を丁寧に書いている。悲しみとか、高揚感とか、やるせなさなんてモノではない、もっと混沌とした感情が前編にわたってメインの語り部の口から語られていく。

それはまるでドキュメント映画を見ているように細かく丁寧で、まったくエンターテインメントとは正反対の描写であってそちらを期待して観てしまうと面白みもないものに見えてしまうだろう。味気ない展開のようでしっかり内面と当時の社会の様子、そして現場の殺し合いを描いていくやりかたは緻密でいて、飽きずに見届けようと思えるしっかりとしたパワーがある。
そういったある人物からの視点で「戦争」を考えさせられると、全体の主観としての"悪"や"正義"なんてものはどこかに吹き飛んでしまうちっぽけな感情だということがよく分かる。戦争とはこういうモノなのだ、と。

本作では敵として画かれている日本兵が必死に殺しにかかってくる様はいささか不思議な気持ちではあるが、それとして一視点から見た"戦争"の真実なのだろうとすら思える。
そして、今戦争のないこの国に生きることが出来て本当に良かったと思う事が出来る。

立てられた星条旗の正否や数なんて国にしてみれば全く、本当に些細なことであってなんの問題もないことなのだが、実際にそこにいた本人達にとっての星条旗は、アメリカ国民が英雄の象徴として見た幻のようなものでしかないと思う。
原題の『FLAGS OF OUR FATHERS』は、星条旗が"複数形"になっているのも、そういった意味も含まれているのだろう。是非注目していただきたい。

2008年12月 3日 (水)

椿三十郎

ポスター
パッケージ
邦題:椿三十郎
監督:黒澤 明
製作:田中友幸、菊島隆三、
脚本:黒澤 明、菊島隆三、小国英雄
音楽:佐藤勝
撮影:小泉福造、斎藤孝雄
出演:三船敏郎、仲代達矢、加山雄三、田中邦衛
データ:1962年/日本/96分 [東映]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★★☆

[ストーリー]
 ある城下町の夜、薄暗い社殿で九人の若侍が密議をこらしていた。城代家老睦田に、次席家老黒藤と国許用人竹林の汚職粛清の意見書をさし出して入れられず、大目付菊井に諭されてこの社殿に集っていたのだ。その真中へよれよれの紋付袴の浪人者が現れて、九人をびっくりさせた。その上、その浪人者は、城代家老が本物で、大目付の菊井が黒幕だといって皆を仰天させた。その言葉の通り、社殿は大目付輩下の手の者によって取りまかれていた。あおくなった一同を制してその浪人者は、九人を床下へかくし一人でこの急場を救った。
(映画生活)

[インプレッション]
メインの登場人物がやたら多いのに、全くそれを感じさせないのは三十郎が助太刀する9人の若侍は9人で1人扱いなんだなと納得。そこまでキャラが立っていたわけでもないし。
しかしながらそれを取り巻く人物がとても個性的で見ていて全く飽きない。前作『用心棒』での三十郎よりもの知的でどこかユーモアにあふれている。

個人的には『用心棒』のような殺伐とした雰囲気が好きだが、この作品は9人の若侍の行動も含めて実に計算された笑い所をちりばめてある。見ていて全く飽きないのである。
そこに支えられているのは主人公である三十郎のキャラクター。この人物像が物語りを作っていると言っても過言ではない。

傲慢な態度で口が悪く、しかし策略に長けている三十郎の巧みな言葉で物語が展開していきそれに巻き込まれるかのようについて行く若侍の構図。実際巻き込まれているのは三十郎当人なのに。本当に良くできている。

殺陣が『用心棒』と比べるとかなり多い割にはあまり際だって印象に残っていないのは、腕が立つということよりも、こういった人物像を強調した物語だからだろう。
お手本のような起承転結と、途中で出した複線をきっちりと使っていく話し作りは本当に隙がく無駄なものが一切省かれた濃厚な1時間半である。

2008年12月 2日 (火)

用心棒

ポスター
DVDパッケージ
邦題:用心棒
監督:黒澤 明
製作:田中友幸、菊島隆三
脚本:黒澤 明、菊島隆三
音楽:佐藤勝
撮影:宮川一夫、斉藤孝雄
出演:三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴
データ:1961年/日本/110分 [東宝]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★★☆

[ストーリー]
 冬の青空に雪を戴く赤城山から乾いた空っ風が吹き降ろす、荒涼とした上州[1]の宿場町。2つのやくざ勢力が対立するこの町に、流離の浪人が現れた。桑畑三十郎(三船敏郎)と名乗る彼は、両方の勢力に用心棒として売り込みつつ、巧みに同士討ちを仕組んでいく。しかし、そこに伊達な雰囲気を漂わせた新田(しんでん)の卯之助(仲代達矢)が帰郷して…。
(Wikipedia)

[インプレッション]
自分も舞台で時代劇とかやっているのにちゃんと観たことがなかった黒澤明監督の時代劇。

モノクロでモノラルなんですが、迫力がすごい。さすがというか、少し見ていれば当時でこの演出がどれだけ斬新だったかがよくわかる。
とにかく、画と音楽、魅せ方といういわゆる演出の完成度がすごすぎて。いちいち見なおす描写が何回かあったりして、無駄なものを一切見せないシンプルな情報の画だけで十分に客を引き付けておける描写力こそが世界のクロサワなんだろうなぁと。

殺陣においても決して多くはないのにえらいリアルで、斬新ですらある。めちゃくちゃ早くてかなりあっさりと斬っているはずなのに見所がたくさん。

人物設定も非常にわかりやすく個性が強い人たちがきちんと描かれているので誰が見ても楽しめ、これが娯楽大作のアクション時代劇なんだなぁということがよくわかる。
ぜんぜん客が突き放される作品ではないし、小難しいことは一切考えなくて見れる土壌の深さが作品を押し上げていると思う。

時代劇が苦手な人にもぜんぜん進められる。
特にボクが今やっていることはこういうことなのだし。そういう意味でも、とても勉強になった。

2008年12月 1日 (月)

今月の気になること - 2008年12月

いよいよ2008年も最後の月です。
12月はあっという間に過ぎていくよ・・・、とみんなが言っているのできっと心の準備もできずに流されるまま年を越す人が続出するはず。
時間は全ての人に平等で、すべからくみな同じ時間、同じ期間、同じ12月を過ごすのです!! くりすますくりすます!!


