第9地区

レビュー
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ポスター

邦題:第9地区
原題:DISTRICT 9
監督:ニール・ブロムカンプ
製作総指揮:ケン・カミンズ、ビル・ブロック
製作:ピーター・ジャクソン、キャロリン・カニンガム
脚本:ニール・ブロムカンプ、テリー・タッチェル
音楽:クリントン・ショーター
撮影:トレント・オパロッチ
編集:ジュリアン・クラーク
出演:シャルト・コプリー、他
データ:2009年/アメリカ・南アフリカ・ニュージーランド/111分 [ワーナー・ブラザース/ギャガ]
鑑賞方法:新宿ピカデリー (3番シアター)
評価:★★★★★

[ストーリー]
ある日、ほかの惑星から正体不明の難民を乗せた謎の宇宙船が、突如南アフリカ上空に姿を現す。攻撃もしてこない彼らと人間は、共同生活をすることになる。彼らが最初に出現してから28年後、共同居住地区である第9区のスラム化により、超国家機関MNUは難民の強制収容所移住計画を立てるのだが……。
(シネマトゥデイ)

[インプレッション]
南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突如宇宙船が出現。しかし、船が故障してしまったため船内の者たちは地球に降りてくる。そこから28年後、エイリアン達(通称エビ)は”難民”として地球人と共存していた。隔離地区である第9地区は完全にスラム街と化しているというなんともリアルな設定。

完全にB級SFとして期待して観に行った本作だが、完全にやられました。

こんなことが実際起こったら今の世界情勢はどうなるかという状況の変化を前半でドキュメンタリー形式で見せいていく様は見事にやられたと思った。カメラワークや当時のニュース映像の作り方がなんとも臨場感たっぷりであっという間に引き込まれる。
時間軸と緊迫しているリアルな映像表現をわざと見せない手法をで、むしろ古臭い画面作りを効果的に使っている点も非常に興味深い。
とにかく、臨場感たっぷりで、つい最近ギネス記録を打ち立てた”リアル”を謳っているSF超大作の『アバター』がファンタジーにしか見えなくなります。同じSFなだけで比べるような作品ではありませんが、こちらは制作費3千万ドルという低予算、さらには出演者はほとんど無名という作品。

ピカデリーではPG12という12歳以上の指定があったが、その指定年齢よりもよっぽどリアルな部位破壊があったりとそういう意味でもかなりの見ごたえのある映画なので覚悟のして見た方がいいかと。
やっぱり、満足度の高さは脚本の秀逸さにあると思う。はっきりいってハチャメチャな設定なのだが、最初から最期まで本当にうまく観客を引きつける工夫が施されている。事前情報が全くない状態で見た方が、まさかこんな展開になるとは思わずに終始画面に釘付け状態だった。

この期待とのギャップも相まって、ボクの中では今年最高の評価を与えたい映画になりました。ここまで完成度が素晴らしい作品はそうそうお目にかかれない。
前情報なしに観ることをオススメします。間違いなく、今年一番のダークフォース。

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