【今月の気になる映画】

WALL・E/ウォーリー
- 12月5日公開
ピクサーの新作。絶対観る。

地球が静止する日
- 12月19日公開
キアヌ・リーブス。こういう設定大好き。

ワールド・オブ・ライズ
- 12月20日公開
リドリー・スコット監督、レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウです。多分レンタルになるけど・・・。


【今月の気になるゲーム】

428 〜封鎖された渋谷で〜
- 12月4日発売/Wii/セガ
先行レビュー。ファミ通のクロスレビューでオール10を獲得しました。
満点は史上9本目らしいです。

カラオケJOYSOUND Wii
- 12月11日発売/Wii/ハドソン
自宅でカラオケ。気にはなるけど買わないと思う。

ラグナロクオンラインDS
- 12月18日発売/DS/ガンホー・オンライン・エンターテイメント
有名オンラインRPGがDSに。

レッツタップ
- 12月18日発売/Wii/セガ
史上初の「コントローラーを使わないゲーム」。センスがいい。

ファンタシースターZERO
- 12月25日発売/DS/セガ
こちらもオンラインRPGをDSに。画質が・・・。


【今月のaxe】

クリスマス
- 12月25日 (水)
今年は平日です。平日はフツー仕事してます。
誰か"iPod touch"か"キヤノンのプリンタ"ください。サンタじゃなくても大歓迎です。

忘年会
4回くらい。いっぱい忘れます。稽古がないので結構いけるか。

年賀状
今から動いても遅い気がするw
コンビニでハガキを見るたびに思うけど、その前にプリンタ買わなきゃ。


【今月の一言】

「いいかげんゴミの日を覚える」

2008年11月30日 (日)

オーシャンズ12

ポスター
邦題:オーシャンズ12
原題:OCEAN'S TWELVE
監督:スティーブン・ソダーバーグ
製作総指揮:ブルース・バーマン、スーザン・イーキンス、ジョン・ハーディ
製作:ジェリー・ワイントローブ
脚本:ジョージ・ノルフィ
音楽:デヴィッド・ホームズ
撮影:ピーター・アンドリュース
編集:スティーヴン・ミリオン
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ジュリア・ロバーツ、ヴァンサン・カッセル
データ:2004年/アメリカ/125分 [ワーナー・ブラザーズ]
鑑賞方法:DVD
評価:★★★☆☆

[ストーリー]
 3年前カジノから大金をまんまとせしめたオーシャン(ジョージ・クルーニー)とその仲間たちだったが、金を奪われたベネディクト(アンディ・ガルシア)の怒りはおさまっていなかった。「1億6,000万ドルに利子をつけて返済しなければ命はない」と迫り、オーシャンたちは金を準備するためにヨーロッパへ飛ぶ。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
ようやく観ることができました。『オーシャンズ11』の続編にあたる今作も超豪華な顔ぶれはそのままに、ノリはさらに良くなっています。
スティーブン・ソダーバーグ監督らしい音楽と編集で見せる演出で、見ていてとてもテンポがいい。そしてやりとりがいちいちカッコイイ。手持ちのハンディカムで撮ったようなその場にいるような視点とやたらめったらしゃべりまくるまとまりのない面々。そしてそれをまとめるオーシャンは本当にクールです。

泥棒映画らしくひねりの利いたどんでん返しと、ストーリー展開は秀逸で、多少考えながら見ないと理解できないんですが、全然大丈夫です。細かいことは考えなくても何となくわかる作りにもなっているところはさすがエンターテインメント映画。
もうね、ポスターデザインとかBGMとか、この映画のセンス大好きです。

個人的には序盤のオーシャンズ達のやりとりが結構好きかな。あの個々全然まとまってないの最終的に同じところに落ち着く妙がたまりません。
そしてそれにちょっとついて行けてないライナス (マット・デイモン)も、ホントおいしい。マットは『ボーンシリーズ』を観ているから余計に役の落差に驚けます。

キャストの演技力がすごいのもう当たり前なんですが、ものすごい楽しんでいるのが伝わってくる芝居がいい。みんな、細かい目や表情の芝居がすごいです。
役者としてはそういう意味で見所だらけの映画でした。

2008年11月29日 (土)

レッドクリフ Part I

ポスター
邦題:レッドクリフ Part I
原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人、ウー・ケボ、千葉龍平、チン・ウェン・ハン、キム・ウデク、ユ・ジョンフン、ジョン・ウー
製作:テレンス・チャン、ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、ジン・ハーユ
撮影:リュイ・ユエ、チェン・リー
音楽:岩代太郎
出演:トニー・レオン、金城 武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン
データ:2008年/アメリカ、中国、日本、台湾、韓国 /145分 [東宝東和、エイベックス・エンタテインメント]
鑑賞方法:新宿バルト9 (9番シアター)
評価:★★★★☆

[ストーリー]